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「抹茶」と「畳」再発見! 高校茶道部旅行in西尾


3月下旬、2回に分けて愛知県西尾市を訪れました。茶道部恒例の春の研修旅行。それぞれ10人ほどの高校茶道部女子たちとのおでかけ。1日目はあいにくの雨でしたが、それぞれ楽しい研修ができました。

★1日目のコース
西尾城→西尾歴史資料館→松鶴園→あいや抹茶ミュージアム→抹茶ラボ

★2日目のコース
尚古荘庭園→旧近衞邸茶室→松鶴園→榊原タタミ店


この旅行での学びベスト3

第3位🍃
抹茶を引く石臼は50キロもあり、室温20℃、湿度40%の真っ暗闇で、1秒に1回転ほどの速度でゆっくりと碾茶を引く

回る石臼たち 
褪色を防ぐため、普段は真っ暗

松鶴園さんと、あいや抹茶ミュージアムさんでじっくりと臼引きの様子を見せていただきました。加工用と飲料用で茶葉の品質はもちろんのこと、引くスピードが異なるのだということを知りました。静岡県の茶の都ミュージアムは、世界のお茶や静岡県の誇る手もみ茶の産業の歴史が詳しく学べる学習施設であるのに対し、西尾はあくまでお茶屋さんの工場見学なのですが、抹茶の製造過程にフォーカスし、おいしい薄茶や抹茶を使ったお料理、お菓子などを堪能でき、満足でした。

第2位🍃
西尾の茶畑は平地にあり、しっかりと黒い寒冷紗でおおわれるような設備が設置されているため、静岡県の茶畑の景観とはずいぶん異なる

3月ということで、まだ新芽がでていないので寒冷紗は巻き上げられていました。矢作川と古矢作川の三角州にある西尾市内は高低差の少ない土地で、駅周辺の商業地、西尾城のある歴史公園を抜けて徒歩で15分ほど南下していくと、あちこちに茶畑が現れます。水はけのよい土地と川霧がお茶の栽培に向いていたこと、尾張の武家文化に茶道が根付いていたこと、岡崎で良質な御影石が採れるため、石臼の生産が可能だったことなどが、抹茶の一大産地となった理由なのだそうです。静岡県の茶畑は台地の上や、山の傾斜にあり、高速道路からも美しい模様を描く畝が見えますよね。新緑の季節に陽ざしをうけてきらきらと輝く美しさは格別ですが、それによりカテキンが生成されお茶らしい苦みが出るのだそうです。西尾のお茶は覆いの下で陽ざしを避けて濃い緑に大きく育ちます。アミノ酸の一種であるテアニンが多く含まれ、旨味が深い抹茶になるというわけです。

第1位🏆
榊原タタミ店のスゴ技

こちらのタタミ店、豆畳制作体験をしたいということで、生徒が見つけてきてくれました。西尾から電車に乗り上横須賀という駅で降り、徒歩10分。
とても親切な店主さんに教えてもらって、お洒落な豆畳をつくり、大満足だったのですが、予想を超えた畳の奥深さに出会いました。
こちらのお店の息子さん、神様と天皇しか座れないタタミを作ることのできるスゴ技の持ち主。
あまりの美しさに感激しました。

百人一首で見るやつ!


一枚一枚少しずつずらして、きっちり柄を合わせてへりが包まれています

お茶室の畳表の違いについてもちょうど今入ってきているから…と現物を出して、比べて見せてくださいました。
お茶室の畳が京間で64目と言っても、そこにも違いがあるそうです。

色も幅も手触りも違います


右から最高級で、神社などにしか使われない広島県産、次が一般のお宅でも使うことのできる最高級の熊本県産京間。次も熊本産の京間。そして江戸間。神社の畳は縁が目にかからず、一番端からしっかり1目出るような幅があるんですって。

電車の時間がなければもっとお話を聞きたかったな~

西尾の方たちはとても親切で、温かい印象の土地でした。資料館の方も突然訪れた私たちに、とてもわかりやすく丁寧な説明をしてくださいました。近衛邸でお茶をいただいたときも、お茶室の案内もしてくださり、美しいお庭を見ながらおいしいお菓子(両口屋さんの桜餅)とお抹茶を堪能しました。

2回も昼食でお世話になった松鶴園さん。茶そば、碾茶飯、抹茶ソフトクリーム美味しかったです。込み合う時間に大勢で押しかけましたが、丁寧で手際のよいご案内でとても気持ちよく過ごすことができました。

年度末の校務がとても忙しい時期に、丸2日も生徒と遊んできてしまいましたが、彼女たちがとてもすばらしいコースを練ってくれたおかげで、学びの多い、充実した時間を過ごせました。残業も休日出勤もする価値ありの生徒と過ごす時間。役得です!














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