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発売から1か月

今年最初の投稿です。
元日、能登半島で最大震度7の大きな地震が発生しました。直線距離で約400キロ離れている島根県松江市でも、テレビの緊急地震速報から少し遅れてゆらゆらと揺れました。日本海沿岸に津波注意報が出たため、市内の防災無線からサイレンが鳴り、物々しい雰囲気に包まれました。
今回の地震災害で被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

新年早々つらい出来事が続きましたが、2024年は映画『砂の器』が公開されてからちょうど50年になります。本書「『砂の器』と木次線」も発売からまもなく1か月が経過し、おかげさまで少しずつですが関心を持ってくださる方の輪が広がって来たように感じています。年末以降、2つのメディアに取り上げていただきましたので、今回はそのご報告をしたいと思います。


大晦日、地元紙に掲載

最初は島根県の地元紙、山陰中央新報です。昨年の12月31日、地方欄にわりと大きく、カラー写真入りで掲載してくださいました。

大晦日に掲載された山陰中央新報の記事

見出しは<映画「砂の器」公開から50年><奥出雲ロケ分析 本出版>というものです。記事の一部を引用します。

 著書では亀嵩でのシーンを分析。制作陣がイメージに合う映像を求め、撮影場所を亀嵩に限らず木次線沿線に広げた意図を考察した。エキストラになった住民からは、一つのシーンを何度も撮り直した現場の粘り強さや緊張感を聞き取った。緒形さんら出演者が地元になじみ、住民との交流を深めたことも記した。
 当時の木次線の状況にも注目。移動や輸送の主な手段が自動車に替わり始め、合理化策で無人駅が増えた時期だったと指摘した。「地域が取り残される危機感から、住民に熱望されてできた鉄道も、道路優先の大きな流れにはあらがえなかった」とみる。

山陰中央新報2023年12月31日付

地元紙らしく、本書の中でも地域に言及している箇所に特に注目して、ご紹介いただいている印象です。

全国紙の島根版にも

年が明けて1月12日には、朝日新聞の島根版に掲載していただきました。見出しはズバリ<「砂の器」の謎を解く>。いっそこれを本のタイトルにすればよかったかもしれません(笑)

朝日新聞島根版の記事

こちらも一部を引用します。

 松本清張原作の映画「砂の器」が公開されて今年で50年。このほど、奥出雲町のJR木次線沿線で当時行われたロケの記憶をつづった書籍「『砂の器』と木次線」が刊行された。沿線の地名「亀嵩」や地元の出雲弁は事件の謎解きの鍵となっているが、なぜ清張は、執筆前に一度も訪れたことがない亀嵩を舞台に選んだのか。その謎に迫っている。
(中略)
 清張の父は奥出雲に接する現在の鳥取県日南町の生まれで、同県米子市に養子入りした。本著では、父が話す西伯耆地方のなまりは出雲弁と共通する特徴が多いと指摘。清張は戦後間もなく、ほうきの仲買をしながら各地を巡っていて、亀嵩という地名はその頃に知ったのでは、と推測する。亀嵩を舞台にする着想は清張の前半生にルーツをたどれるとしている。

朝日新聞島根版2024年1月12日付

本書の内容を全体にわたって丁寧にご紹介いただいていますが、中でも第三章の松本清張にまつわる記述に興味を持っていただいたようです。
記者の方のこだわりで、写真もわざわざ亀嵩駅まで一緒に行って撮影していただきました。

ネットニュースでも配信

上の朝日新聞の記事は、同日中に朝日新聞デジタルでネット配信され、さらにYahoo!ニュースにも転載されました。

Yahoo!ニュースに掲載された朝日新聞デジタルの記事

感心したのは、見出しが元の記事とは違って、<「砂の器」の舞台、なぜ奥出雲?>となっていたことです。新聞紙面とWEBニュースの特性の違いというか、確かにこちらの方がネットでは目を引くんでしょうね。勉強になりました。
もともと地方欄に掲載していただいた記事ですが、思いがけずYahoo!ニュースという大きな媒体で配信されることになりました。そして、その効果は絶大でした。

売り上げランキングが急上昇!

なんと、その日のうちにAmazonの売り上げランキングが急上昇。いきなり「映画論・映像論」のジャンルで3位、「メディアと社会」で6位、「映画の本(総合)」で9位(12日22時現在)になりました。お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます!

1月12日22時現在
映画論・映像論の売れ筋ランキング(1月12日22時現在)

これがおそらく「最大瞬間風速」で、あくまでも一時的な現象だと思います。とはいえ、たかだか島根の1ローカル本が「必殺」や「ディズニー」と並ぶとは想像もしていなかったので、大変光栄です!ありがとうございます。

<追記>
上がピークだと思っていたのですが、翌13日も、下のようにさらにランキングが上がりました。重ねてありがとうございます!

1月13日21時現在


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