忙しい毎日での自愛は難しい、だけど 訪問介護士@オーストラリア

「自分を大切にしよう」という言葉をよく聞きますが、忙しい世の中、これが意外と難しいものです。
子育て中の親だったり介護をしている人だったり、誰かのお世話をする人は、自分に余裕がなくなると、同じことをしていても、相手や周囲の態度によっては、心の中はささくれ立ったり、イライラしたり、怒りに満ち溢れてしまうことがあるのではないでしょうか。

昨日の私は、まさにそんなプチイライラを抱えた状態でした。認知症の方が同じことを何度も話すのは当たり前、いつもならニコニコ初めて聞くかのように対応できるのに、昨日は何故か「なんで同じこと聞くかなぁ…」と心の中でイラっとしてしまいました。そうすると、受け答えもなんとなくとげのある言い方やそっけない態度になっちゃうんですよね…。心の状態って、ホントすごい影響力だなぁと、自分の姿を客観視してしみじみ思ってしまいました。

理由はわかってるんですよ。肩が痛いから。せっかく治ってきていたのに、2週間前から新しいクライアントを受け持つようになって、広い部屋の掃除とモップとバスルームの拭き掃除をした結果、一気に痛みが悪化。あー、受けるんじゃなかったという後悔と、肩痛めてるってわかってるんだから新しいシフト入れないでよ!という勝手なスタッフへの苛立ち(完全な八つ当たりです、ハイ)。いつまで続くんだろう、この痛み…いつまで仕事できるんだろう、私…次から次へと不安がよぎります。こういう時は寝るのが一番思って早く寝たのに、夜中に目が覚めて、寝られなくなって、かえって痛みどころか疲れが取れなかったんですよね。正に悪循環。

そして、明日は問題のシフト…「あー、嫌だなぁ」と思っていたところに、夕方会社から電話があって「心臓発作で入院されたので、明日のシフトはキャンセルになりました」と。咄嗟に「あー、良かった」と思ってしまった自分に愕然としました、「あー、介護士失格だな…」。クライアントさんの心配より先に、自分のメリットを優先した思考に、こんな状態ではダメだと大いに反省し、問題のシフト2つを外してもらう決断をしました。

これって、仕事中に「お子さんが熱を出したので迎えに来てください」と保育園から電話のあったワーママの心理に似ているかもしれません。子どもの体の心配より、「なんで今熱!?仕事忙しいのに!」みたいな。こんな状況ありません?

子どもがまだ幼かった頃、検診の際に私が疲れた顔でもしていたんでしょうか、「子どもを預けてでも自分の時間もしっかりとって休んで下さいね」と言われたことがあります。その時、「そんな時間とれるわけないでしょ!」とものすごく反抗的な感情が出てきたことを今でも覚えています。家事や子どもの世話をしない夫、近くに親もいない状況の中で、思い通りにいかない幼い子どもを誰に預けてどうやって時間を取れって言うのよ!!!って。その後も何度もいろんな人から言われたんですよ、この言葉。今思うと、私、いっぱいいっぱいでした。

理想論は誰でも言えて、「自分の時間を取る」って、頑張っている人ほど本当に難しい気がします。でも、会社や環境や家族などのせいにしても何も変わらないし、休む時間を作るのは自分次第。結局は、どんな状況であれ、自分で「休む」「自分の時間を取る」と決めないと、忙しさに流されていってしまうのです。私は子どもが巣立って、時間的に余裕ができたので、かえってそのことを忘れていたのかもしれません。身体的にいっぱいいっぱいだった自分を大切にするために、しっかり肩を休める時間を取ることにします、ご自愛、ご自愛。
忙しい毎日の中、頑張っている皆さん、本当にお疲れ様です。

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