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膝蓋大腿関節(PF-J)の負荷。運動種目別ランキング

📖 文献情報 と 抄録和訳

膝蓋大腿関節荷重の35の体重負荷リハビリテーションエクササイズと日常生活動作における経過

📕Song, Ke, et al. "Patellofemoral Joint Loading Progression Across 35 Weightbearing Rehabilitation Exercises and Activities of Daily Living." The American Journal of Sports Medicine (2023): 03635465231175160. https://doi.org/10.1177/03635465231175160
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[背景・目的] 漸進的な治療的負荷を与えるエクササイズは、膝蓋大腿部痛のリハビリテーションの中心的な要素であるが、一般的な体重負荷リハビリテーションエクササイズの大半において、膝蓋大腿関節の負荷に関する定量的なエビデンスは乏しい。
●目的:35種類の体重負荷リハビリテーションエクササイズおよび日常生活動作における膝蓋大腿関節の全体的な負荷レベルを定量化、比較、ランク付け、分類するための負荷指標を定義すること。

[方法] 研究デザイン:記述的実験室研究。モーションキャプチャと地面反力データに基づきモデル推定した膝関節屈曲角度と伸展モーメントを用いて、各運動を実施した健常者20名の膝蓋大腿関節負荷を定量化した。

荷重指数(PF-J負荷指数)は、各運動における荷重ピークと累積荷重インパルスの加重和により算出した。その後、35のリハビリテーション運動と日常生活動作をランク付けし、負荷指数に従って低、中、高の「負荷段階」に分類した。

✅ PF-J負荷指数と階層分けの定義
・負荷ピークを50%、負荷インパルスを50%として重み付けした合計を計算し、各エクササイズについて1つの負荷指数を算出
・負荷量の定義:
 ■ 第1階層(低、<0.333)
 ■ 第2階層(中程度、0.333~0.667)
 ■ 第3階層(高、>0.667)

[結果] 全体的な膝蓋大腿骨荷重レベルは、エクササイズや活動によって大きく異なり、荷重ピークは、歩行時の体重の0.6倍から片脚デクラインスクワット時の体重の8.2倍までであった。ほとんどのリハビリテーションエクササイズは、中等度の膝蓋大腿関節負荷を生じていた。体重を支えるエクササイズで、歩行に似た低レベルの負荷や、負荷の大きさと持続時間の両方が高いレベルの負荷を与えるものはほとんどなかった。膝関節の屈曲が大きいエクササイズは、高強度のエクササイズと比較して、膝蓋大腿関節の負荷が大きくなる傾向があった。

[結論] 本研究は、同一コホートにおける体重負荷エクササイズの大規模なコレクションにわたって、膝蓋大腿関節負荷を定量化した。臨床的意義:可視化された負荷指標ランクと修正可能なワークシートは、理学療法士が膝蓋大腿部痛のリハビリテーションのために患者に特異的な運動プログラムを計画する際に役立つ可能性がある。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

いつか空を飛ぼうとするものは、まず、立ち、歩き、走り、よじ登り、踊ることを学ばなければならない
いきなり飛んでも飛べるものではない

ニーチェ

高齢患者は、いつかは旅行にいきたいかもしれない。
アスリートは、文字通り、ハイジャンプしたいかもしれない。
だが、いつか空を飛ぼうとするものは、いきなり飛ぼうとしてはいけない。

徐々に、負荷を上げていく必要がある。
漸進的トレーニング、である。
今回の抄読研究は、膝蓋大腿関節において、漸進の道を示してくれた。
この負荷リストに従って、徐々に負荷を上げていきたい。

膝蓋骨骨折患者にとって、スパニッシュスクワット様のスクワットを強制することは、避けた方がいいだろう。
臨床現場においては、結構やられがちかもしれないと感じた。
ステレオタイプな介入ではなく、目に見えない力まで理論負荷した上での介入を。

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