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起業したいなら、悩みや短所を克服せずに「打ち消す」べし

一人ひとりに、大なり小なり悩みや短所、面倒なことがいろいろあると思います。

もちろん僕にもたくさんあります。

では、そういったことに皆さんはどう向き合っていますか?

その向き合い方で、起業に向いているかどうかがわかるような気がしたので、今回はそのことについて書いてみます。

ちなみに僕は起業4年目で、現在はマーケティングや広報の支援事業を行っている人間です。


必要とされる能力を上げる?条件を変える?

ちょうどいい事例があったので、まずはそれから書いてみます。


最近ネックレスを買ってきたのですが、チェーンがちょっと短いのと装着が(不器用な僕には)難しいタイプのものだったので、ネックレスを付けるのにかなり苦戦しています。

その時、皆さんならどう対応しますか?

いろいろあると思いますが、大雑把に以下の2つに分けてみます。

  1. スムーズにつけられるように練習する

  2. つけやすいチェーンを買ってきて入れ替える

どっちが正解というわけではありませんが、この2つにタイプの違いが見られます。

1は「必要とされる能力を上げる」タイプで、2は「条件を変える」タイプです。

このネックレスを付けるのに10分くらいかかって超イライラしたので、この後チェーンを買いに行きます。2のタイプですね

もう一つ。

スニーカーが好きな人なら一度は感じたことがあると思いますが、靴紐を結ぶのってたまに面倒じゃないですか。

その面倒をなんとかしたいと考えたとき、あなたならどっちを選択しますか?

  1. 靴紐を早く結べるよう練習する

  2. 靴紐を結ばなくていいように靴紐の通し方をアレンジするorそもそも靴紐がない靴を買う

これもタイプは先述のものと全く同じで、僕は圧倒的2です。

靴紐を結んでほどいて、がめんどくさすぎて、去年から基本的にスリッポンタイプの靴を履くようにしています。

今履いている靴。見えている紐は結べないので、ほぼスリッポンです

会社員は必要とされる能力を上げる努力をし、起業家は条件を変える努力をする

これも超乱暴な分類をすると、

  1. 必要とされる能力を上げる→会社員タイプ

  2. 条件を変える→起業家タイプ

だと考えています。

どっちが良いか悪いか、ではなく、考え方が違うだけ、という話です。

スリッポンを開発した人はきっと、僕と同じように「靴紐結ぶのダル〜」と考えていたはずで、そこで「靴紐を結ぶスピードを上げる」のではなく「そもそも靴紐を結ばなくていい靴を作ればいいじゃん」と考えてスリッポンが誕生した、と想像できます。


僕は会社員も起業家も両方やってきたので、その両者の違いをある程度理解しながら書いています。

会社員は、与えられた仕事を決まった制約条件の中で、いかに短時間で精度の高いアウトプットを出せるか、が求められます。

一方起業家は、そもそもの制約条件を見直して、今まで見向きもされなかった問題を解決していく生き物です。

どっちがどうとかではなく、「必要とされる戦い方が違う」と認識してもらえれば幸いです。

起業家は悩みや短所を克服してはいけない

ここまでで話の趣旨はなんとなく理解いただけたかなと思います。

ではここからは、起業家にフォーカスして書いていきます。


この章での結論から入りますが、「起業家は悩みや短所を克服してはいけない」と僕は考えるようになりました。

なぜなら、「その悩みや短所こそにビジネスアイデアが眠っているから」です。

スリッポンの例をあげるなら、「面倒だけど靴紐を結ぶ時間を短縮する努力をしよう」と意思決定をしていたら、スリッポンは開発されなかったはずです。

この事例の課題設定を僕なりに想像してみました。

◼︎理想
ストレスのないフットウェアを履きたい
◼︎現状
靴紐を結ぶ/ほどくに必要以上に時間がかかっている

◼︎解決すべき問題(理想と現状のギャップ)
靴紐を結ぶ/ほどくのがめんどくさすぎる

◼︎問題が生じる原因
そもそも靴紐が存在するからでは?

◼︎設定する課題(クリアすれば問題が解決される行動)
靴紐が存在しない靴を作る

なので、起業家は悩みや短所を克服してはいけないのです。

それらを「打ち消す」には何ができるか?を考えて、それを形にしていくのが起業家のやるべきことなのだと思っています。


ちなみに僕は、3月末に出場したピッチ大会で、AIアバターを作って半分喋らせる、という方法を取りました。

これは、生まれつき話すことにハンデがある僕が、「話せるように努力する」のではなく「話さずに自分の想いを伝える」という考え方を導入したから、です。

まさに悩みや短所を「打ち消した」事例でした。

まずは悩みや短所を自覚し、それを「打ち消す」方法を考える

というわけで、起業家として生きたいなら、まずは自分の悩みや短所を自覚し、それを克服するのではなく「打ち消す」方法を考えることが必要だと思っています。

悩みや短所は、大きなものである必要はなくて、「お風呂入るのだるい」とか「USBケーブル絡まりすぎじゃね?」とか身近に感じる不満や面倒でOKです。

それが出てきたら、次は「どうすればこの悩みを打ち消す(なかったことにする)ことができるのか?」を自由に発想してみます。

  • お風呂入るのだるい→お風呂に入らなくても体が綺麗になるシートがあればいいな、一度入れば1週間は汚れがつかない石鹸があればいいな、など

  • USBケーブル絡まりすぎ→ケーブルを巻き付けられるケースがあればいいな、ワイヤレスで充電できればいいな、そもそも電気がいらない携帯電話って作れないのかな、など

アイデアを出すのは自由なので、自由にアイデアを出してみて、そこから実現可能性を吟味して事業を選べばいいのです。


もちろんアイデアの実現は簡単ではありませんが、アイデアがないことには何も始まらないので、このように楽しくアイデアを出してほしいなと思います。

そして、そのアイデアを出すには、やっぱり自分の悩みや短所への自覚が必要で、それを仕組みごと変えて「打ち消す」ことを考えてほしいのです。

僕も改めて意識しますが、起業家として大きな気づきが得られたので、しっかりめにアウトプットしてみました。

ちょっとでも参考になっていたら嬉しいです。


僕が運営する株式会社midnight sunでは、経営者の「そもそも」から向き合って、事業を見直したり再構築したりする支援をしています。

起業してまもない方、経営の方向性の見直しが必要な方など、第三者の視点が必要だと感じる方はぜひ気軽にご相談ください。


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