徒然物語70 属人的
最先端技術博覧会にお越しの皆様、お待たせしました!
いよいよ夢のマシンの登場です!
見た目は小学校の掃除ロッカーですが、
果たしてどんな機能が備わっているのでしょうか!?
…そう、このマシンは人が想像したものを形にする、
“次世代型3Dプリンタ”なのです!
この中は異空間とつながっています。
最先端の四次元技術により、世界中のあらゆる場所から、材料を仕入れ、異空間で加工しこのボックスに転送されます。
いいですか、皆様。
“どんなものでも“です。
たとえば、海外でしか食べられない、5つ星のフルコース。
あのスーパーカーでも。
木造一戸建ての夢のマイホームだって!
大きさも関係ありません!どんなものでも出てきます。
まさに、夢のマシンなのです!
では、この夢のマシンを発明した博士にお越しいただき、その奇跡の瞬間を共に目撃しましょう!!
博士、どうぞ!
…どうぞ!
…博士?
え~…たった今入った情報によりますと、博士は、
『某マンガの結末が気になるので、30年後の未来に行きます。探さないでください。』
との書置きを残し、昨晩から行方不明のようです。
えっ博士がいないと誰も起動できない?
仕組みが複雑すぎて博士以外再現することもできない?
博士がいないなら、ただの掃除道具入れ?
…何と言うことでしょう…
どうやら私たちは、たった一人の天才に依存しすぎていたようです…
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