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老害の人 内館牧子 読書感想

娘婿に会社を譲ったはずなのに、未だに顔を出して過去の苦労話や自慢話をする福太郎 老害だと娘の明代は嘆いている 福太郎の仲間達も老害揃い 病気自慢に俳句自慢、素人の絵自慢に食欲がないからと構ってアピール さらに友人は孫自慢をしてきて立派な老害になりつつある そんな中、高校三年生の息子は大学進学でなく手伝っている農家の後を継ぎたいと言い出した 老害とは何か ハッキリと書かれている しかし読んだところで本人は老害とは気付かないでしょう 若い人がそれは老害だよと指摘しにくいというの

    • 陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎 読書感想

      銀行強盗を企てている四人がいる それぞれの役割をして、報酬は一千万 スムーズにいくはずだった計画は、別の強盗によって金を取られたことにより狂い始める 軽快な会話 個性ある登場人物達 ぽんぽんと進んで行く展開 そして活かされていく伏線 本書をおすすめしている人が多いのも納得 銀行強盗という事件のみに絞り、主人公たちはそれ以外の計画からはみ出したりはしないまとまりもある ただ、ここから個人的な感想 あの人の性別が逆だとして娘を危険に合わさないためという設定にしても、 裏

      • 胸騒ぎ 映画感想 イライラしたい時にどうぞ

        バカンスで出会ったオランダの夫婦から葉書がこちらで週末を過ごさないかという誘いが届く 行くことにしたビョルンとルイーゼと娘 オランダの田舎の家でのんびり過ごすはずだったが、悪夢の幕開けだった 色々な反応から面白そうと思い観ることに。 ファニーゲームと比べ勝ちだけれど、あちらは厄災がやって来たという印象 胸騒ぎは自らやばい所に行き危機感ないのっていうくらいの呑気なビョルンに苛々させる 視聴している人への耐久を強いる作品なので注意が必要 何度も逃げられたよね?と思う場面がある

        • 展望塔のラプンツェル 宇佐見まこと 読書感想

          こども家庭支援センターから移動することなく勤めている悠一。 冷静な態度にこの仕事に熱を持って動いている志穂は不思議に思っている。 壮太という子供が園にも来ずに姿も見かけないので心配している。 他にも問題を抱えている子供達が沢山いる地区。 そんな中、フィリピン人の母を持つ海と、兄に虐待をされている那希沙は言葉を発さない子供と遭遇する。 とても重い内容 悠一・志穂 海・那希沙 そして不妊治療に悩む郁美 この視点から話が進められていく 那希沙の兄からの虐待が酷過ぎて読み進め

        老害の人 内館牧子 読書感想

        • 陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎 読書感想

        • 胸騒ぎ 映画感想 イライラしたい時にどうぞ

        • 展望塔のラプンツェル 宇佐見まこと 読書感想

          我が家のヒミツ 奥田英朗 読書感想

          家シリーズ短編集 シリーズといっても作家大塚の話がこれまで家シリーズでも書かれているだけで、他の話は完全に独立した短編小説 有名ピアニストが来院したことに気付いた受付 出世争いに敗れた男性 育ての父は血が繋がっていないという告白から実の父に会いに行く娘 母が亡くなり、父の元気がなくなる話 何をしているかわからない隣人が気になる産休中の妊婦 どれもシリアス過ぎない塩梅の良い話 出世争いに敗れた正雄の秋がリアルな空気で良かった よくあるドラマだと選ばれた方が不正をしていて、

          我が家のヒミツ 奥田英朗 読書感想

          そして誰も死ななかった 白井智之 読書感想

          大亦牛尾は父親の遺産のがらくたの中から小説を見付けた 未発表のミステリー小説 自分が書いたことにして大ベストセラー作家になる しかし本が書けるわけでもなく、お金は目減りしていた ある日、ファンだという女子大学生から連絡が来て、食事の後でホテルに行く 何か企んでいそうな彼女を突き飛ばすと鏡が割れて首に刺さる 殺してしまったと青ざめる大亦だが、彼女は平然と生きて会話をする わけがわからず逃げ出し、そして翌日、その女子大生が車に撥ねられて死んだというニュースが流れる 序盤はただの

          そして誰も死ななかった 白井智之 読書感想

          心霊写真 映画感想 怖い、だけじゃない

          大学の同期の結婚式に出席したカメラマンのタン 恋人のジェーンの運転での帰り道、女性が道に飛び出して来て轢いてしまう なかったことにしようと逃げ出す その後、結婚式で撮った写真に不気味な女の顏が映っていることに気付く あの被害者の心霊写真だと怯えるジェーン さらに家でもおかしな現象が起こり始める 女神の継承のバンジョン・ピサンタナクーン監督作品 不気味な心霊写真から始まる霊的ホラー ひき逃げしたらそりゃ呪われるだろと思ったら、どんどんと掘り起こされていく展開も目が離せなくなっ

          心霊写真 映画感想 怖い、だけじゃない

          私をくいとめて 綿矢リサ 読書感想

          30歳を過ぎた黒田みつ子 みつ子の頭にはAという答えをくれる存在がある 自問自答のようなAIの回答のようなAがいるから、さほど寂しくない 時々ご飯をわけてあげる取引先の相手がいて、好きなのか?と考える おひとりさま小説といっているが、おかずを渡す相手がいるから完全におひとりさまというわけじゃないと思う 結婚してイタリアへ行った親友を尋ねていく描写はよかったな 人がいっぱいで、たくさんのご飯を食べさせられてちょっともう苦しいというのわかる 人の恋愛に口出ししないというスタ

          私をくいとめて 綿矢リサ 読書感想

          BLUE GIANT 映画感想 端折ってはいるものの

          BLUE GIANTは漫画が原作の映画 ジャズのとりこになった主人公宮本大がサックスを吹き、ジャズ奏者を目指すストーリー 漫画を先に読んでいたので、映画化はいきなり東京編から始まる なので大のサックスのレベルは素人からなかなか目を瞠るくらいになっている 成長する部分も感動的なのに、そこ飛ばすのかという気持ちになった しかし映画を観るとここから始めるしかなかったなと意見が変わった 地元・宮城編から初めるとなると大が東京へ行って来るで終わるしかなくなる それに大の成長を書くに

          BLUE GIANT 映画感想 端折ってはいるものの

          三千円の使い方 原田ひ香 読書感想

          悪くない会社に就職したと思っていた美帆 しかし先輩がリストラされて、さらに会社の男性陣が彼女の悪口を言っていたのを聞いて疑問を感じる 付き合っていた男性はその悪口に同意したのでますますわからなくなる そして保護犬を飼いたいと思ったことでお金への考え方を変える ドラマにもなっていた本 ドラマと違う部分もある 美帆のエピソードはほぼ同じ 節約主婦の姉の真帆の話はちょっと変えられている 節約し過ぎて家族が追い詰められていたのが原作はそんなのはなかった セレブ婚の友達を比べて

          三千円の使い方 原田ひ香 読書感想

          ゴジラ×コング 新たなる帝国 怪獣大戦争

          怪獣映画だった ゴジラが暴れまわっているけど、人間の味方 味方? コングは歯痛で人間に助けてしているから、よっぽど味方っぽい 地下帝国がピンチだからゴジラに助けを求めるよ コングが呼びに行ったら殴ってきたからやり返して結局モスラが宥めたよ とにかく怪獣が暴れまわっているだけで楽しかった コングがハッピーエンドだし(あいつ、絶対裏切るかと思っていた)良かったで終わる ゴジラさん、その寝床気に入った? 細かいとこはいい とにかくでかい怪獣が暴れまわるのを大画面で観て楽

          ゴジラ×コング 新たなる帝国 怪獣大戦争

          ひきなみ 千早茜 読書感想

          葉は祖母と祖父がいる島へ三カ月という約束で住むことになった 都会から来た葉は男の子にからかわれ泣きそうになったところを真以という少女に助けられる 真以のことを島の人達は異質なもののような扱いをしていた しかし葉は真以と仲良くなっていった 子供時代と大人になってからの二部構成 子供編で真以が姿を消し、会えなくなるところで終わり 大人編で真以の手がかりを掴み、会いにいくところから始まる 母親の職業と真以は関係ないのに、大人も含めて島の人達は差別的な扱いをしてくる この言葉

          ひきなみ 千早茜 読書感想

          FALL/フォール 映画感想 高所恐怖症注意

          ベッキーはクライミングの事故で夫を亡くした。 親友のハンターはベッキーを励ます為に鉄塔へのクライミングに誘う。 親友の気遣いにベッキーは同行を決める。 そして実行した鉄塔でアクシデントが起こる。 まずこんな人気のない鉄塔に昇るの?とびっくりする これ絶対によくないことが起こる前振りとしか思えないし、 ここに行くから連絡が途絶えたら探しに来てよねと誰かに伝えておくべきじゃないか それやったら作品にはならないから仕方ないか 登っている前から変な鳥との出会いでもう嫌な予感がひし

          FALL/フォール 映画感想 高所恐怖症注意

          君が手にするはずだった黄金について 小川哲 読書感想

          作家の僕が語る短編エッセイのような小説のような世界観 リアルなのかフィクションなのか タイトルから勝手に詐欺師の主人公の話だと思っていた 詐欺師みたいな登場人物は出て来るけど、ちょっと違う 短編なのだけど、作者の体験談なのか、嘘なのか 微妙な線を突いている 学生時代の知り合いが自称投資家になった詐欺やってたり、 漫画家がネタ話の為に話をお願いしますとか あの日何していたっけ、と仲間で話を始めたり 作家の想像力ってすごいな あの漫画家の話は一種のホラーっぽかった 自分

          君が手にするはずだった黄金について 小川哲 読書感想

          ドラキュラ/デメテル号最期の航海 映画感想 何故夜に作戦を決行してしまうのか

          航海日誌に書かれていた恐ろしい体験 イギリス航海の途中で一体なにが起きたのか なかなか怖かった映画 予告でドラキュラの姿は観ていたので、あれはただの怪物じゃないか?とは思った 実際そうなんだけど、だって服着ていないし 乗客の中に吸血鬼が!?な展開ではない ただ何かに襲われて、襲われた人が日の光で燃えてだんだんと弱点がわかっていく展開 それまで何が起きているかわからない 暗闇の中での航海はなかなか恐ろしい ただこの作品、展会上ずっと暗い 暗い画面のままなので代わり映えしない

          ドラキュラ/デメテル号最期の航海 映画感想 何故夜に作戦を決行してしまうのか

          タバコの煙、旅の記憶 丸山ゴンザレス 読書感想

          旅の記憶と共にあるのはタバコ 危険な場所でもいつも共にある 変わらず危険な場所に突撃し続ける筆者 見切り発車で現地入り なんとか行けた とてもやばい場所なのにジョークで俺がジャーナリストだったらどうする?とか聞くとか度胸があるってもんじゃない タバコ吸うタイミングでセーフ、って九死に一生を得るレベルですわ タバコを吸うけどきちんと携帯灰皿を持っている それに仕舞うと現地の人が、環境団体の人?日本人はフィルターを集めているのかと驚く 日本でポイ捨てをしたら晒されるだろうが

          タバコの煙、旅の記憶 丸山ゴンザレス 読書感想