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猫と恋をしてみました


地面を破壊するかのごとく打ち付ける雨


今日は金曜日で仕事帰り


本当なら嬉しいはずの金曜日が雨のせいで嬉しくない


今日の占いは3点中3点で


奇跡が起こるきっかけがあるかも!?と言っていた


なんとも信用しがたい、しかも3点は絶妙に分かりづらい


〇〇:あぁぁぁあ!雨うぜえぇえ!


やっぱり雨に濡れるのは嫌い


ズボンの裾が冷たくなり靴下が濡れるのが気持ち悪い


これのどこが3点だよ


奇跡のきっかけなんか感じられなかったが


道を歩いていると何故かいつもと違う道から帰りたくなった


いつもなら入らない裏道に入り


今朝のスタート地点へ戻る

すると猫ちゃんが道路を歩いているのが見えた


〇〇:あぁ…あの猫ちゃんかわいいなぁ…


誰もが癒されそうな猫ちゃんを見つけた


すると猛スピードの軽自動車が


ぶぅぅぅぅぅん!


〇〇:あ、危ない!!


操られたかのよう咄嗟に体が動きだした


どさっ…!


〇〇:いっ…たた…猫ちゃん…は…?


無事じゃん


〇〇:あのいつでも免許返納できそうな顔の運転手が…!気をつけろよ!


まぁ猫ちゃん無事だしいっか…


〇〇:あ、なんか猫缶カバンにあったからこれ食べな


見事に猫ちゃんを救い出した帰り


最終的にずぶ濡れになってしまったがとても清々しい雨だった


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次の週

お前はテニスプレイヤーか?と聞きたくなるほど元気な天気


先週とは大違い


〇〇:よっしゃあー!金曜日!!


やはり雨の日とは違って最高だ


仕事終わり


帰り道は遠回りをしたくなるということであえてこの前猫ちゃんを救った道へ


そこにはこの前助けた猫ちゃんが


〇〇:あ!この前の猫ちゃん!かわいいなぁ…ほんと癒される…


猫ちゃんを愛でてると


周囲がピカピカと光始めた


ピカーーーッッッ!

光により辺り一帯が覆われて

そこには…


??:にゃお?


〇〇:え?え?誰?さっきの猫ちゃんは?


なんといきなり光の中から女の子が出てきたのだ


〇〇:え?君だれ?

??:にゃん…あ、あ…い、うう

??:にゃ、に、ぬ、ね、の!発声練習中…よし!

??:さっきの猫ちゃん…わたしだよ!

〇〇:え?嘘でしょ?

猫:ほんとだよ!

〇〇:嘘でしょ!

猫:ほんとだって!

猫:じゃあちょっと頭撫でてみてよ!

〇〇:あっ、うん… ポンポン


猫:えへへ〜

〇〇:あっ!その撫でられた顔!さっきの猫と同じ表情!


〇〇:さっきの猫ちゃんなの…?


猫:そうだよ!


元気よく笑うさっきまでの猫ちゃん、よく見ると最高にかわいい女の子だ


〇〇:てか…服すごいボロボロじゃん

猫:なんかさこれが人間になったときの初期装備らしいよ


〇〇:そ、そうなんだ…

〇〇:えっと…家ないもんね…


猫:うん!当たり前!ここらへんずっとウロウロしてたんだから!

そりゃ行くとこもどこにもないよな

〇〇:じゃあとりあえず僕の家にくるってことで大丈夫?

猫:うん!よ〜しレッツゴ〜!!


移動中

〇〇:ちなみに名前ってある?僕は〇〇って言うんだけど

猫:〇〇って言うんだ!わたしは…名前なんてないよ

〇〇:じゃあ…さっき発生練習で「な」が言えてなくて「にゃ」になってて

〇〇:第一声がにゃお?だったから組み合わせて…

〇〇:なお!なおね!

〇〇:漢字は…奈央にしよっか!

奈央:え!すごい素敵な名前ありがとう〇〇!

〇〇:奈央!かわいいね

奈央:えへへ〜

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家に着


〇〇:ここが僕の家ね

奈央:奈央のお家ってこと!?

〇〇:まぁそゆうことになるね

〇〇:じゃあ…ずっと外にいたからお風呂入ろっか

奈央:え…やだよ…水嫌い

〇〇:そんなこと言われてもねぇ汚れてるって

〇〇:しかも雨で濡れてるんだから水は大丈夫でしょ

奈央:雨はあれ仕方なくあたってるんだから!水は嫌ぁ!!

〇〇:はいはいとりあえず入ってね〜

奈央:いやぁぁぁぁぁぁ!

奈央:はぁはぁ…猫に戻るかと思った

奈央:〇〇酷すぎ… あ、服ありがと

〇〇:まぁきれいになったからいいじゃんね

奈央:グゥゥゥ… お腹すいちゃった…

〇〇:そうだよねまともにご飯食べてないでしょ

奈央:うん最後のご飯は〇〇がくれた猫缶だもん

〇〇:え!?あれ1週間前じゃん!

奈央:ちょっとずつ食べて3日くらいもたせてたの!

〇〇:すごいな…あの猫缶絶対に量少ないのに

〇〇:あ、ネズミとか食べたりするの?

奈央:しないよ!あんな汚い動物誰が好きで食べるの!

〇〇:でも猫とかよく食べてるとこみるよ

奈央:周りの猫友はみんなおいしいって言ってたけど…わたしは絶対に食べなかったよ

〇〇:へ〜てか友達のこと猫友っていうんだ

奈央:そそ、最近流行ってたんだ〜

〇〇:猫の中にも流行りってあるんだな

〇〇:よし!できた!

奈央:やった!すごい美味しそう!

奈央:これなんていうの?

〇〇:これはねオムライスって言うんだよ

奈央:いただきます!

奈央:ん〜美味しいっ!

奈央:ありがとっ!〇〇が作る料理は美味しいんだね!

〇〇:奈央にそうやって褒められるの嬉しいな…

奈央:うぅぅぅ美味しい!


奈央が食べ終わり一息つく


〇〇:奈央はさなんで人間になったの?

奈央:それはね〇〇に感謝してるからかな

奈央:あのとき〇〇が助けてくれなかったら今ここにいないし

奈央:猫神様に人間になって〇〇にありがとうって伝えに行きたいって頼んだら

奈央:いいよって

〇〇:結構フットワーク軽いんだな猫神様

奈央:でも1週間しかこうして人間の姿でいられないんだよね…

〇〇:そうなのか…

〇〇:じゃあ…人間の姿のこの1週間を最高の思い出にしないとな…!

〇〇:よし!決めた奈央が人間の姿の間は仕事休む!

〇〇:奈央!明日から出かけるよ!


奈央:え?急に?


〇〇:服がないもんな…じゃあ明日は奈央に似合う服を買いにいこう!

奈央:え?いいの?1週間しかないしわたしの方がお礼しに来たんだよ?

〇〇:いいの!奈央は笑顔で僕を癒やす!これがお礼ね!

奈央:分かった!〇〇のために笑顔でいるね!

〇〇:そうそう!その笑顔でいこう!

_______________


翌朝8時

〇〇:奈央〜朝だよ起きて〜

奈央:ふぇぇ?もう朝ぁ…?

〇〇:そうだよ!これから出かけるんだよ

奈央:そうだったぁ…ふぁぁ…眠い…

〇〇:奈央は朝が苦手なのか…かわいいな

奈央:えへへ〜〇〇も一緒に寝ない…?

〇〇:まぁちょっとだけならいいか

1時間後

〇〇:おはよ奈央

奈央:〇〇おはよ〜〇〇が隣にいたからすごい寝るの気持ちよかったぁ

〇〇:それならよかった

〇〇:じゃあ準備しよっか


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〇〇:まずは奈央に似合うかわいい服を買いに行こっか

奈央:いいの…?

〇〇:遠慮しない!奈央がかわいいと思うの探そっか

奈央:これとかかわいいなぁ…

奈央:あ!こっちもいい!

奈央:え?こんなかわいいのもあるのかぁ

奈央:どれがいいんだろ…?

〇〇:奈央すごい迷ってるね〜

奈央:だって!全部かわいいし選べない…

〇〇:いいよ!それ全部買っちゃお!

奈央:え?いいの?

〇〇:うん!明日から着たいやつ着なよ

奈央:ほんとに!ありがとう!!

てことで購入した服に着替えて再出発

〇〇:奈央…最高にかわいい…!

奈央:えっへへ!ありがと…〇〇!

〇〇:どういたしまして!

〇〇:さ!お昼ご飯でも食べに行きますか!


こうして奈央との1週間が始まった

この1週間は

映画館に行ってみたり


〇〇:今日は映画館に行こう!

奈央:えいが…かん?

〇〇:映画は昨日からこのテレビで見てる映像がもっと大きな画面で見れるんだよ

奈央:そうなの…!楽しみ!

〇〇:う〜ん…行ってみよう!

そんなこんなで映画館に到着

〇〇:ところでさ奈央はどれが気になる?

奈央:え〜どれがいいかな…?

奈央:あっ!これがいい!

「猫の君がニャンバー1」

〇〇:よしこれ見ようか

視聴終

奈央:いや!おもしろかった!

〇〇:そうだねあんなおもしろい猫物語ないね

奈央:いいなぁわたしもあの猫みたいにあのカッコいいセリフで撫でられたいなぁ…

奈央:あんなカッコいい飼い主さんいないかなぁ?

〇〇:奈央…君がニャンバー1…!ナデナデ

奈央:くぅぅぅ!カッコいいね〇〇!惚れちゃう…

〇〇:は、恥ずかしいわ…

奈央:〇〇カッコよかったぁ!

奈央:明日もやってね!

〇〇:や、やめてくれぇ…


動物園に行ってみたり


〇〇:今日は動物園に行きます

奈央:どう…ぶつえん…?

〇〇:動物園は色々な動物たちが見られるんだよ

奈央:友達できるかも!

〇〇:そうだね奈央はできそうだね

奈央:楽しみだな〜

動物園着

奈央:うわ〜!あれなんていうの?見たことない!

〇〇:キリンだよ

奈央:あんなに首長い動物いるんだ!

奈央:あれは?

〇〇:あれはゾウだね

奈央:鼻なが〜〜〜い!

奈央:わたしの鼻は引っ張ってもあんなに伸びないよ

〇〇:まぁそりゃそうだろうね

奈央:え!?ここ動物と触れ合えるの?

〇〇:そうだよこの動物はモルモットって言うんだよ

奈央:かわいい!えへへっ撫でる側だわたし!

動物園も満喫し終わり帰り

奈央:動物撫でたけどやっぱり撫でられる側がいいや

奈央:〇〇?

〇〇:どうしたの?

奈央:撫でて?あのモルモットよりも気持ちを込めてわたしを撫でて?

〇〇:分かったよ ナデナデあのモルモットより奈央の方がかわいいね

奈央:もうっ!〇〇はわたしを虜にするナデナデしかしないね!

奈央:嬉しいっ!


水族館に行ってみたり


〇〇:今日は水族館に行きます

奈央:すいぞく…かん…?

〇〇:いろんなお魚が見れるんだよ

奈央:楽しみだ!お魚!お魚!

〇〇:奈央は魚すきだもんなぁ

水族館着

奈央:わぁ!お魚いっぱいだぁ!

〇〇:そうだねぇみんなキレイだよなぁ

奈央:これ全部食べれるのかなぁ?

〇〇:奈央…水族館でそれは言わない方がいいぞ…

奈央:あ、でもあのお魚キラキラしてて食べたくない

〇〇:大丈夫ここの魚は食べる用じゃないから

奈央:あ!あれなに?

〇〇:あれはドクターフィッシュだよ

〇〇:ちょっ…!奈央…!ドクターフィッシュ捕まえるのはだめっ!

〇〇:いくら魚が好きだからって!

奈央:え?これ捕まえていいんじゃないの?

〇〇:だめだめ!!

奈央:食べれないの?

〇〇:食べないよぉ!

〇〇:もうダメっ!ほら!手出して!

〇〇:魚を捕まえないように手繋ぐよ!

奈央:ギュッ お魚捕まえるよりも〇〇と手繋いでる方がいいや

〇〇:それならずっと繋いでようね


一緒にお昼寝したり


奈央:〇〇ぅ…眠い…

〇〇:そうだよなぁ毎日出かけてたから疲れるよな

〇〇:今日は一日中ダラダラ過ごそっか

〇〇:じゃあ寝てていいよ

奈央:〇〇も一緒に寝るの…

〇〇:はいよじゃあベット失礼しますね

奈央:えっへへ…〇〇お布団あったかいね…

奈央:もっとこっち寄ってよ…くっつけない…

〇〇:はいはい…

奈央:〇〇…好きぃ…

奈央:もう離れたくないよぉ…

奈央:猫に戻りたく…な…い

スゥスゥスゥ…

寝てるじゃん

〇〇:そうだよなぁ僕も奈央が本当の人間だったら

〇〇:絶対に告白してるもんな…

〇〇:僕も好きだよ…奈央…


楽しいことづくし1週間だった

ついに今日は1週間の最終日


〇〇:奈央…今日で最後だね…

奈央:そうだね…〇〇…

奈央:わたし猫に戻りたくないよ…

奈央:このまま〇〇とずっと一緒にいたい…!

〇〇:僕も奈央と一緒がいいよ…

〇〇:でも猫神様との約束があるんでしょ?

奈央:でも…〇〇が好きなの…!

奈央:毎日一緒にご飯食べたいし…!

奈央:一緒にお昼寝して…

奈央:一緒にお出かけして…

奈央:まだまだ〇〇にナデナデされたいよ…!

〇〇:僕も死ぬまで奈央と暮らしていきたいよ…

奈央:ううっ…〇〇最後までわたしのこと撫でてよ

〇〇:そうだね奈央が離れたくなくなるくらい撫でてあげるよ

奈央:ナデナデ〇〇大好きっ…

奈央:ナデナデずっと〇〇と一緒に生きていたい…

奈央:ナデナデああ…人間になれたらなぁ…

奈央:ギュッ 〇〇から離れたくない…

奈央:最後の最後まで〇〇と

奈央:〇〇にくっついて最後を迎えるのっ!


そうして迎える1週間というタイムリミット


奈央:あと1分…

奈央:はぁ…〇〇…

〇〇:奈央…好きだよっ

〇〇:猫でも人間でも奈央を好きなのは変わらないから…

奈央:あぁ…あと30秒…

奈央:〇〇っ!奈央のこと忘れないでよ!

〇〇:忘れないよ!猫に戻ってもこの家に帰ってきな

奈央:うん…!〇〇この1週間ありがとう!

〇〇:こちらこそ奈央ありがとう大好きだよ!

その瞬間

ピカッーーーーー!!!

光が辺りを覆った

〇〇:はぁ…

そこにはさっきまでいた奈央の姿はなかった


___________


金曜日

あんなに楽しみだった金曜日だが

今の自分に楽しみはない

奈央がいないから

どれだけ奈央を好きになっていたのかを

心にできた穴が教えてくれた

会社終わりの自分の頭の中に今までの思い出が蘇ってきて

気づくとすでに家に着いていた

やっぱり奈央はいないよな…

すると後ろから

??:〇〇…?

あの1週間で何度も聞いた優しい声が

振り返ると

〇〇:え…?奈央…?

奈央:えへへ…猫神様に人間にしてもらっちゃった…

奈央:これでまた〇〇と暮らせるね…!


奈央:お家に帰ってきちゃったっ!

〇〇:奈央…!

奈央:〇〇…!

奈央:ただいま〇〇!

〇〇:おかえり奈央!


猫との恋が再び始まった瞬間だった


___________


おまけ

〇〇:どうやって戻ってきたの?

奈央:猫神様に人間になって〇〇と暮らしたいって

奈央:まだお礼しきれてないって

奈央:1週間くらい抗議してさっき完全に人間になって戻ってきたの

〇〇:今回の猫神様は反対して粘ってたんだな

奈央:だからもう〇〇と離れることはないね!

〇〇:そうだね!奈央がいなくなってつまんなくて仕方なかったんだよ

〇〇:ほんとに嬉しいよ!

奈央:これからもナデナデしてね!

〇〇:もちろん好きなだけね!


希望の実現

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