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オーストラリアの動物検疫

私は移住する際に日本から犬を3匹連れてくるというかなり大変なことを成し遂げたのでどなたかの参考になればとここに記しておこうと思います。

※2016年当時の情報ですので現在の正しい情報は必ずオーストラリア政府の検疫に関するページでご確認下さい。

オーストラリアに動物を持ち込むのはかなり大変です。一年前遅くとも半年前から準備することをお勧めします。

① まず日本で信頼のおける動物病院でオーストラリアへの動物検疫に協力してくれる獣医さんを探します。(英語での書類記載にも協力をしてくれる獣医さんが必要です)健康チェックや投薬や予防接種に通わなければならないのでなるべくご自宅近くの獣医さんのほうがよいと思います。

② 獣医さんと話し合って渡航までのスケジュールを組みます。予防接種や投薬などのスケジュールは日本での最終検疫日に合わせて逆算して予定を考えた方が無難です。

③ 飼い犬や飼い猫がマイクロチップを入れていない個体であれば早急にマイクロチップを挿入してもらって個体番号を登録してもらってください。

④ マイクロチップ番号を受け取ったらオーストラリアの動物検疫のサイトを確認して検疫の申請をします。(2020年時点では申請費用は一匹につき$480です)

⑤ 申請が通って申請番号が取れたら検疫施設の予約を入れてください。この時に検疫施設宿泊費を払います。10泊の検疫期間で一匹につき最低でも$2,000を見積もっていてください。我が家には老犬が居て追加料金もかかりました。

⑥ 動物が飛行機に乗るためのクレートを用意します。クレートには動物の大きさによって細かい規制があるのでしっかり確認して規定に合ったものを購入してください。私は小型犬三匹個々ににこちらの中型犬用のものを購入しました。頑丈で規定をクリアしているのでおすすめです。

またフライト中の水分補給はとても大事なのでこちらのペットボトルを取り付けられる給水用ノズルがおすすめです。私は心配性なので一つのケージに付き二個購入してフライト当日はケージにボトルを二本ずつ取り付けました。

渡航日までにこのノズルで水を困難なく飲めるようにお家で練習しなければいけません。私は部屋にこのケージと給水ノズルを付けたセットを用意して自分で水が飲めるように半年前から設置して犬たちをケージと給水ノズルに慣れさせました。

⑦ フライトの予約をします。オーストラリアの動物検疫所はビクトリア州のメルボルンにしかありません。最寄りの空港からメルボルン着の動物輸送の可能なフライトを探します。私の場合は関西空港からの便でシンガポール経由のシンガポール航空のみの選択しかありませんでした。トランジットで時間が余計にかかる分心配が更に増えましたが他の選択肢はありませんでした。(注意:動物輸送を使う場合は自分が現地へ渡航する場合に日付や便が違っても同じ航空会社を使わなければならないシステムになっていました。)

動物輸送自体の申し込みは日本通運を通しての申し込みになるので日本通運へ直接連絡してフライトの予約申し込みをします。(小型犬三匹の輸送代は約30万円でした)

⑧ 日本での動物輸出の為の検疫の予約をします。(オーストラリアだけでなく出発前に日本の空港でも検疫検査があります)これは空港へ直接連絡して検疫科の獣医に予約を取りました。費用は三匹で15万円でした。

⑨ フライトが決定したらオーストラリアの検疫所へ連絡してフライトの到着日時の詳細を伝えます。

⑩ 日本の動物病院へ通って必須である全てのワクチン、投薬、健康チェックを済ませたら獣医に必要書類に証明してもらってオーストラリアの検疫所へ送ります。

⑪ フライト当日はフライト数時間前に空港へ行き動物検疫施設で最終の健康チェックと検疫タグをクレートに取り付けてもらいます。そこで犬たちを預けて日本通運の事務所へ行き犬たちの渡航手続きと最終書類へのサインをして清算を済ませます。

ここまでがオーストラリアへ犬を輸送するために最低限しなければならない一連の流れになります。ご覧の通りとにかくお金がかかります。我が家の場合三匹だったうえにうち二匹は老犬だったので費用は三倍以上でした。検疫所で少しでも健康に異常が見られた場合はメルボルン大学病院に直行ということで我が家の一番上の子はフライトでかなり調子を崩したみたいでそのまま大学の動物病院に検疫終了日まで入院することになり別途の入院費$5,000がかかりました。それでも検疫施設に予約して支払った$2,000は全く返金されませんでした。

そして一番下の子は検疫中にダニが発見されたらしく検疫期間を延長させられて検疫終了日に同時に引き取ることが出来ずに更なる検疫費用と宿泊費用を請求されました。またメルボルンからクイーンズランドの家まで犬を運んでもらう旅費も別途かかることになりました。

人によって差はあると思いますが我が家の場合は結局オーストラリアに犬を三匹連れてくるのに別途でかかった動物病院代も含めて180万円近くは支払ったと思います。おそらく健康な若い犬であっても一匹につき最低$5,000は見積もっておいた方がよいでしょう。大事な家族なのでこれが高いとは言えませんが飼い主さんは検疫の為にやらなければならないことが沢山あります。決して簡単に連れてくることは出来ないということです。しかしながら愛犬三匹がオーストラリアの大自然の広々とした大地で幸せに過ごすことが出来ている今、無事に連れて来れて本当に良かったと思います。

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オーストラリアへ移住される方で大事な家族であるペットを連れてこようと考えておられる方はぜひ参考にしてみてください。

















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