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ワードン杯準優勝とそれに関する道のりの話

あけましておめでとうございます。

昨年はあまり記事を書いていないので、もう少しだけコンスタントに書いていきたい所存です。

ボードゲームをこれからも考えていきましょう。

さて、新年1発目の記事は「ワードン杯準優勝とそれに関する道のりの話
」です。

ワードン杯とは?

ナナワリさんというボードゲーム製作者が作っている「ワードン」というゲームのオンライントーナメントです。

そもそもワードンとは

こういうボードゲームで、50音表を使って遊ぶ紙とペンを使ったゲームです。お題に沿った単語を決め、そのお題を推測しながら、先に相手が決めた単語を当てたら勝利です。

このワードンというゲームのオンライン大会が2022年12月-2023年1月まで開催されていたので、その道のりを書きながら、ワードンというゲームを考えてみます。

なお、以下は1回以上遊んだ人を想定して記述しています。

第1試合

さわさまとの対決。
お題は「都道府県」 2文字から4文字の単語のレギュレーション

初動、どうしていいかわからず少し意味不明な動きをしたものの、どういうことをしたら勝てるかを考えた試合でした。
2手差くらいで勝利しました。対戦ありがとうございました。

ここで気づいたのが、今まで遊んだワードンは「お題の幅が決まっていない」ということでした。
今回のお題である「都道府県」はマックス47個しかなく、2文字の都道府県は限られていますし、4文字も同様に限られています。
そして、使われていない50音も存在しますし、この50音はこの都道府県にしか使われていない、というのもあります。つまり「お題の幅が決まっている」ということです。

後半になって気づきましたがこの「お題の幅が決まっている」ということは非常に競技性が高く、戦略が求められます(いや、そんなことしなくても楽しいし面白いけど)
ここでいう競技性は「理詰めのように進行する」ということです。たとえるなら将棋のような印象を覚えました。

この50音を攻撃しよう、これが外れだったら回りの50音は最低でも水しぶき以下だな、だったらこの都道府県は使われていないな、などの段々と推理を行うことができます。これはパズルのような面白さがありました。

第2試合

製作者のナナワリさまとの第2試合。
お題は「接続詞」 2文字から4文字の単語のレギュレーション

これも先ほど書いた「お題の幅が決まっている」ものでした。ただ、こちらの「接続詞」のお題のほうが広いです。

初手で3連続くらいあたりを引くことができて、そのまま強気に攻めて勝利することができました。対戦ありがとうございました。

「ほんまに、これ接続詞なんか・・・?」と思いながら遊んでました、ぶるぶる震えてました。
接続詞のお題は都道府県より広く、推測な幅が広いので、がっつりした推理というよりも少し緩めの推理という印象でした。

第3試合

こっぺ様との第3試合
お題は「乗り物」 3文字から5文字の単語のレギュレーション

これはお題の幅が決まっていないフリーダムお題となり、第1試合や第2試合とは趣が異なります。
他の試合も見ましたが「ヨッシー」という単語を決めていたのを見て、「お、結構やってもいいんだな?」ということを思った記憶があります。

このワードンというゲーム、やや難しいというか勘所をつかみづらいのが「自分の単語決定」をするときです。
単語を決めるとき、普遍的なものでないと(自分も相手も知っている単語でないと)納得感を得られないのです。自分しか知らない単語を設定したとき、もしかしたら勝てるかもしれないけれど、勝負に対してもやもやが残ってしまいます。(これはいわゆる「身内ノリ」に近いものだと思います。)
この納得感というのは、ゲームをするうえで、しかも、ワードンというガチガチの戦略ゲームではないライトなコミュニケーションゲームでは必要だと思います。

なので、ワードンというゲームは「相手からは当てづらいが、相手も知っている単語」というのを狙う必要があり、そのチョイスが難しい。
このリミッターをどう破るかというのは大会ごとに色が出そうだなと思います(もしくは、プレイヤーごとに)。

「ヨッシー」という単語を見たときに、主体が自分でなくてもよいと解釈をして「ベビーカー」という赤ちゃんの乗り物を書きました。ちょっとずるい気もしています。

試合は、混戦を重ね、ぎりぎりで勝利。対戦ありがとうございました。
そして集中力が一瞬途切れてしまったのか、相手の攻撃に対して「水しぶきであるものをはずれと申告する」というミスを犯す。これも怪しい展開。申し訳ない、、、
ターンベースのゲームは、ちゃんと記録していかないと難しいなと思った次第です。気を付けます。

準決勝

ささみさまとの準決勝。
お題は「88星座」 3文字から5文字の単語のレギュレーション

これも先ほどいった「お題の幅が決まっている」試合。
しかも準決勝まできているので、ある程度お互いがワードンというゲームを理解している試合でした。

スピードでお互いに単語攻撃をして、激戦だったんではないでしょうか。
2分の1を3回外しましたが、最後の最後で1手差で勝利。対戦ありがとうございました。
まさかここまでいけるとは、という感想です。

大会という形式上、こういうお互いが理解していると競技性が高くて非常に楽しかったです。(個人的にボドゲの競技性を今度別の記事で書きます)

決勝

クロくまさまとの決勝。
お題は「冬といえば」 3文字から5文字の単語のレギュレーション

対戦相手のクロくまさまは第一回ワードン杯の優勝者です。やっぱりこのゲームには強いという概念があるんだなと思いました。
コミュニケーションだし推理だし、というワードンですが、その推理の組み立て方には効率があるので、そのコツを知っていると勝ち易い。
(マインスイーパーが得意とかそういうのは関係しているかもしれません)

お題については、クロくまさまより提案があり「幅を決めるか」「幅を決めないか」という相談があり、せっかくの決勝だったので「お題の幅を決めない」フリーダムお題での試合となりました。
おかげで難しいこと。年末年始を挟んでの試合でした。
序盤はかなり優位に進めることができましたが、最後の1個の単語を推測できずに敗北。準優勝となりました。
対戦ありがとうございました。

ここで、クロくまさまと私の闘い方に違いがあるのだなと感じました。
ワードンを短い期間に複数回やっていると「ある程度のプレイスタイル」があることが分かりました。

①水しぶきから正確に50音を当てながら推測していく堅実プレイ
②外れを探して外堀から埋めて推測していく博打プレイ

とりあえず適当に50音を当て、その当たった50音から単語を推測していくというのが①です。この場合、水しぶきがあったら、その隣の50音を当てるという傾向が強いです。
そして、50音を当てることができたら、そこから広げていく。
水しぶき→当たり、というのを重ねていくスタイルです。

逆に②は水しぶきが出てもその隣を探す傾向が弱いです。むしろ、外れを探していきます。これはどちらかというと「マインスイーパー」的なプレイ。
ワードンにおける外れの情報量のほうが高いと考えているパターンです。外れの50音の周りは最高でも「水しぶき」なので、「使わない50音」が分かる数が多いです。そして、候補となる50音を減らしていって、そこから単語を推測していきます。
水しぶきが出ても、関係ないところを探していったりする相手からは何考えてるか予測できないスタイルです。

同じゲームなのにアプローチが人によって違うのも、そしてそのどちらも活きているのが競技性が高くていいなと思いました。(別に競技性が高いゲームが好きというわけではないです)


というわけで、1つのゲームをじっくり遊ぶのも理解が深まっていいですね。
いい年末年始でした。

来年は優勝するぞ!!!!
というわけで、今年もよろしくお願いします。

(加筆修正する可能性があります)


札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。