達成感と空虚感
2024年3月31日は、未婚で産んで一人で育てた息子が、
地方の高校で野球をするために“入寮”する日だった。
『まさか15歳で家を出て行くなんて!!!』
とは、これっぽっちも思っていなかった。
そりゃそーだろな、と思っていた。
小5くらいから、漠然と中学卒業したら息子が出て行くことの覚悟をしていた。
心の準備期間はバッチリだったはずだ。
地方の高校で球児になることは、息子の長年の希望だったから。
わたしがフルで働いているとはいえ、経済的に我が家は厳しい。
(養育費は長年滞っていますよ・・・。えぇ・・・。)
それでも、息子自らの積み重ねた努力でつかんだ道だったから、
我が子ながら「立派だなぁ。」なんて嬉しく思っていた。
でも!
デモ!
DEMO!!!
3月に入ると途端に寂しくなった。
そこに確かにデンッ!と待ち構えて動かない敵が目に入り、うろたえる感じ、とでも言おうか。
大学卒業した翌年に、子をお腹に宿したわたしは、
昼ドラもビックリレベルのドロドロ展開をむかえ、新卒で入った会社も早々に辞め、
親元に戻ったwith胎児。
だから、わたしの中では「社会人=育児とともに」だったのだ。
もちろん、子の親はわたし一人なので、産後は3ヶ月で働き始めた。
ただがむしゃらに突っ走ってきたのに、
息切れしても、とりあえず走っていたのに、
立ち止まることを許されなかったのに、
その走る理由が、これからはわたしの「目」や「生活」に入ってこないのだ。
入寮日当日は、寮での滞在時間も1時間程度と短く、名残惜しむ時間もなかった。
なんなら、片付けが終わるところを見ることもなく、帰らなくてはいけなくなった。
それでも、遠方なので、自宅に帰ったのは夜の12時過ぎ。
『ただいま。』
そう言ってみたものの、もちろん誰も居ない。
お風呂を沸かして、
『お風呂入りや。』
そう言おうと思って、止まった。
もう、おらへんねん。
なんなんや、この感覚・・・。
こんな感覚、初めてかもしらへん・・・。
きっとコレが空虚感ってやつなんや・・・。
ひとりワンワン泣いて
ビックリするくらいワンワン泣きまくって
がんばれよ!って息子を思って
がんばったな!って自分を思って
それでも寂しくて辛くて
ひとりぼっちだなって思って。
でも、自分たちの力で、とりあえずひとつの大きな山を登り切ったんだな~って。
達成感と空虚感という相反するものを同時に感じた日でした。
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