-第4章- 作品制作 「インディーズにおけるアナログゲーム開発環境と実践」(3項)

4−3 プロトタイプ2

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プロトタイプ2 全体像

4−3−1 勝利条件とルール

●勝利条件

「六角形のマスが書かれているゲームボードにコマを置いていき、自分の色のコマを4個連続で並べること」である。

●ゲームの準備

六角形のマスが書かれているゲームボードをテーブルに配置し、各プレイヤーが表裏で白黒のコマを10個ずつ持った状態にし、適当な方法で先行後攻を決め、自分の色を決めておく。

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プロトタイプ2 初期配置図

●ルール

プレイヤーは自分の手番において、以下の4つのアクションから1つを選び、相手と交互に行なっていく。

⑴自分の色を上面にした状態で、持っているコマを任意のマスに置く。ただし、すでにコマが置かれているマスには動かすことができない。

⑵任意の直線上にある全てのコマを1マスのみ直線上で動かす。

⑶自分の1個のコマの周囲の任意の直線上にあるコマを全て1マスずつ引き寄せる。この時、置いたコマを飛び越えることはできない。

⑷自分の1個のコマの周囲の任意の直線上にあるコマを全て1マスずつ引き離す。この時、ゲームボードの外に出てしまったコマは除外される。

以上の4つを繰り返し行い、相手より先に自分の色のコマを4つ直線上に並べたプレイヤーの勝利である。

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ルール概念図(左上、右上、左下、右下の順に⑴〜⑷)


4−3−2 コンセプト

プロトタイプ1の引力/斥力のアイデアをできる限りシンプルに体験できるようにルールを改変し、そこから勝利条件を馴染みの多い五目並べから利用した。


4−3−3 テストプレイ結果/考察

 20代男性1人とのテストプレイを2回行なった。コメントを自由に求めたところ、同じ盤面を繰り返してしまうループ問題が序盤で発生してしまうとのコメントをいただいた。

 これは、「①自分の手番でできるアクションの数」は多いが、相手に負けないための選択肢は限られており、「②自分の手番で行なったアクションの効果の数」が少なく他の選択肢を取ることができないためである。そのため、負けないために引き寄せるアクションと引き離すアクションが交互に起こりループが発生してしまい、結果として長時間のゲームになってしまった。

 よって、このプロトタイプ2は「短い時間で遊べる」と「ルールがシンプルである」というコンセプトで制作したものの、「ルールがシンプルである」ということしか満たせていなかった。また、シンプルであることは満たせていたが、シンプルすぎたためにループ問題が発生してしまっていた。

 次のプロトタイプでは、シンプルであるが「②自分の手番で行なったアクションの効果の数」は多いような物を試作した。



次は明日投稿します。

札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。