信仰する宗教があることはいいことがたくさんある 訪問介護士@オーストラリア

日本では宗教はあまりよくないものと捉えている人も少なくなく、
信仰深い人の少ない印象です。
2018年に、学術誌『ソーシャル・サイコロジカル・アンド・パーソナリティー・サイエンス』で、何かの宗教を信じていた人は、そうでない人たちと比べて平均で5.64歳長生きしていたという結果が発表されています。

私自身は、信仰深いわけではありませんが、介護士の仕事を始めてから、他国では信仰深い人が多いことを知り、そして、なんらかの宗教を信仰していることは、心身の健康に良い影響があると感じています。

①定期的に協会に行く
教会に行くことは運動になることや、人と会って話をする機会になります。
これはすごく大きいと思っています。毎週でなくても、教会に行こうとすることは、実際に教会に行く日だけでなく、その前から前向きな心と行動をもたらします。
例えば、その日を目標に、脚を鍛えなくちゃと思ったり、当日に向けて、美容室に行って髪を整えたり、おしゃれをしたり。普段は脱ぎ着しやすいことだけを考えて洋服を選んでいる方が、お化粧をしていつもより少し素敵な服を着るだけで、一気に若がえります。そして、見た目だけでなく、ご本人の気持ちも若返っているのを感じます。

また、教会に行けば、人と会って挨拶をしたり、話をする機会が必然と生まれますので、普段はずっと一人で家にいる方も、笑顔が増えます。世界も広がります。他の人からたくさんの元気をもらえるんですよね。そして、他の方々に元気を与えることもできるのです。たとえば、高齢の方であれば、教会に足を運ぶだけで、他の方々に「私もこの方みたいに何歳になっても教会に来られるくらい元気でいたい」という思いを湧き上がらせることができるのですから。こういった人との関わり(言葉を交わさなくても顔を合わせるだけでもいいのです)、元気でいる上ですごーーく大事です。

②辛いことがあった時も、立ち直るのが早い
宗教を信じている方は、何か辛いことがあった時や嫌なことがあった時も、悪い面ばかり見るのではなく、立ち直るのが早い印象です。生きる指針があるからでしょうか。伴侶を亡くされたり、お子さんを先に亡くされた時、あるいは大きな病気が見つかった時も、比較的早く前向きになられているように感じています。

③社会と繋がる機会がある
高齢の方でも、宗教団体での社会的な活動などに積極的に参加されている方が少なくありません。まだお元気な方だと、ご自身の得意料理を作って寄付したり、お手伝いに参加されたりしているので、自分でボランティアを見つけて何かするより、社会活動に参加するハードルが低いように感じます。誰かのために何かをする、誰かの役に立っているという実感は、生きる喜びに繋がると感じます。

今日は97歳のNさんを教会に送っていくお仕事でした。Nさんのいつもよりピシッとした服装と、背筋が伸びていて元気な足取りが印象的でした。


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