祖母と散歩に行きたい。
こんにちは、スミレです。
卒業式があったり最後のレクイエーションがあったりとバタバタしていて、少し間が空いてしまった気もします。すみません。
というわけで、2週間ほど前の話をします。下書きはその日のうちに出来上がっていたんですけれどね……。
その日は、とにかく快晴でした。
寒暖差ジェットコースターの最中の、貴重な、ただ暖かいだけの晴れ。ついでに言うとまだ花粉の脅威が牙を剥く前でしたし、本当に最高の日でした。
これは、出かけるしかあるまいよ。なんてノリで、徒歩圏内のホームセンターまで、母と一緒に行きました。
適当に服屋さんを回って、本屋さんが家電屋さんに変わったことをちょっとだけ悲しみ、最後にスーパーへ。
大体いつもこの流れで、特に特別なことは起きていません。
買い物中ではなくて、家とホームセンターの間で起きたことを書きたくてですね。
というのも、私、歩く時はずっと俯いているんですよ。人とぶつからない程度に前方をチラ見することはあっても、基本的に、目線は足元に注がれます。
なぜかと言いますと、その辺りに咲いているお花を見るのが好きだからです。人の手で管理しまくった花畑も当然好きですが、道端にしれっと咲いているお花も好きなんです。
その日の良すぎた天候にテンション急上昇させて撮影した写真がこちら。
私の推し、オオイヌノフグリ(瑠璃唐草ともいう)です。影の濃さからいかに晴れていたかを察していただけると幸いです。
ちなみに、3枚目の上半分に咲いているピンクっぽい花はホトケノザ(サンガイグサともいう)です。あんまり上手く写すことができませんでした。本当はもっと綺麗なんですよ、この子も。
あと、うっかり撮り忘れたカラスノエンドウちゃんと名前を忘れた白い子もおりました。
俯いて歩くのが癖になっている私は、桜よりもこっちで春を感じやすいです。
いやあ、ついに君たちが咲く季節になったんだね。推しを拝むためなら花粉とか気にしてる場合じゃないよ、出かけないと。
……それは少し過言だったかも、鼻も目も喉も痒いのなんの。
お花が好きになったきっかけは、多分、理科の教科書です。
小4の頃に、大きく写された青?水色?のお花を見て、なんとなく「綺麗だなぁ」と感じた日の帰り道。理由なく俯いて歩いていると、足元に小さい空色が点々と見られ、「あ、これじゃん」となった思い出があります。
多分、これが最初だったと思います。
あとは、中学生の頃。美術部に入ってから「お花の模写、楽しいなぁ」と感じて本屋さんへ。実はその辺に咲いてるぜっていうお花を集めた図鑑に興味を惹かれて購入。
このアカウントの「スミレ」っていう名前は、この図鑑で一目惚れして以来ずっと大好きなお花だからという裏話もあります。
図鑑を手にしてからは、お花好きに拍車がかかりました。読んでいるうちに自然と覚えたお花と実際に出くわすとすぐに駆け寄っては、「これ知ってる!」「名前忘れちゃった」とか1人ではしゃぎ始めます。
母と出かける時は遠慮なくはしゃぎにはしゃぐし、そんな私に慣れた母も毎回同じ話をしてくれるようになりまして。
話というのが、「あんたってホント、おばあちゃんに似てるよね」。
曰く、祖母と散歩に出かけると、しょっちゅう足を止めては「あの花はね__」「この木はね__」と解説してくれたのだそう。
祖母の遺品のほとんどが水彩画で、過半数がお花をはじめとする植物の絵です。おそらく描いているうちに自然と覚えたのだと思います。
祖母は私が生まれた時には寝たきりになっていて、遊んだ思い出もなければ顔も思い出せません。それでもどういうわけか、なんにも知らないし覚えていないのに、私は祖母が大好きです。なんなんでしょうね、この現象。
大好きな人と似ているって言われるの、めちゃくちゃ嬉しいです。誇らしいような気もします。
いつもなら「嬉しいなぁ」で終わるのですが、その日はもうひとつ、「いいなぁ」という思いも湧きました。
いいなぁ、私もおばあちゃんと散歩したい、お花のことを教えてもらいたい。
自分でもびっくりです。似てるね→やった〜、からの、いいなぁ、っていう方向転換はこれが初めてでした。
かといって、絶対に叶わないことを願ってしまった悲しさというか、虚しさというか、そういうのは全くないんです。
しかも不思議なのは、〜したかった、ではなく、〜したい、なんですよ。私からの羨望は、過去形じゃなかったんです。
まるで、これからやろうと思えばやれることみたいな。そんなわけないけど。祖母が亡くなったのは10年以上も前の話だし。
う〜ん、本当になんでこうも不思議なことになるんでしょう。やっぱり、覚えてないけど大好きっていうのがアンバランスだからですかね?
高校卒業の件といい、感情ってよくわかりませんね。まあ分からないままでもお花はずっと好きでしょうけれど。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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