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MTG思い出話 死者の原野に抗った僕らは。

  2019年、マジック:ザ・ギャザリング基本セット2020で《死者の原野》という協力なカードが収録される。そしてそれらを採用したデッキがローテーション直後のスタンダードで大暴れ。競技シーンでの《死者の原野》を使用したデッキの割合が4割を超えたという。《死者の原野》というカードの強さはロングゲームになればなるほど、大量のゾンビが湧き出てきて、その物量で押しつぶされてしまう。そんな時代に、多くのアグロ戦士が伝説の宝剣を握り締め、立ち上がった。

行弘選手に続け!

   そんなプロシーンも《死者の原野》にまみれた時代に、アグロデッキ挑んだ日本人プロプレイヤーがいた。現在もプロシーンで活躍中の行弘選手だ。《朽ちゆくレギサウルス》という3マナでパワー7というクリーチャーに《エンバレスの宝剣》をもたせ一撃で、16点を叩き出すことのできるデッキ構築は日本だけでなく海外のプレイヤーたちも多いに盛り上がった。そしてアグロデッキには《エンバレスの宝剣》在り!と世界に知らしめたのである。

歪むMTGアリーナで。

  当然MTGアリーナも《死者の原野》にまみれていた。特に抑圧されたいたのが、かの悪名高いプレインズウォーカー《王冠泥棒、オーコ》率いる青緑フードだった。青緑フードは中速のデッキで、アグロデッキの天敵となっていたのだが、体感2割程度にまで抑えられていたと思う。そのため《死者の原野》vsアグロ軍団という全面戦争が開始された。
  そんなMTGアリーナの環境で結果を残していたのが、晴れる屋の創業者でありユーチューバーであり、アグロの名手として知られた齋藤友晴さんことトモハッピーだった。そのデッキリストは独自のもので、他の赤単では多く採用されていた《実験の狂乱》や《舞台照らし》はなどの息切れ対策はなく、《軍勢の戦親分》などで攻撃クリーチャーを増やし《エンバレスの宝剣》で一気にケリをつける気持ちの良いデッキだった。

一般兵の僕らは。

  かくいうスナガガもミシックで200位ぐらいまで行けたのはこのときだ。当時使っていた赤単アグロはトモハッピーさんのデッキとほとんど同じデッキで、《エンバレスの宝剣》に魅せられた一人だった。
 

  一方で《エンバレスの宝剣》を握らなかったアグロ使いたちもいた。ブロッカーがいくらいても、場にクリーチャーが攻撃するだけででダメージを対戦相手に与えることができる《災厄の行進》を採用した赤単だ。むしろ赤単としてはこちらのほうが主流だったと思う。最強のコントロールが蔓延るなかで、アグロの使い手たちが《死者の原野》を刺すために、様々なアグロの形を生み出したそんな時代だった。

そして伝説へ…

  これほどまでに環境を歪めてしまった死者の原野はすぐに禁止されることとなる。そして皮肉なことに《死者の原野》が消えるとともにミッドレンジのデッキが復活、その役割を終えたかのようにアグロデッキも少しづつが数を減らしていく。
  今思えば目の敵にしていた《死者の原野》はスナガガのようなアグロ好きなプレイヤーを成長させてくれた素敵なカードなのかもしれないと思う。そんなカルロフ邸殺人事件のスペシャルゲストに思いを馳せるスナガガでした。

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