小規模事業者こそ、DXだ。「気合いと根性で回っている現場を変えたリンゴ農家の経営改善」イベントレポート!
SUNABACOのDX人材育成講座、プログラミングスクールと受講されて現在リアルタイムで農家の経営改善を進められているマルカメ果樹園の北沢毅さんを今治にお呼びして開催したトークイベント、「気合いと根性で回っている現場を変えたリンゴ農家の経営改善」。今回は、その内容をイベントレポートとしてお届けします!
DXなんて、自分たちには無理だと思っていた。
長野県で、ご家族でリンゴ農家を経営されている北沢さん。
すでにデジタルを活用されていたのかと思いきやそうではなく、FAXや電話を使い、時には1件の電話受注に10分以上かかることもある極めてアナログな現場だったそう。
その現場で奮闘されてきた北沢さんは、「DX化なんて"無理ゲー"だろ。。。」と思っていたと語ります。
DXは、大手の資本力があって、エンジニアがいて、DX化に取り組む部署があったり社内全員がWebを使いこなせたりしてはじめて実現できるもの……と思っていたとのこと。
これを読まれている皆さんの中にも、DXに対して同じようなイメージを持たれている方は多いのではないでしょうか。
アプリって、自分で作れるんだ!
そんな北沢さんですが、SUNABACOのDX人材育成講座を受講したことをきっかけに、自前でのアプリケーションの作成に着手します。
これまで手書きで管理されており、特定のスタッフにしか分からなかった収穫量の管理や酒税申告用のデータを次々とアプリを作ってデジタル化。
収穫量の管理においては集計の手間がゼロに、そして酒税申告では86%もの作業時間を削減したといいます。
そして特筆すべきこととして、これらのアプリケーションはノーコードツールなどを活用し、プログラミングコードを書けない人の手で、無料または初期費用ゼロで使えるツールのみによって開発・実装されているのです。
データをもとにした経営改善
なぜ、こんなにも理想的にシステム開発がうまくいったのでしょうか。
それは、このシステムを、現場を知り尽くした北沢さん自身が開発したということにありました。
現場を無理やりシステムに合わせようとすることは「確実に失敗する」と断言する北沢さん。
その裏には、過去に既製のシステムを使い上手くいかなかった経験がありました。
自社に最適化されたツールは、自分達だからこそ作れる。
そう語る北沢さんも、最初から一発で成功させたわけではありませんでした。
インタビューを繰り返し、小さく作っては現場で確認して、高速に実装と修正を繰り返しながら進めていく。
そして、集まったデータをアプリケーションだけにとどまらず、経営判断に次々と活用していく。
ここで語られているのは単なるデジタル化の話ではなく、まさに経営改革そのものでした。
みんなで続ける。わかっている自分たちだからこそ。
自分たちでアプリを開発した結果、「あのデータ、どうなってる?」と親世代から声がかかるようになったと嬉しそうに語る北沢さん。
これまで勘と経験で運営してきて毎年喧嘩や手戻りが発生していたところをDX化することで、喧嘩の減少で家族関係まで改善したり、手戻りが減少し利益の向上に直結したといいます。
冒頭で、「DX化なんて"無理ゲー"」と語られていた北沢さん。
ここまでの話を踏まえ、小規模事業者にとって「DX化無しでの持続は"無理ゲー"」である。小規模事業者は救世主を待つな、DX化は大手だから出来るものではなく、小規模事業者こそ"やんなきゃならない"ものだ、として、トークイベントを締めくくられました。
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