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プーランのパン屋さん日記

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プーランのパン屋さん日記です。
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記事一覧

プーランのパン屋さん日記〜何かをわすれてしまいそうで。

季節が冬から春に変わる時、少しだけこころがゆらめく。 いれかわっていく。 そのいれかわりの…

sun00
1か月前
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プーランのパン屋さん日記〜自分の心の中がちゃんと伝わる

夕方のぶん、少しだけ焼いたパンを並べていると、軒にパチパチと何かが当たる音がした。 雨だ…

sun00
8か月前
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プーランのパン屋さん日記〜風にたなびくカラフルなタオルをしばらく眺める

うんしょっ。 ガラガラガラっと雨戸を開ける。 夏風と一緒に眩しい日差しが部屋に入ってくる…

sun00
9か月前
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プーランのパン屋さん日記~春の光は少しせつない

苺の甘い香りがする。 午後いちばんで焼きあがったパンをショーケースに並べる。 カラン。 …

sun00
1年前
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プーランのパン屋さん日記~自転車に乗りスピードをあげて漕ぎ出す

ぐわっ! と無理やり体を起こし、バシャバシャと顔を洗い歯を磨き、ネクタイをしめる。 家を飛…

sun00
1年前
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プーランのパン屋さん日記~「今」がどこにもいってないことに安心する

「プーラン!これやるよ!」 差し出された腕時計を見て答える。 「何?」 「時計だよ。針を進…

sun00
1年前
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プーランのパン屋さん日記~何やら書き出す

「新聞はあるかい?」 「ごめんなさい!新聞はないです!」 気にしないで、というように紳士はニコリと顔をゆるめ、また外を眺めながらコーヒーを飲む。 プーランは頭を巡らし、カウンター下からメモ紙をぴっと1まい取り、何やら書き出す。 マフィンのお皿とコーヒーカップをもって紳士は立ち上がる。 「ありがとう、おいしかった」 「はい!」 お金を受け取り、レシートと一緒にさっきのメモ紙を渡す。 ん、と言いながら紳士はメモに見入る。 ------------------------