ボードゲーム考察:ゲームを遊ぶときに必要なのは気持ちよさだという話

こんにちは
Sunnyです。

今日は、巨人の肩の上に立つボードゲームデザイン考察ではなく、普通の考察記事です。
ちなみに、どういう使い分け方かというと

引用が多めなのが巨人の肩の上に立つボードゲームデザイン考察
自分の意見が多めなのがデザイン考察

です


ボードゲームの面白さについて考える

ずっと同じようなことを考えていますが、2021年のアップデートを行って整理が出来たので、ここでまとめます。

面白さのついて僕が今考えているのは

面白さ=ナラティブ性に起因する気持ちよさ

だと思っています。
昨年の記事含め、僕は今まで「ジレンマ」だ!という認識をしていたのですが

ジレンマが面白く、ジレンマに打ち勝てばゲームに勝てる!という記事です。

勿論、こういう要素があるゲームも多いので、間違ってるとは思っていませんが、ジレンマが無いゲームも多くあるし、というところで
包含的にゲームの面白さを言える単語が無いかを探していたのです。

そこで、知人から言われたのが「気持ちよさ」という単語でした


ゲームの気持ちよさってなんだ?

じゃあ、どんな気持ちよさがあるのか。

例えばドミニオンで最短で勝利に迎えるデッキを最速で構築する気持ちよさと、カタンで自分にとって都合がよく交渉が出来てうまく建設できる気持ちよさと、カルカソンヌで城タイルを引いて城が完結して点数が伸びる気持ちよさって三者三様の気持ち良さだと思うのです。

となると、この気持ちよさの種類って、ゲーマーの種類に当てはまるんじゃないか。と思っています。

①アチーバー型
ゲーム世界を個人で楽しみたいというプレイヤータイプ

②キラー型
ゲームを使って誰が強いかを証明しようとするプレイヤータイプ

③エクスプローラー型
新しい世界の発見や新しい知識の獲得を喜びとするプレイヤータイプ

④ソーシャライザー型
協力しながらゲームを進めたいというプレイヤータイプ

この4つに気持ちよさ=面白さは分けられると考えています。

この4つは、どれかに当てはまるという考えより、ニコニコ動画のタグのイメージに近く、「このゲームは、●●型と●●型だな」「私は●●型と●●型が多い」みたいに複数(かつ優先順位が)ある形式です。

上に挙げたジレンマは、アチーバー型が8割、エクスプローラーが2割くらいでしょうか。ゲーム内に存在する最速コンボや最短コンボを見つけて、特定要素を強くしていく気持ちよさはアチーバー型でしょう。

ギャンブル系の気持ちよさは、エクスプローラー型とソーシャライザー型、協力ゲームの気持ちよさは、ソーシャライザー型でしょう。運で当たった時の気持ちよさは、自分だけじゃなく卓の雰囲気も大きく変わりますし



なんでこんな記事を書いたか

つまるところ、僕はボードゲームデザイナーなので、ゲームを作ります。その中で、どういうゲームを作るか?誰に対して作るか?どういうゲームが刺さるか?というのは、

誰にとって何が面白い=気持ち良いか

を理解することだと思っています。
その理解を気持ちよさの種類で理解することで、ジャンルや強みを明確化することが出来ると思います。「このゲームは、●●が好きな人へ」という風に

特に、not for me 問題もこれで理解が進んだなと思っていて、結局全部のゲームを自分が好きなわけではないし、全員にとって面白いゲームなんて存在しないと思っています。
そうなると、自分が好きなゲームをより遊ぶ機会を増やすためには、自分が好きなゲーム(自分が気持ちよさを感じることが出来るゲーム)を知っている方がいいと思うのです。

ゲームが悪いわけじゃなくて、もしかしたら自分に合っていないだけかもしれません。そして、それは悪いことじゃない。何が好きか嫌いかなんて自由にしようぜ、と僕は思います。(なお、ゲームが力不足の場合も勿論ありますが)

そんな、ゲームを作る側としても、ゲームを楽しむ側としても、ゲームの面白さ=気持ちよさの種類を理解すれば、もっと健全になるんじゃないか。

そんな願いを込めた記事です。

札幌出身、福岡育ち、東京住みのSunnyと申します。 働きながらボードゲームデザインをしています。いただいたご支援は、ボードゲームデザインに使わせていただきます。