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社員自らがDX人材になる!DX人材育成講座8期&アントレプレナーシップ育成講座1期の卒業制作発表会

2023年12月9日(土)SUNABACO今治にて
DX人材育成講座8期&アントレプレナーシップ育成講座1期の卒業制作発表会が行われました。

DX8th&あんとれ1st 集合写真

 SUNABACOのDX人材育成講座&アントレプレナーシップ育成講座は、企業や行政において、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するための人材育成講座です。これらの講座では、テクノロジーの学習だけでなく、問題解決能力を養うカリキュラムが組まれています。また、組織の枠組みを超えたチームでの問題解決を行うことで、多様な形のチームのリーダーとしての能力も養われます。
 まさにこれからの時代に必要な「ビジネスを棚卸し・機械ができることと人間ができることを分け・ITができることを自動化し可処分時間を作り・できた時間を活用してより高付加価値なビジネスに時間を投資していける」人材及びその仕組みを社内で構築できる人材を育成します。
 
 今回のDX人材育成講座には、過去最高の約100名の方々が参加され、今治からは今治造船株式会社、眞鍋造機株式会社、BEMAC株式会社、IKEUCHI ORGANIC、今治市役所等、また県外からはトヨタ自動車九州など多くの企業や著名な方々にも参加いただきました。
 全国の参加者が共に学び、最後の2週間で取り組む卒業制作では、実際に制作チームメンバーが所属する組織の抱える課題を解決するためのプロダクトを制作し、その成果を卒業制作発表会で発表いたしました。

卒業制作発表会では、予選会で23チームの中から選ばれた9チームが発表いたしました。

それぞれのチームの制作をご紹介いたします!

①   ハーベストレコード


 小規模な農家が抱える課題を解決するために、収穫管理に特化したクラウド型収穫量管理集計アプリ「ハーベストレコード」を制作しました。

 農家は業態が広く、現存のアプリでは、収穫量の集計機能が備わっていないこと、自由記載が多く人によって表現が変わってしまうことなど、自社に最適化されたツールがないことが課題でした。
 現場のインタビューにより、正規品のデータよりも、規格外品の収穫率を見ることが重要ということがわかりました。第三者の立場でチームメンバーも現地で収穫作業に関わったことでよりスムーズな開発が出来ました。
 こうした現場での声を基に作られたアプリは、入力項目に属人性を排除したり、アプリから収穫量を自動で取り込めるようにしたことで、リアルタイムかつ効率的な収穫データの集計が可能になり、データの活用範囲が広がりました。
 単なるデータの集計だけでなく、販売面、栽培管理面、事務作業面において、様々な角度から経営判断に活かせるツールを作ることが出来ました。
 今後の改良点として、複数規格の一括入力やスマホ入力に抵抗のあるスタッフへの使いやすいデータ入力方法の改善等が考えられています。


②   1on1促進ツール


 職場のコミュニケーションにおいて報告や連絡、相談が滞ることがあるという課題を解決するために「1on1促進ツール」が開発されました。

 情報共有が滞る原因の一つとして、相手の機嫌や忙しさを気にしてなかなか話しかけづらいという点が挙げられます。業務の進捗状況を見える化するために、システムの導入に抵抗があるメンバーにも使ってもらえるLINEを活用し、業務上の相談が気軽にでき、チーム内のコミュニケーションが円滑に行えるように考えられました。
 ユーザーインタビューを基に、LINEの公式アカウントをグループに招待し、これを活用して朝と夕方に1日2回、定期的にメッセージを発信する仕組みを作りました。送られてくるメッセージの表現にも絵文字を入れるなどの工夫がされています。
 今後の展望としては、ユーザーからのフィードバックを取り入れつつ、スケジュール管理やプロジェクトの進捗状況管理にも対応し、より使いやすく効果的なツールとして進化させていくことが考えられています。


③ スーパー移住コンシェルジュヒカワくん


 “まちへの移住者を増やしたい”という熱い想いを持っている氷川町の職員の業務をサポートするために、対話型移住相談システム「スーパー移住コンシェルジュ ヒカワ君」が開発されました。

 具体的な課題は、移住相談会での見込み客の取りこぼし、質問への回答力不足、日常業務の負荷と引き継ぎへの不安が挙げられました。
 一方で、移住相談者の声として、職員の方に相談しても表面的な情報しか手に入らないことや、課内の他の職員からは移住定住担当しかわからないことがたくさんあり自分たちで対応できない等の声もありました。
 初期実装を経て、移住相談に必要な情報を網羅することも大事だが、相談プロセスの改革の重要性に気づき、移住相談者へのヒアリングのシステム化に取り組みました。
 今後の展望として、今回制作したシステムの完成度を向上させ、移住相談の対応件数とクオリティの向上を図った結果、移住者が増えることを期待し、さらにそれを他の自治体にも展開することを目指しています。


④   A∀A


 このチームは「物流の2024年問題」についての課題解決に取り組みました。

物流の2024年問題とは、働き方改革関連法案により来年4月1日から物流業界に生じるうる問題です。
 例えば、地方では少子高齢化に伴う担い手不足や物流業界の人手不足などの課題があり、また運賃の高騰により都会での価格競争力の低下が予想されています。そこで今回は、地元の生産者に求められている物流の改善についての課題解決に焦点を当てています。
 地元の漁師さんへのインタビューから、鮮度が良い状態で都内の飲食店へ届けたいが、配送業者を利用すると発想から翌日、翌々日の到着になることや、受注はLINEで対応していて齟齬が起こり迷惑をかけることもあることがわかりました。
 これらの課題を解決するために、まずは受発注システムの構築・見える化をするためのアプリの導入が提案されました。タスク管理システムを導入することによって、取引記録もデータベースに残せるようになり、社内で情報共有できるようになりました。
 今後の展望としては、貨客混載ルートの自動計算システムの構築や資金決済システムの導入が検討されています。


⑤   分類おしえるくん


 八代市役所内における入札業務の課題を解決するために、カテゴリー分類を教えてくれるLINEボット「分類おしえるくん」を開発しました。

 発注部署が契約検査課に注文したい物品・サービスを申請する際に、利用目的、予算、業務分類の情報が必要になります。しかし、業務分類表は細かく分かれていて、どこに分類されるのかわからないことが課題でした。
 「分類おしえるくん」には、発注部署が過去の実績を元に、物品やサービスのキーワードを入力すると、正確な分類項目を回答してくれる機能が備わっています。
 初期実装からの改善点として、ユーザーガイドの強化、キーワード検索の改善など、迅速かつ効果的なサポート体制を整備しています。これより、業務効率が向上し、問い合わせにかかる時間が大幅に削減されました。
 今後の展望として、データベースの拡充や業務分類表の更新発生時の対応、検索機能の拡充などが計画されています。


⑥   農業改革ツール



 最優秀賞を受賞したこちらのチームは、試行を錯誤させずトライをバリューに変えていくことをミッションとする「Be Happy Farmers!」と題したプロジェクトに取り組みました。

 舞台となった宮川農園では、130年続く農家で、おいしさと安心にこだわりながら日々取り組んでいます。しかし、作業と結果の紐付きがなかなか難しく、作業の進捗や担当者を把握しきれていない状況があります。
 売上高と歩留まり率は大きな因果関係があると考え、歩留まり率をコントロールするために農作業の質をあげていくことに焦点を当てました。
 この課題を解決するために「はぴふぁむ」と呼ばれる小規模農家向けのスマートフォンアプリを開発しました。リアルタイムでデータを取得、分析し、歩留まり率の改善を図り収益を最大化させることを目指しています。
圧倒的にシンプルなアプリにしたことにより、メンバー各自の投下時間と作業完了率の見える化を実現することが出来ました。
 今回農園のメンバーに改善の取り組みを共有できたことや、フォードバックをもらえたことにより、一人ではなくメンバー達と一緒に改善を進めているというところで、トライをバリューに変えていけたと実感されています。


⑦   道路巡回システム


 八代市役所の土木部門に焦点を当て、市民の安全・安心に暮らせる道路環境を維持管理するために、「DOCOSA」というアプリを開発しました。

 パトロールのルート選定は作業者のカンコツ任せであったり、修繕箇所の記録方法など、課題が山積している実情がありました。
 「DOCOSA」は、道路パトロールと補修の意思決定を支援するもので、他の位置情報アプリとは異なり、道路に特化した情報を扱い、内外部の関係者とのデータ共有が可能です。これにより、データに基づく判断・業務の遂行ができるようになり、パトロール後の事務処理の精度向上や、工数が削減されます。
 今後は、住民からのクレームの低減や、データを蓄積することによってパトロールルートの選定に活用されることが見込まれています


⑧  クロノロジー


 平成30年7月に今治市で発生した豪雨災害での経験に基づいて現場で実際に感じた課題に取り組むため、災害対応アプリ「クロノロジー」を開発しました。

 現場の問題点として、県・市・協会間での情報共有がスムーズに出来ない、情報の錯綜、紙ベースの処理による効率の低さが挙げられました。
 『クロノロジー』は、被災情報を一元的に可視化し、組織を超えた情報共有と円滑な作業対応を可能にする機能を備えています。
 災害発生時の警戒・巡視をシンプルな入力フォームで対応し、状況整理のためフォームの入力情報がデータベースと地図に連動整理できるようにし、業者の対応可否情報を入力してもらうことにより、それぞれのプロセスの手続きを簡素化し、効率を向上させることを目指しました。
 将来的には、実装体制の構築や同様の課題を持つ他の町村との連携を強化し、運用や実装の改善を進めていくことが計画されています。

⑨   ミンナミエル


 船舶の配電盤や制御盤を製造、電装工事を行う会社の現場マネージャーの課題を解決するためのアプリ「ミンナミエル」を開発しました。

 課題として挙げられたのは、工程管理ツールは現場の人は触れず、他部署と製造現場での出荷日や工程における情報の認識違いのトラブルや伝達漏れが起こり、また工場内の製品の保管スペース、作業スペースの活用が挙げられました。
 現場の声を反映させながら、製品の配置場所や出荷日などの情報をリアルタイムで確認できるようにし、製品の検索や入力が容易になるように工夫したり、チャット機能や収容率をグラフで可視化することにより、現場発信のイノベーションに取り組みました。
 今後も、一目で現場の状況が把握できるように、自分が思い描く作業環境を確立させていきたいと考えていています。



発表を終えて

 どのチームも、メンバーが所属する組織での実際のお困りごとに寄り添い、課題解決するためのプロダクトになっていて、素晴らしかったです。
 この講座を通じて、DXに関する知識やスキルを身につけ、業務改善やサービス向上のためのアプリ開発など、様々な課題解決に取り組むことができました。

第9期DX人材育成講座開講決定!!

ただシステムを導入して終わりではない、本当に前に進むDXを身につけませんか?次はあなたの番です!

第9期DX人材育成講座

◾️開催期間
2024年1月22日(月)〜3月2日(土)

◾️受講場所
オンラインもしくは全国のSUNABACO

↓そのほかDX人材育成講座の詳細はこちらからご確認ください。

各チームの発表の詳細、卒業制作発表会の様子をアーカイブにて公開しております。ぜひご覧ください!
https://www.youtube.com/live/17Qic2HhnB0?feature=shared
 


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