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【スーパー耐久富士24時間】砂子塾コッチー事務局長のS耐挑戦記

【Day1】スーパー耐久富士24時間の週末が始まった

チームは木曜日から決勝を見据えたメニューを消化していたが、僕の参加は金曜日から。

一番練習が必要な奴が自ら走行をキャンセルするには理由があった。

同日、大阪にてBMWの新型車(M3&M4)お披露目のイベントに出席。シミュレーターを使ったインストラクターの大切なお仕事。

これもレース同様に大切なミッション!
お客様に「明日からレース頑張ってください!」と沢山の声援をいただき、イベント終了後、即座に御殿場へと向かう。

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【Day2】いよいよチームに合流し期待を膨らませながら挑んだ予選日!

しかし…
大雨により「予選中止」が決定…
コースインする事なく決勝日を迎える事となってしまう。

この時の心境は、『大丈夫か?俺』(笑)

乗れないまま決勝を迎えるのや嫌だな~と。
耐久とは言え、ある一定のタイムで周回する必要があるのだか、本当に出せるのか?と自問自答しながら就寝する事となる。

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【Day3】決勝日ウォームアップセッション

いよいよ自分のレースウィークが始まる。
天気は曇り、路面はドライとウエットが混ざり合う一番嫌な路面… (汗)

ウエットタイヤを履く程は濡れてないが、スリックではまだ乾ききってない状況で、いわゆる ”ちょい濡れスリックタイヤ” のシチュエーション。

100R、300R等ハイリスクコーナーが全開不可能な状況。しかし時間はない。
結果として同じST-1クラスのスープラよりコンマ1秒上回るタイムを記録したのでヨシとしたいが、まだスロースターターな癖は直ってないと自覚してこのセッションを終えた。

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いよいよ決勝スタートの時刻が迫ってきた!

スタートドライバーは砂子塾長→木下アニキ→大井貴之さん→ジャーナリストの山田さん→俺の順。(何度も書くがメンバーが豪華過ぎて吐きそうw)

自分が乗車する頃には日が暮れてナイトセッションからスタートとなる。実は夜間走行は前回の合同テストで2周したのみ。経験不足を補う為の作戦があった。

夜間走行は2スティントを担当の為、初回はまず慣れる事を最優先とし、ペースをコントロールするのは2回目から。予め想定していた。

だがしかし…予定通りに行かないから人生は面白いw

様々な車種が入り乱れているS耐はトラフィック対処が重要で、巡り合わせが悪いとどうしても渋滞に引っ掛かってしまう。

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その時、事件が起きた。

前車をアウト側から追い越してステアする前に【ドカッ】と音がした。右リアから押し出される形でコースアウトとなってしまう…幸いマシンは何のトラブルもなくコースに復帰した。

コース復帰する際、マシンに振動やトラブルが出ていないか心配しながらの数周は生きた心地がしなかった。

夜間走行を終えて思ったのは、やはり夜間走行は経験値で埋められるなと。

1本目は後方の距離感が掴めず自らのドライビングのリズムに乗せれず苦戦した感が否めない。

しかし2本目は初回で慣れて(吹っ切れた?)後方との距離感や見えないものに対する恐怖が 和らいでいった。

そのため自分の運転リズムやタイミングが取れて 徐々に乗れるようになってきた。

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実はこの時、走りながら…

『そうだ!富士スポ走の夜間枠を走り込もう!』と思いながら走行していた。

人の倍走らないと上達しない自分へのセルフプロデュース向上が何とも皮肉な感じもする(汗)

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スタートから14時間が経過し朝を迎えた

ST-1クラスは全車ノートラブルで周回を重ね、もはや我慢比べとなりつつある。マシントラブルは勿論、ドライバーによるミスもなく淡々と周回を重ねていく。現役GTドライバーやプロが揃うクラスだけあり、流石である。

我がBMW M2CS Racingはペースをきっちり守り大先輩方と共に夜を走破してきた。

朝を迎え自分の出番となる。ドラチェン中に大井さんから「車バッチリ!」と安心材料を与えてもらい自信満々とコースイン!

しかし、【ミスは許されない、遅いのは問題外】と精神的重圧を背負ったままだったが、夜間を経験した直後だった事も幸いしメンタルが好転していった。

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当たり前だけど、日中だから明るくて良く見えるwこれでかなり楽になった。

するとコースイン直後から最後まで安定したラップで走りきれた。ペースを上げすぎて無線で…
「無理しなくても十分速いからペースkeepね」と優しい言葉で1回叱られたり(笑汗)

今思い返すと走行中、これ程喋ったレースはなかった。コース状況や燃料消費量の報告。無言で走行した方が集中出来ると思われがちだか、それは個人差がある。僕の場合は会話してる方が冷静に走れるとエンジニアが見抜いてくれたのだ。

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レースも残り1時間となり最後の給油&ドライバー交代。チェッカーまでを木下アニキに託して。

ライバルはラップ差も考慮して徐々にペースダウンしていく中、木下アニキはペースkeepで周回し最後まで諦めない姿勢を我々に見せてくれた。

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そして日曜日の15:00を迎え24時間を走破しチェッカー!

クラス3位、総合12位(51台中)を獲得!
上位を見渡せばGT3やGT4車両だらけでタイヤ幅も狭く車重にもハンデのあるM2CS racingでこの順位は大満足な結果となった。

スポット参戦で寄せ集めチームと揶揄されていたが、メカニック、ドライバー、エンジニア全てがノーミスと最高の週末となった。

全ての力を結集させ結果へと導いていく総合力。一流チームの底力を見た週末。

今回チャンスをくださった
BMW Team Studie 鈴木会長、熊谷監督。そして各スポンサー様、ファンの皆様本当にありがとうございました。



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