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誰に向けて、なぜ書いているか
冒頭にアンカーする記事を書いてみよう、ということで、わざわざ時間を使って、何を誰に向けてなぜ書いているのか、について書いてみようと思う。
まず、誰に向けてなぜ書いているかというのは簡単だ。自分の子どもたちに向けて、子どもたちが大人になって、自分が亡くなっていて、父のことが知りたければ読んでほしいと思って書いている。要するに遺言や遺書の類というわけだ。
私の父はすでに80を超えていて、昔から自分
2024.06.01
お元気ですか。
私は元気ですが、いろいろなことが不安です。
けれども、そんな一方でやる気も湧いてきました。
人間、結局のところ、死ぬまで何かをやっていられることが幸せなのかもしれません。
太宰治の『惜別』も読み終わりました。そのうちの「惜別」。魯迅は、仙台に留学して、医学から文学へと、180度の転換をします。そこのところを、仙台時代の友人であった老医師の視点から語った作品です。
これを読
孝の「サービス精神」 〜齋藤孝の研究 6〜
太宰、太宰で日が暮れる俺の毎日は、ときどき孝の風によって、空気が入れ替わる。
いや、そうじゃないな。
太宰関連本を読んでいると、孝が時々顔を出すことがあって、なんだか変なところで会いましたな、みたいな気持ちになる。
そんな感じか。
「ナイフを持つ前にダザイを読め!!」という煽りの入った『文豪ナビ 太宰治』(新潮文庫)。ダメだよダメダメ、判定じゃダメだよ、KOじゃなきゃ、というフレーズが思い
2024.05.28
「最近、なにか面白いことはあるか?」と聞かれて、「最近、太宰治を読んでます。なかなか面白いですよ」と答えることが通例となっているのだけれど、その反応には2種類ある。
一つは「今さら何してんの?」という趣旨を述べる人。それは昔太宰を何冊か読んだ人で、青春文学の代表として理解している人。だからアラフィフにもなって太宰もないだろう、という思いをぶつけてくる人。この考えはよくわかる。
もう一つは、「す
「ウッチャン」(仮名)のこと 〜ある社の人間模様22〜
ウッチャンは芸能人の内村さんのことではなくて、ウチの会社でzoom会議をすると、ずっと自分の写真映りを気にして前髪をかきあげたり、毛束を摘んだり、色々と忙しい彼のあだ名である。つまらない会議の時は、いつも私はウッチャンを画面に固定して、彼の一挙一動に目を光らせている。
人事評価的な意味でチェックしているわけではなく、彼に議事録のような向いてない仕事をさせることにいつか反対して、彼は彼の仕事に邁進
2024.05.26
知らないけど、恋愛に恋焦がれた日々を卒業する段になって、なにか失ったような気持ちになる人がいる。ある種、幸せの絶頂とも言える時期なんだろうと思うのに、変に憂鬱になって、浮気に走ったりする人だ。そこに恋愛があるのに、どうして別種の恋愛を志向するのだろう、と、私などは訝しんだが、本人はいたってケロッとしていて、この恋愛と、あの性愛は別、という確固とした価値観を持っていた。その人が現在幸せであるかどうか
もっとみる2024.05.23
無駄に4本もアップしてしまった。書き溜めていたものに、今日の要素を付け加えて、休み時間に放出しただけの代物である。ただ、不調の時に書いていたので、案外、自分としては気に入っている。
齋藤孝のエッセイは、もちろん半ばネタのつもりで取り組み始めたのだけれども、文庫になっていない初期の齋藤孝の本を読むと、彼の本当にやりたかったことが見えてきて、それはそれで面白いと思った。彼はルサンチマンの人だ。今はそ