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吹き抜ける風の軽さと、アスパラ畑の静けさ

先日、いつもの農家さんにお手伝いに行った時の他愛のないお話です。



その日は、前日からの宿泊客(民泊事業も行ってます)のチェックアウト後の掃除手伝いから始まりました。

…と、しばらく見ない間に、なんか立派なベッドとか旅館顔負けな座椅子とか増えてるし…


そうなんです。
とにかく来る度に、何かしら新しい物(鍵付きロッカーとかテーブルセットとか体温測定器付き消毒機器とか)が増えていることが多く、その度にご主人に聞くところ、「◯◯で1000円で買えた」「◯◯さんから貰った」などと、いずれも「ベストなタイミングで必要な物が巡って来る」んです。

「ほんっと、買い物上手ですね」のような、それがお値段以上の品だとか手に入る物の規模だけには留まらない、その洗練されたご主人の引きの強さというかパワーというかには、本当に毎回驚かされます。

とまあ、新入りのベッドを目の前にそんなことを思いながら、せっせと布団カバーをはがし布団を干していたところ、四方に開け放った窓を突き抜けるヒンヤリとした風が非常に心地良く、思わずそのクリーンさに身を預けたくなった、そんな瞬間を味わってました。



しばらく部屋の掃除をした後は、ハウス内アスパラのお世話です。


周りに生えた雑草をひたすら引っこ抜くという作業を黙々とこなしながら、それはもう、色んなことを考えてました。


「必要なものはベストなタイミングでやってくる…今こうやって一本一本抜いてる雑草すら…いやむしろ、雑草抜いてることすら、価値(意味がある)ってこと…」

「あ、なんか(お金のこと)どうにかなるような気してきた」

「(ご主人)ほんっと、損得(これやったら、どうなる)じゃないんだよなあ……。あ、自分が答えってそういうことか。あたしがやりたきゃそれで良かったのか…」

「なんだ、後押し欲しかっただけじゃん。
てか自分のやったこと、間違ってなかったって証明したかっただけじゃん…」


などなど、気付くと腰とおしりは痛すぎるし、土埃は激しいし暑っつすぎるしで体的にはだいぶキツかったのですが、それがどんなにハードでも「また次、来る」理由が何となくまたひとつ分かったように思いました。

自分でも気付かないうちに、心も体もなんか軽くなるようで、それが「心地良い」からでした。

とはいえ農作業だけでない、いつも大事なことを学ばせて貰ってます。

お陰様で、虫もカエルも前よりだいぶマシになれました。

たまに顔を合わせる十年選手の先輩とお話をするのが、まるで「お姉さん」が出来たみたいで嬉しいですし、いつも私が行くと「来たね」と言わんばかりに寄ってくる猫たちも癒されます。

そしてなにより、夢見る少年のようなワクワクするご主人と、それを支えながら何かと世話好きすぎる奥さんが、私は大好きです。








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