-第4章- 作品制作 「インディーズにおけるアナログゲーム開発環境と実践」(6項)

4−6 Wacryll ver1.0

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Wacryll ver1.0 全体像


4−6−1 デザイン

 本研究で制作したボードゲームは、実際の市場としてゲームマーケット2018秋に出展する。そのため、ルールが決まり次第、具体的なゲームボードの大きさやコマの大きさ、説明書などのパッケージデザインを検討した。


・素材とカラーについて

 ゲームボードとコマは、レーザーカッターでの加工がしやすく安価で制作できるという理由からアクリルという素材で制作した。よって、そのアクリルという素材の透明感を出すために、作品のビジュアルで使うメインの色を水色とした。コマの色は、集光アクリルという蛍光色のアクリルの組み合わせを試した結果、赤とオレンジの2色に決定し、その2色をサブカラーとした。 

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アクリル素材 検討している図


・パッケージについて

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使用素材:クリスタルボックスC-10

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使用素材:エーワン 手作りステッカー 透明 3セット 28873

 アクリルという素材の透明感を出すために、ゲームに必要な梱包物を入れる箱は透明な箱を採用した。安価に用意することができるように、既存に販売してある透明のプラスチックケースを探し、そこに透明のシールを貼ることでパッケージングするようにした。表から貼ると摩擦で剥がれてしまう可能性があったため、裏側から貼るようにした。   


・ゲームボードについて

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使用機材:Rayjet

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使用ソフト:Adobe Illustrator CC

 上記パッケージを採用してから、それに合わせてゲームボードを制作した。箱のサイズが幅120×奥行き200×高さ25[単位:mm]であるため、スムーズに箱からの取り出し等が行えるよう、前後5mmずつに余裕をもち、幅115×奥行き195×高さ3[単位:mm]の大きさにした。

 ゲームボードのコマを乗せる目安としての模様は、できる限り大きいコマを利用できるように、彫刻を行なった。


・ゲームコマについて

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使用機材:Epilog Mini 24

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使用ソフト:Adobe Illustrator CC

 ゲームボードのサイズにできる限り大きく配置するため、ゲームコマは約22mmの大きさで制作した。集光アクリルを切り出し、それを2色ずつはりわせ、幅22×奥行き22×高さ6 [単位:mm]のゲームコマとした。


・名前/ロゴについて

 壁を使うということを強調し、なおかつ素材感がわかるために、「Wall=壁」「アクリル=Acryl」の2つの単語を組み合わし、Wacryllという名前をつけた。ロゴは、ゲームコマの角が丸い四角形をベースに全ての角を統一し制作した。

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・説明書について

ベースカラーとなる水色を基調とし、説明書を記述した。

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4−6−2 テストプレイ結果/考察

 実際にレーザーカッターで加工したゲームボードとコマでテストプレイしてもらい、様子を観察し、その後、20代男女4名に説明書の見直しをしていただいた。

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テストプレイしてもらっている様子

 観察の様子から、ゲームコマを置く模様の間隔が狭すぎてゲームコマを動かしづらそうにしていたため、間隔を広くする必要があるとわかった。また、レーザーの加工の強さによって溝が深くなることで、ゲームコマを動かす際に引っかかってしまって、動かしづらいということがわかった。よって、パワーを抑え目で切削する必要があることがわかった。

 説明書の見直しを行ったところ、「楽しそうに感じない」「硬く感じる」「少し文章がわかりづらい」とのコメントをいただき、そこを基に文章校正を行った。




次の7項で、作品制作パートは終わりです!!!よろしくお願いします!


札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。