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【京大吹零会 起業家インタビュー】NINJAPAN株式会社 代表取締役 新井 翔太さん 総合人間学部 2014年卒

「京大吹零会」とは、京大出身(在学中も含む)の起業家を集めた、起業家コミュニティです。京大には変人が集まると言われるように、京大出身の経営者も変わった人が多いので、周りに理解されず、孤独になってしまうこともあります。そんな「吹き零れ」たちが集まり、経験をシェアして切磋琢磨する、唯一無二の会です。メンバー同士の交流を促すため、また、これから起業したい方に吹零会メンバーを知ってもらうため、隔週で「京大吹零会 起業家インタビュー」をオンラインで放送中。このイベントで収録した起業家たちの講演内容を書き起こし記事としてお送りします

【要チェック!】
公開インタビューのスケジュールや、記事を見て「起業したい!」と思った方のための「京大・起業相談デスク」についてはコチラをご覧下さい

学生時代のこと。

甲陽学院という兵庫県の中学校に通っていました。有数の進学校だったので、周りのみんなが東大か京大、医学部っていう選択肢。医学部には行きたくなかったので、東大と京大、オープンキャンパスに両方行って、直感的に京大に決めました。高1ぐらいのときですね。 

哲学に興味があったものの、哲学だけではなく文理問わず幅広く学びたかったので、総合人間学部を選びました。当時から意欲だけは高くて、「果敢にいろいろチャレンジをして自分なりの成長加速度を作っていこう」と。要は何に対してもすぐできる能力をつけていくようになること。「能力を高める能力をつけていく」みたいなイメージですね、すでに京大っぽいでしょう 笑
マクロ的に世界を見てその上で、構造をしっかり捉えて、戦略的に考え、戦術を持ってアプローチをして、モチベーション高くやっていく方法みたいなのを自分なりに見つけようとしていたんです。

例えば大学院時代にアメリカに1年ぐらい留学に行ってたんですけど、野球でワシントン州の1部リーグのトライアウトに受かり、ワシントン州の代表になり、カナダ遠征のメンバーに選ばれたりしました。別段野球の才能に恵まれていたわけではなかったけれども、どうやったらレベルが高い中で戦っていけるか?ということを考えるのが得意なんです。

 原体験というわけではないんですが、実は大学1年生のときにアメフト部に入っていて、そこで怪我が続いて活躍できず、忸怩たる思いをしたんですよ。エネルギーがすごいあるけれども、全然動けていないし。「もっと広い世界で色々と活躍できるはずなのに!」という思いだけはあって。

結局1年で辞めたんですけど、それもあって、せっかく京大に入ったからには、研究だったり課外活動を積極的にやっていこうと。大学2年生からオープンキャンパスを仕切ったり新歓合宿やったりとか、研究発表会を開催したり、総人の学部代表として能動的に活動していました。
 
もともと甲陽学院でもミス甲陽という女装コンテストに出るとなれば、全身の毛を剃ってモデルウォークを練習して、リンゴの皮むき種目のために箱ごと買って家でひたすら包丁でリンゴの皮むき練習したりして優勝したり。エネルギーは元々溢れていた方かもしれません。 

総合人間学部の大学院である人間・環境学研究科まで行って、就職しました。ドイツ銀行グループっていう、外資系投資銀行の投資銀行部門、いわゆるIBDって言われるところで、M&A(企業合併)とか、株式調達とか、債券引受とかに関するところで仕事をしてました。
 
就活のときの関心軸が、その後の起業にも繋がっています。大学3年生のときに、自転車で1人で西日本を1周したんですよ。1ヶ月で2,500キロぐらい走ったかな。その時に感じたのは、日本って、資源がない国ってよく言われるけど本当はいろいろあるよなと。インフラもあるし、天然資源も意外とあるし、人口も多くて町もたくさんあるし、今あるものをもっと活かせる方法があるんじゃないか? 埋もれてる資源をもっと活用できたら日本が良くなっていくじゃないか? と。

そのあとにアメリカ留学に行ったときに、投資ファンドでインターンをし、日本ってもっとファイナンスの力でもっとレベルアップできると感じたんです。日本の大企業の経営資源をファイナンスの観点で伸ばしていけるような仕事が面白いと思い、投資銀行に入りました。でも実際に在籍していたのは2-3年ですね。

起業のこと。

そこから起業するまでに約8ヶ月あったんですが、自分が天才であることに気付き、自分という資源を活かさないといけないなと、小説家になりたいと思って実家にこもってひたすら本を読むか、執筆するかだけの生活をしてました。

図書館に行って強度と普遍性の高い文学を手当たり次第に借りて、読んでは小説を書くの繰り返し。10作以上書き上げて、いろんな賞に応募したんですけど、全然引っかからず。なんかおかしいな? 俺は小説の天才のはずなのに? みたいな(笑)
ちなみに起業後に1年半ほど原稿料をもらって小説を連載しました。一応プロにはなったので勘違いじゃなかったはず!

ただそのときはアテが外れて、小説で生きるにはちょっと時間かかるな……と。ライスワークというか、稼ぐ手段がないとやばいな、貯金も底をつくなって思って起業を考え始めたんです 笑
当時、27-28歳くらいですね。
 
僕には3つ下の弟がいるんですけど、彼と今一緒に会社を経営しています。実家に帰ったときに、いろいろビジネス話とかこういう事業が面白そうだよねみたいな話を、雑談的にしていたら、これがいいんじゃないと意気投合して、結果的に一緒に立ち上げることになりました。

僕がやっているAbuild就活という事業は戦略的な就活をするためのキャリア構築サービスです。単に就活で内定を取るだけではなくて、社会人としても活躍できるスキルを身につけてもらうプログラムを提供しています。埋もれた資源を活かす、という学生時代の思いがつながっています。

人間のポテンシャルを上げていくこと。それも大学生という職業の意思決定においてすごく重要なタイミングだからこそ意義があると考えています。 
今は人材・教育系ビジネスをしていますが、最初は違う事業だったんですよ。2020年の1月に起業したんですが、最初はインバウンドに関する事業でしたね。東京オリンピックを前に日本にたくさん外国人が来るから色んな展開ができるんじゃないかと目論んで。でもコロナで爆死してしまいました。なんとかもがいて業務委託や各種コンサルで食いつなぎながら、新規事業を十数個立ち上げては失敗を繰り返して、唯一立ち上がったのが、今のAbuild就活なんです。


20代でやるべきこと。

自分で勝手に限界を作らずに志高い未来を描くことだと思ってます。
例えば「自分だったらこのレベル」「それは難しいんじゃない」って、友達だったり親だったり先生だったり周りの人からいろいろ言われると思うんですけど、そういうのって基本的に更新できるものだと思ってますし、何より自分自身で限界を作らないで、本気で心に正直に高いところを目指していくことが大事だなと思っていて。

僕だったら、まず通過ステップとして、1兆円($10 billion)以上の企業価値で10年以内にナスダック上場をしています。最終的には世界の構造を創り出す人になります。Googleを超えるような企業を作っていると本気で思っています。

きっと無理だろと思った人いますよね?ですが目指さないと何も始まりません。

能力ある人よりも鮮明なビジョンを持ち続けられる人の方が希少価値が高い。 本気で意志を携え続けられれば、高い目標の為に必要な能力は後から付ければいいだけです。

京大生だと、賢さゆえのマインドブロックが働きやすいですよね。論理的に考えたらこれぐらいが妥当だよねとか、できない理由をすぐに思いついてしまいます。例えばアメリカに飛び込んだ方がいいとわかってても、TOEICまだ低いしなとか、危なそうだしとかお金がとかって頭で考えちゃって止まっちゃうみたいな人が結構多いと思うんです。

そういった心のバリアを破る方法は2つあって。1つはさっき言った高い目標を掲げていくことでどんどんクリアしていくやり方。凄くなっている将来からしたら、直近の困難なんて大したことないと思えます。

それができない人は、1段階1段階、小さい成功体験を作っていくことが大事です。大きな目標が無理だと思っちゃうタイプの人って、自分自身に対して否定否定で入っていくんですけど、まずは小さなことでいいからやってみたらって思いますね。どちらにしても、意志と行動から全てが始まります。思考するのは京大生なら当たり前ですからね。


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