見出し画像

忘れられない映画

忘れられない作品
本なのか、映画なのか、ドラマなのか、絵画なのか

人生の中で「また触れたい」と思える作品に出会えることっていいなと思う
その時に感じたことが
何年経っても瞼の裏に浮かぶようなものっていいなと思う


わたしにとって忘れられない映画に、
『永遠の0』がある



中学1年生の時、当時非常勤で国語を担当してくれていた新任の女の先生(今では恩師と呼べるほど大好きだった先生)が突然、


「先生、みんなに観て欲しい映画があるから、今日から何時間か授業の時間を使って映画を観てもらいます」

と言って、教室でめったに使わない大型テレビを準備し始めた


それが、『永遠の0』だった

私の祖父母が戦争経験者ということもあって、
小さいころから戦争というものに興味があったわたしは
「うわ、気持ちわる」「え~~こわ~~い」
とじゃれ合うクラスメイトがいる中、ストーリーにくぎ付けになって観ていた記憶がある


もちろん映画のストーリーが13歳の私にとって
衝撃的だから、忘れられない部分ももちろんある


でもそれ以上に、きっとこの映画がわたしにとって忘れられないものになったのは、最後のシーンが終わった後の先生の姿だった
おそらく当時24,5歳だった先生が
私たちの前でティッシュで目と鼻を抑えながらと咽び泣いていた

そして真っ直ぐな瞳で


「みんな、これはフィクションじゃないんだよ。
絶対に、忘れてはいけないんだよ。」
と伝えてくれた

あの時の授業の時間を覚えている同級生が
果たしてどれくらいいるのかわからないけど、
あれだけ真剣に私たちに訴えかけようとしてくれる先生に巡り合えて本当に良かったと思う

ちょっと大人げないくらい素直で、まっすぐに気持ちをぶつけてくれるような大人と出会えたことが中学生の時の私にとってすごく大きなことだったし、そんな先生が本当に大好きだった



あれから約10年が経った今、
なぜかふと、永遠の0を観直したくなった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

メモに残したセリフを1つ。
宮部の部下が当時を思い出しながら孫たちに伝えるシーンにて

ーつまり、祖父は、祖母と母のことを、愛して、いたんですね。
ーはい。わたしらは愛などという言葉は使いません。
 しかし、小隊長は奥さんと娘さんのために生きて帰りたい、
 とはっきり喋られました。
 わたしらの世代にとってそれは、愛している、という言葉と同じです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

家族、愛がホットワードな最近、
その1つの在り方に触れられた気がする

でも、10年前と違ってすこしモヤモヤして終わってしまった


「どうして特攻を選んだのか?
そこまで生きることに誰よりもこだわっていた人が
どうして家族に会いに行くことを辞める決断をして、他の人に託したのか?」

……

また5年後、10年後。
もし自分にも守るべきものができたら、少しはなにか感じられるだろうか…?

あの時、中学1年生のわたしたちに
授業の時間を使ってこの作品を観せてくれた先生に会って
いつか話してみたい













この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?