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アーティストデートvol.4映画「PERFECT DAYS」

感想をまとめるのが難しかった~

奥が深すぎて途中から何が書きたいのか分からなくなってしまった。

自分迷子 笑

◎あらすじは… 

「スカイツリーの近くにある古びたアパートで一人暮らす中年の清掃作業員•平山(役所広司)の淡々とした日常が豊かな心象風景とともに描かれます」

2〜3行で終わるんですよね。

だけどそれだけじゃない。 

主人公の内面で繰り広げられる豊かな世界の描き方が秀逸…

「人の繊細な内面をここまで映像で表現できるのか…」

ヴィム・ベンダース監督すごい!!!

驚きました。

◎ここから先はあくまでも私感

主人公・平山(役所広司)はトイレ清掃員の仕事を受け入れ自分の人生に納得している。

平山は人と自分を決して比べない。

足るを知り今に生きている。

自分にとって必要なものを「知っている人」の生活は迷いがなく潔い。

つつましいが実に魅力的な生き方だ。

「今、この瞬間」

の目の前に広がる美しい世界の豊かさに

心から満足している姿が印象的だった。

「これがPERFECT DAYSと言う意味なのかな?」

「私のPERFECT DAYSって何だろうな。。」

そんな風に自然と内面に誘われる。

「禅ムービー」と言われている理由が何となく理解できた。

言葉(セリフ)を極限まで削ぎ落とす。

説明がないからこそ見る側は深く考えざるを得ない。

「一遍の詩」を深く味わっているような気持ちになる映画だった。

◎役所広司の演技力

変わり映えしない平山の日常にさざなみのように訪れる小さなドラマ。

見た目にはひっそりと、しかし内面では大きく揺れる繊細な感情を「表情だけ」で見事に演じ切る。

これは役者冥利につきる映画じゃないか?

表情だけで見る者にストーリーを理解させるってすごいことだ。

◎見る人によって解釈が違う

この映画のレビューで10代の子が

『これから社会に出てがんばって働いても待っているのはこんな未来かと思ったら気持ちが暗くなった。見なければよかった。』

と書いてあった。すごく分かる。

ある程度の経験を重ねないとこの映画の奥深さは理解できないと思うのです。

だからこそ若い子にはキラキラした目で大きな目標を目指してほしいと思う。

どんな結果になったとしても、進んだその先にこの映画の良さが伝わる日が来るはずだ。

私が10代の頃に見ていてたら間違いなく途中で寝ていたであろう映画です、はい。

◎国内だけかと思ったらイタリアでもヒットしているそうですね。

日本人の精神文化をドイツ人の監督が描く。

ある意味、外から客観的に見てくれている人たちの方が日本の良さを描くのは上手なのかもしれませんね。

東京の街の映像が異国情緒に溢れていて新鮮な感じがしました。
 
あと音楽のセンスがよかったな~

日本の好きなところを全部詰め込みました。

1970年代に初めて出会って以来、ずっと日本文化が大好きなんです。

日本での滞在がとても楽しかったので、脚本を書かなければいけませんでしたが、とても簡単でした。

そして、尊敬する小津安二郎監督の映画を思い出しました。トイレの清掃をする男性について、小津作品の精神にのっとった映画を作ったと思います。ある意味、「禅(ぜん)」のような映画になりました。

ヴィム・ベンダース監督「ある雑誌のインタビューから抜粋」



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