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〈事情〉🗝

ベッドで腕枕をしながら仕事先で受賞した作品の写真を見せてくれた。

ーーー今日で最後にしようーーー

彼に気持ちは伝えずホテルを2人で後にして、いつものように駅の改札手前で散らばった。

大好きな気持ちは変わらないけれど、今見ているのは自分ではないと思い込めば、極端に傾いてしまった気持ちがフラットになる様な気がした。

この関係から楽になろうとしてるわけではなくて、こんな感情と理性も彼を愛している気持ちから生まれたものだと信じてほしい。

20代の女性2人と噂があった時はこんな心境にはならなかった。女性は浮気相手の年齢が自分と同年代、もしくは上だと許せないとか、別れに直結してしまうかもって聞くけど、肉体関係のお話では自分と年齢が近いとショックというのは何処かわかった気がする。

仕事中に鍵のかかる場所へ消える彼女との噂についてをそれとなく確認して、真摯に否定をした彼をそのまま正しく愛せたならよかったのだけど、ほんの数十分前まで一緒にぬくもりも感じていたはずの今でさえ、週明けからのオフィスで再び匂わせや漂ってくる噂などから、心が離れてしまうのではないかと思ってしまう事を情け無く思う。

「僕はあなたが好きです」

こんな日に限って
声にならない気持ちを聞けたり
写真を送ってもらったり
恵比寿の夜の街
傘を開いて歩いていた




katz maneki🗝

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