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本好きが、読書に関する定番質問「あなたはどれぐらい読書をしますか?」について考える

???「あなたはどれぐらい読書をしますか?」
わたし「うるせー💢💢💢💢」

こんにちは。すきまノートの管理人です。

みなさんは読書がお好きでしょうか? 好きな人もいれば、大して好きじゃない人までいるでしょう。わたしは好きです。

ここ数か月でX(twitter)やYouTubeコミュニティでこのようなアンケートが取られているところを何度か見ました。
「あなたは1週間(1ヶ月)に何冊の本を読みますか?」


本というものをシンプルに扱いすぎでは?

わたしは、この手の質問を見たり聞いたりすると必ず思うことがあります。それは、
「質問者はどういった(内容の多さ、内容の濃さ 等)本を想定している?」
ということです。

本が好きだろうとそうじゃなかろうと、多くの人が本によって厚さも内容の濃さもかなり違うことぐらいは想像に難くないはず。

本にはいろんな種類のものがあり、中身はそれぞれ違う

それにもかかわらずそれらのことを無視してただ読む冊数を質問したところで、なにが聞きたいのでしょうか?

もしかすると、たくさんの冊数を読むことが正しいと思っている冊数至上主義の思想をお持ちかもしれません。冊数が多いことがよいとするならば、出版社は、何編かまとめて1冊にしている短編小説を1編ずつで売り出せば、読者はたくさんの冊数を従前より簡単にこなすことができるので、それは素晴らしいことです、となります。

そんなわけないですよね。

冊数至上主義からの脱却を目指した新しい読書量の定義を提案する

「あなたは1週間(1ヶ月)に何冊の本を読みますか?」

この質問をすることによって「読書量」を知りたいなら、読書量について考えてみましょう。
件の質問をする人が考える読書量とは、
読書量=単位時間あたりに読む本の冊数
となります。これは、前述のとおり、本によって内容量が違いますので、あまりあてになりません。私としては、
読書量=単位時間あたりに追える文字数×読書時間
のほうが正確と考えています。ただし、読書する際に、自分が1秒あたりに何文字追えるかなんて意識しませんし、読書時間も決まった時間だけ読書する場合しか固定化されません。したがって、読書量の質問として正確に答えてくださった場合は比較的正確な読書量を測定できますが、たぶんですが、みなさんそこまで正確に答えることは難しいでしょう。

そもそも、後者の読書量の定義にも問題があると思います。単位時間あたりにたくさんの文字数を追う、すなわち速読で読書するとしたとき、内容が理解できていればいいものの、できていなければただの眼球運動になってしまいますよね。

内容の難易度や理解度をどのように考慮するか

後者の読書量の定義(読書量=単位時間あたりに追える文字数×読書時間)としても難しいことがあります。それは、内容の濃さ(難易度)について対応できないことです。このnote記事のような軽い内容の文章ならスラスラ読めますし、逆に、学術書なんかだと分かりやすく書いていたとしても理解するのにとても時間がかかります。同じ人が読んだとしても、同じ速度で読んだときに同じ理解度で読めるとは限りません。

難しい文章の代表例として2013年センター試験国語本試験第1問を例に挙げます。この年の第1問(評論文)では小林秀雄の『鍔』から出題されましたが、文章自体がとても難しいのに加え、そもそも「鍔」というものがなんなのか分からない人のために鍔の注釈がイラスト付きでついています。

鍔の注釈
次ページの図(イラスト)

このような文章を理解しながら速く読むのは難しいです。できる人もいると思いますが、ほとんどの人ができないでしょう。

なお、本文を読みたい人は、下のURLから飛んで問題をダウンロードしてみてください。

読書なんて好きな書籍を好きな時間に好きな速度ですればよい

わたしの結論としては、この見出しに書いたことに尽きます。まあ、大して好きじゃない読書感想文を書くために読書しなければならないなど、そういうときはどうしても制限されてしまいますが、趣味嗜好の世界ならばこれでいいと思います。

(最後に)漫画は読書に入るか

漫画は読書に入るかという質問について、わたし個人の見解としては、読書に入るでいいと思います。読書とは本を読む行為のことですから、字面に限定されていませんし、絵を楽しむことも読書です。

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