すべての女性に金玉をぶら下げます

「大阪メトログループの目指す未来都市OSAKA」という2035年の大阪の風景を描いたコンセプトアートが地下鉄のホーム柵に貼ってあるのだが、やけくそに浮かんでいる「空飛ぶクルマ」でいつも笑ってしまう。ほかはショッピングモールの建設だとか全車EVバス化だとか現実的な目標を挙げているから「空飛ぶクルマ」がひときわふざけて見える。

しかも片隅にちょっとしたユーモアとして描かれているのではなく、目を引くど真ん中に存在している。歴史の教科書の挿絵に落書きしたみたいに、真面目な話をしているところになんか変なのが唐突に浮かんでいるのだ。
「未来都市の空飛ぶクルマ」というお題を出されたら、小さいコックピットやUFOみたいなのが浮かんでいるのを思い浮かべる人が大多数であろうところを、そこはあんまり羽目を外さずヘリコプターみたいなギリギリ実現できそうな現実的ビジュアルにしているのもおもしろい。

こういうふざけた目標を「やります」と真面目に宣言されるのがツボで、自分にはなかなかできないことなのでかっこいいと思う。
カレーの気分だから帰ったら作ろうかなーとかでさえ、誰かの前で願望を呟いてしまうと必ず取り組まないといけない気がして、小さい強迫観念の台風が発生してしまい無駄に疲れる。なので私の世間話は「カレーを作ります」のようなミニサイズの未来完了報告になって、だから会話が終わるか気持ち悪い感じになるのだろうなと思う。嘘吐きの腰抜け野郎だと相手に思われたくないばかりに、気持ち悪い会話下手なやつになっている。

どっちにしても喋る死体になるならせめてカラッとした陽気な屍でありたいので、来年は無謀であっても臆さず宣言することに挑戦したい。
まずは来年の漢字を「玉」にします、本当に絶対。「金」と来たら「玉」が来るのが世の常であり、「金玉」は一般的に双対であり、それは陰陽の気を正しく配置するためで、すなわち「金」と「玉」を並べて「金玉」にすることは泰平を願うマジのやつであり、これは決してふざけて言っていない。

皆様の2025年を「玉」のような一年にすることをお約束いたします。よいお年を。