彗星

「彗星」 読書、天体観察(宇宙)が好きな学生です。色々な物語や文章を投稿したいと思って…

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「彗星」 読書、天体観察(宇宙)が好きな学生です。色々な物語や文章を投稿したいと思っています。 よろしくお願いします。

マガジン

  • タイムトラベル考察!

    タイムトラベルは本当に実現できるのか。気になったので、自主的に始めた全く自由な自由研究で考察、実験(想像ですが)してみます。

  • 異世界の島(連載小説)

    「異世界の島」長くなると思います。 これは4人の登場人物がとある島で作り出した物語。 ぜひ、最後までお付き合いください。

最近の記事

飴。(掌編小説)

ポケットから取り出したなんの変哲もない飴を舐めると、それは口の中で氷になった。 「なんだが、涼しい飴だな。元気が出る。」 するとうちのかわいい子犬がこちらに駆け寄ってくる。そしてとても欲しそうにベロを突き出した。 「そんなにこの飴が欲しいの?バレるかもしれないけど、まあいいか」 僕がそこに飴を載せてあげると、子犬は嬉しそうに吠え始めた。 その飴は子犬の好物の骨になっていたー 暑い雨の日に起きた飴の話。 彗星です。日常の中で、自分にとって1番優しい味の『あめ』を見つけたい

    • 春ギター(毎週ショートショートnote)

      桜の花も落ち、緑に囲まれた場所で、僕が路上ライブをしようと思い、ギターを構えた瞬間。 警察がやってきた。 「何やっているんですか!こんなところでそんな事をされたら困りますよ!」 「ごめんなさい、やっぱり辞めます」 青春の一コマにしたかったな。僕は思わず空を見上げた。 「路上ライブならこの春ギターを使いなさい」 思わずその人をガン見する。とっても新品で、桜色をしているギターを持っていた。僕は警察とその春ギターを交互に見る。 「はぁ。わかりましたです」 とにかく僕は、1、2!と

      • 花の話。(掌編小説)

        誰もいない公園の隅っこで、女の子は一本ずつマーガレットの花をちぎっている。すき、きらい…千切っては捨て、ちぎっては捨て… そこに男の子がやってきた。 「可哀想だと思わないの。…は花だったのに。」 風が強く吹く。女の子はその瞬間に顔を歪めた。いつのまにか白が辺りを埋めつくしている。 「キライだったわ」 女の子が去った後で男の子は足元の花をちぎった。 「スキだったんだけどな。」 彗星です。久しぶりのnoteです。文章も全然書かない今日この頃…。桜も早く見たいですが花占いならと

        • チョコと…(掌編小説)

          「ね、ねぇ、君はチョコいるよね?」 「『じゃあ、少しだけ。』 そう言って、ちょこっとだけチョコをつまむ彼。口に入れると弾かれるように全て食べてしまった。そして美味しいのを食べたかのようにひっくり返った…」 犬に声を当てるのって難しいな。愛犬チャコはひっくり返っているので、僕は続きを考え込む。 お母さんの 「チャコにチョコは毒なのよ!」という声も聞こえずに… 一日遅れのバレンタインです。犬はチョコの成分を分解できないそうなので食べさせないで下さい。

        飴。(掌編小説)

        マガジン

        • タイムトラベル考察!
          2本
        • 異世界の島(連載小説)
          16本

        記事

          異世界の島 第二章(第五話 住処探し)

          「そういえば悪魔とクローバーっていうのはね、春野家に代々伝わる伝説にも繋がっていて…」 風花が口を開いた。4人が紙を見つけた時から、みんな考え事にふけり黙り込んでしまったのだが、何か思い出したのだろうか。 「昔、日本には名家の四家があって、国の裏の中心的存在だったらしいの。「春野」「夏井」…私と烈の家の名は残っているけれど、二つの家の名前は色々あって忘れられてしまったんだって。その四家は新しい時代を作ろうと企んで、『悪魔』と呼ばれる存在と契約したの。でもその代わり…」 「そ

          異世界の島 第二章(第五話 住処探し)

          雪の中の忘れ物(掌編小説)

          朝起きると、外に雪が降り積もっていてプレゼントのことさえ忘れ思わず走り出してしまった。すると後ろから何かが追いかけてくる音がする。 びっくりして後ろを振り向くと、大きい雲が雪を降らせていた。スピードが早くてもうこちらまできてしまいそうだ。 「わー!」 いつのまにか僕は飲み込まれてしまった。 どのくらい時間が経ったのかわからないが、目を開けるとそこにはソリと重そうな袋だけが残されていて、手紙があった。 『遅すぎるので置いていきます。自分で届けてください トナカイ』 彗星です

          雪の中の忘れ物(掌編小説)

          星の一部に(ショートショート)

          その日もうわたしの月は浮かんでいた。私が手を伸ばすと黄色いランプのような光が指を照らす。視界が開けた山の上で、私は一人で月を眺めていた。 赤いマフラーを巻き、マグカップを手に持って何をするまでもなくぼんやりと立っていると、いつしか暖かいコートをきて、ボロボロになった奇怪なスーツケースを持ち微笑んだ人が隣に立っていて、私を何かに誘うような仕草をした。  ああ、どうしたのですか。暖かい月が私を呼んでいますのに、あなたはなにも仰らずただこいと手招きをされる。 私はそのまま何処か

          星の一部に(ショートショート)

          つくりおき物語(掌編小説)

          『昔から物語は作り置きされる中では一番大切な食料でした。なぜなら、食べる人がいる限りはずっとなくならないからです。 大体の物語は作り置きされるので、それを食べた人たちがもっと食べたくなり自分で作り出すことが多くなりました。 そして、物語は飽和時代へと突入しましたーー』 テレビに映った竹取物語漬けをナンは鼻で笑った。 「俺8000年ぐらい前からあるし」 彗星です。最初考えていた題名を形にしたら、アイデア自体は良かったのかなと思いますが、あんまり面白くない。 ぜひ他の面白いだ

          つくりおき物語(掌編小説)

          数学ダージリン(毎週ショートショートnote)

          とぽぽ…ぽ。温かくて、ほ。豊かな香り。研究者たちが急ぐ朝。 今は.ダージリンが、流行るかも.と言う、数学者たち。数学ダージリンを、最高に仕上げる日課。部屋にこもると、数字の羅列がみえる。ポット、ああ、感じる、円周率の温かみを。風が通り、ティーバック、おお、持ち上がった。 こすって、落とす。そして、カップを今蒸らす。円周率、もや、これが出たなら、間違いなく成功かな。張り詰めた…ふう、やっと気分がよく、朝を迎えられるな。成功した。 あ、完全に忘れていたが、蒸れた円周率は、か、

          数学ダージリン(毎週ショートショートnote)

          操られ人形(ショートショート)

          私の父と母は、小さい時から宗教を信じていた。沢山の本の中で暮らしていた私は、その宗教を信じて疑わなかった。 「神様は私たちが幸せになるように、操って下さっているんだよ。燈花もそうだ。燈花が何か思っても、何か行動したとしても、神様が全部決めてその通りに動かしているのだからね。」 「神様に感謝しないとね。私たちは神様の下でひとつなのだから。」 大きくなるにつれ、私の周りには本がさらに増えていった。たまに家にはニコニコしたおじさんがやってきて、両親と話した後、お父さんが私に飴を

          操られ人形(ショートショート)

          トマトトマトトマト…(掌編小説)

          「トマトってどんな味なのかしら。」 緑色の服を着る異国の王女は、近くにいた真っ赤な服を着ているおばさんに聞いてみた。 「トマト!あんた、トマトを知らんのかい。トマトはトマト色をしているんだよ」 「なるほど」 「そしてトマト国で栽培されていて、トマトの季節にはトマト気味になるんだ」 「ほぉ」 「トマトを一口食べると口の中に広がるトマト味。いかにもトマトっぽい…」 「…はぁ」 「あんたは知っているかい?トマトの由来はとまと石から来ているんだ。そのとまと石の名前の由来はトマトだよ

          トマトトマトトマト…(掌編小説)

          最近物凄く暑いですね。今回も創作大賞に何か出そうと目論んでいましたが、途中で諦めました。2万字は難しいです 今月はなにも投稿しません。8月になれば、物語を思いつけば投稿します。(シリーズ物の継続が難しすぎて続きません…)

          最近物凄く暑いですね。今回も創作大賞に何か出そうと目論んでいましたが、途中で諦めました。2万字は難しいです 今月はなにも投稿しません。8月になれば、物語を思いつけば投稿します。(シリーズ物の継続が難しすぎて続きません…)

          あんこもちを買いに(ショートショート)

          こんにちは彗星です。ショートショートを投稿します。 ある宝石ばかりの国にお爺さんとお婆さんがいました。そこでは全く食料が取れませんでしたが、外に出る時お爺さんかお婆さんが持っていた宝石しか外に持ち出せず、他の人が宝石を持ち出したらなぜか空気にほろほろ溶けていくので、彼らは宝石を売って生きていました。 ある日のことです。 「お爺さんや、また宝石売ってくれんかね?最近ろくなもんを口にしていないでしょう。」 「婆さん、どう考えてもそれはないじゃろう。この間「ずわいがに」とやらを

          あんこもちを買いに(ショートショート)

          空っぽの箱(掌編小説)

          こころの中に箱はあった。なんでだろう、と僕はきになって手をのばす。 「だめだ、とどかない。」 立ち上がって中をのぞくと、何もはいっていない、からっぽの箱だった。 でも、手をのばすのはなぜかためらった。まだそれは今の僕ではさわれないー 目を開けると、目の前にシンピンのはこがあった。 そっか、空っぽなら自分だけの方法でうめればいいんだ。 僕は、これから使うものをぎゅうぎゅう中につめ込んで、外にかけだした。 「行ってきます!」 小学校へ通う内に、シンピンのランドセルの中のよう

          空っぽの箱(掌編小説)

          数字の意味が変わった世界(ショートショート)

          こんにちは、彗星です。最近は全然投稿できていないので、殆ど開き直っていました(^^;; が、やっと重い腰を持ち上げました…。全く、宣言した事をちゃんと守れないのは良くないですね。ショートショートを投稿します。 ある日、僕が起きるとそれは変わっていた。 「おはよう!今日は40日だね。みんなは明日の休みは何をしたい?」 数字の「3」と「4」が入れ替わっていたのだ。 「今日のさん会の人面白かったね〜」 それだけではない。普段の会話でも、いつのまにか変わっていることが増えていた。

          数字の意味が変わった世界(ショートショート)

          グリム童話ATM(ショートショート)

          ガチャ。ピーン!綺麗と言うには何処か不吉な音が鳴り響く。 人口増加の対策の一つとして開発されたこのATMは、子供がいると何かと得する様に出来ている。 そこに、いかにも子供連れの母親がやってきた。 「おかーさん何してるの?」 小さな少女が、母親と見える人に話しかける。 「んーとね、みーちゃんはグリム童話って知ってる?あ、やっぱり知らないか…。シンデレラとか、ラプンツェルとかはわかる?」 彼女は小さな頭を可愛らしくかしげた後、笑顔になって言った。 「うん!きらきらのお姫さまだね

          グリム童話ATM(ショートショート)