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【高配当株投資】未来工業(7931)


はじめに

 現時点の未来工業の利回りは3.03%と高配当株投資としては、ぎりぎりのラインですが、業績も良く財務もしっかりしているため、今後ある程度のキャピタルゲインも狙えると思った銘柄なので見ていきたいと思います。
 全体相場としては、権利落ち日や新年度に向けたリバランス、今年に入ってからの急激な株高により、やや軟調となってきており日経平均、TOPIXともに調整局面に入りそうな雰囲気があります。
 結論、未来工業は75日移動平均線付近が押し目と考えているため、そこまで下落するようなら購入していきます。

未来工業は、電設資材大手の会社です。

 未来工業は岐阜県に本社を置く1965年創業の電設資材・管工機材メーカーです。電気のスイッチやコンセントの裏側に埋め込まれる「スイッチボックス」が主力製品となっています。

 しかし未来工業と言えば、社風・働き方が有名です。創業者の故・山田昭男氏は、「社員をいかにやる気にさせるかで会社は決まる」をモットーに、会社を上場企業へ育てあげた名物社長です。

  • 制服なし

  • 全員、正社員

  • ホウレンソウを強制しない

  • 残業原則ゼロ

  • おそらく日本一、休日が多い上場企業

  • 5年に一度、全額会社負担で海外旅行

  • 業務改善などの提案を出すと1件500円もらえる

とかなり独特ですが、ユーモアがありホワイトな企業であることがわかります。こんな会社で働いてみたいの典型でしょうか⁉

売上構成比を確認すると電材及び管材が7割を占めています。

マネックス証券より引用

次にその他(セグメント外)が約15%となっています。その他の製品は、プラスチック製品や部品の製造に使用される樹脂成形用機械などがあります。

未来工業株式会社(7931) 2024年3月期 第2四半期 決算説明資料より引用

最後に配線器具が約14%と続きます。

未来工業株式会社(7931) 2024年3月期 第2四半期 決算説明資料より引用

  海外への売上はなく。販売は全て国内です。日本はこれから人口減です、もちろん電気関係の需要も減っていく事が予測されますから、海外進出もあった方が良いのでは?と思ってしまいます。
※現時点で調べたところ海外進出は考えていないようです。

売上高の推移、財務状況、各種指標の確認

売上高の推移と財務状況を確認していきます。

マネックス証券

やや売上高・当期利益ともにムラはありますが、長期的に見れば右肩上がりで推移しています。

IR BANKより引用

ROE(自己資本利益率)は、9.49%です。一般的に8%以上が合格ラインです。ちなみに自己資本利益率とは、自己資本(株主が出資したお金)を利用して、企業がどれくらい効率良くお金を稼いでいるかを示す指標です。2023年まで8%以下でしたが、直近では9%と合格ラインを超えてきています。引き続き8%以上で推移できるか定期的に確認していく必要があります。

株探より引用

自己資本比率は70%後半と健全です。有利子負債倍率も0.01%とかなり低値であり財務は健全と言えます。

【配当利回り、PER、PBR】

  • 配当利回りは過去10年平均で2.298%です。現利回りは、3%です。

  • PERは過去10年平均で13.307倍です。現在のPERは15.3倍です。

  • PBRは過去10年平均で0.785倍です。現在のPBRは1.45倍です。

PER、PBRの過去10年と現時点での数値を比較すると、特別割安感はないですが、配当利回りが3%以上であれば長期保有しても良い水準かと思います。

IR BANKより引用

配当性向は毎年30%前後と無理のない範囲で行われていることがわかります。
※配当性向は、企業がその純利益のうちどれだけを配当として株主に支払うかを示す指標です。配当性向が高い企業は、利益の一部を株主に還元していることを示し、配当利回りが高い可能性があります。一方、配当性向が低い企業は、利益を再投資することにより成長に注力している可能性があります。配当性向は、企業の配当政策や資金状況などに影響されます。

以上を踏まえると業績、財務共に良好で、利回りも3%以上ありますので長期保有に適しているかと考えます。

2024年3月期 第3四半期決算も好調

業績好調に伴い、売上高、営業利益、経常利益、最終利益、配当を上方修正しました。今期2度目の上方修正です。

株探より引用

以下、2024年3月期 第3四半期決算短信より抜粋

電材及び管材: 電材では、施工性に優れた合成樹脂製可とう電線管「ミラフレキSS」等が堅調に推移したことに加え、硬質ビ ニル電線管「J管」や地中埋設管「ミラレックスF」とその附属品等が増加したことにより、電線管類及び附属品 が増加しました。また、6月度より実施した価格改定が当初想定を上回って進捗したこと等により、売上高が 前年同四半期に比べ15.4%の増収となりました。営業利益は原材料単価の上昇が収益を圧迫したものの増収効果により前年同四半期に比べ82.6%の増益となりました。

配線器具: 配線器具につきましては、電材ルートへの活発な営業活動により、デザインを一新した「J・ワイドスリムスク エア」等の配線器具が堅調に推移したことに加え、価格改定が第3四半期から浸透しだしたこと等から、売上高が 前年同四半期に比べ5.5%の増収となりました。営業利益は増収効果に加え高付加価値製品の売上比率が増加したものの、原材料単価の上昇に加え人件費の増加等により前年同四半期に比べ6.9%の減益となりました。

その他:「省力化機械及び樹脂成形用金型」が増加した結果、売上高が前年同四半期に比べ9.1%の増収となりました。営業利益は増収効果等により前年同四半期に比べ13.4%の増益となりました。

配線器具に関しては、原材料や人件費の高騰から減益となっていますが、その他の事業はかなり好調なようです。ただ懸念点としては未来工業の業績は新築の戸建てやマンションの建設数に影響を受けることです。決算短信にも記載されていますが、物価高や建築資材の高騰により住宅取得マインドの低下がみられています。また日銀が今後、利上げを続けていくのは明確であり、住宅ローン金利の上昇は避けられない状況となっています。
 そのため新設住宅着工戸数の推移や全体の景気感は継続的に確認していく必要がありそうです。

テクニカル的な投資戦略

未来工業 日足チャート 株探より引用

 特に材料はないですが、直近高値より約20%程度下落しています。現時点で、前回決算直後なみの株価となっており、徐々に下げ止まり感があります。75日移動平均線あたりで下げ止まりそうな様子にみえ、ここで買いを入れても良いのではないかと考えています。

万が一、75日移動平均線を下回るようなら、最悪200日移動平均線の3500円までの下落を想定しておき、ここまで下がるようなら全力で買いに行きます。

未来工業 日足チャート 株探より引用

まとめ

 全体市況は、米国、日本共に好調です。しかし4月15日は、米国の確定申告の期限です。それまでに株を現金にして納税に備える動きが毎年出ているため、4月上旬は特に株価が軟調になるのではないかと考えています。米国が軟調になれば、多少なりとも日本市況にも影響は出ると思います。未来工業は現時点で十分下落していますが、全体市況につられて売られる可能性もあり、それが75日移動平均線あたりまで売られるとみています。そのあたりで買いを入れて長期で保有していこうかと考えています。

※投資は自己責任となります。

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