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|words|星たちのこと - ホロスコープのお話し

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占星術という叡智にこめられた「日々に生きるエッセンス」をことばにしています。
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|astrology|"星たちのこと" はじめに

さそり座の季節より、少しずつ書きためているホロスコープ/占星術のお話し。 ホロスコープ、ふれるひとによって、捉え方も、見方も、用い方も、語り口も、ほんとうにさまざまだと思うのです。 ここでは「すべてのひとの内側にホロスコープとして象徴される "めぐり" がある」という《場所》から言葉を紡いでいます。 出生図において、天体が置かれるサインが、より深い印象を残すとしても。 アスペクトをつくる天体が(もしくはつくらない天体が)より強い印象を残すとしても。 そのめぐりの輪の

|astrology|おひつじ座のおはなし

うお座の水となって、ひろく深くすべてを包摂したわたしたちは、まっさらにかえって やがて春分点にたどりつき、「ひとすじの閃光」へ、ふたたび姿を変えます。 全体へかえって、個として生まれ出る。 ひとつ前の旅の記憶も、そのまた前の旅の記憶も、さらにさらに昔の旅の記憶も、そして、未来の旅の記憶も、そのまた未来の旅の記憶も、ほんとうは全部持っている。 持っているというより、いつでもその「記憶の水」にアクセスすることができる。それもそれとして、必要とするシーンもあるから。 そし

|astrology|おうし座のおはなし

おひつじ座からはじまった、あたらしい旅。 おうし座の世界へやって来ました。 火地風水、めぐる、めぐり。 「おひつじ座(火)・おうし座(地)・ふたご座(風)・かに座(水)」 1つ目のサイクルは、4つのエレメントそれぞれの性質を、シンプルにわかりやすく伝えているように感じます。エレメントのひとつひとつに出会い、手にとってゆく。 「しし座(火)・おとめ座(地)・てんびん座(風)・さそり座(水)」 2つ目のサイクルで、しし座で確立される自我を、自他を行き来しながら4つの角

|astrology|ふたご座のおはなし

火地風水、めぐる、めぐり。 火(エナジー)が地(感覚)に降りるのなら、そこに風は立つ。 感覚をキャッチするとき、言葉が生まれる。 その言葉は《ひとつである空間》をわたってゆく。 * ふたご座は、風のサインをはじめます。 桜の季節。遠いところ、見えない場所にある桜の木の花びらのたくさんが、風にのってやってくるのを見ていました。 あたりまえのこと、かもしれないけれど、それをよーく感じてみると。 空間が、ほんとうに空っぽで何もなかったら、花びらを運ぶことさえできない

|astrology|かに座のおはなし

火地風水、めぐる、めぐり。 風が立つのは、雨の合図。 夕立の前、強い風が吹き渡るように。風たちが分けた後、やってくる水は、ふたたび「くっつけよう」「ひとつに戻そう」とするのです。 かに座は、水の領域のはじめ。うお座の世界の、あの「ひとつ」は、ここではまだ予感でしかないのかもしれません。 分たれてしまったものが、ひとつであったことを思い出そうとする、その予感。そのはじまり。 「くっつけよう」とする最初の働きは、ちいさくあたたかな輪に注がれる愛情として、姿をあらわすよう

|astrology|しし座のおはなし

火地風水、めぐる、めぐり。 水へたどり着いた旅は、ぐるりまためぐって、あたらしい火へかえります。 かに座から、しし座へ。 水から火へのめぐりは、いつでも劇的なのです。 うお座からおひつじ座へ、それはまるで輪廻するようである。 さそり座からいて座へ、それはいったん《私》を捨て去るようである。 そして、かに座からしし座へ。 ここでもやっぱり「生まれ変わる」ような作用が、それはまだはじめの比較的おだやかなものかもしれないけれど、あるのだろうと思うのです。 あたたかな

|astrology|おとめ座のおはなし

しし座の季節から、おとめ座の季節へ。 地のサイン、ふたつ目の領域をゆきます。 夏の終わり、暑さもやわらいで、秋の涼しさが感じられるようになってくる。 太陽に歓喜した夏の、おおきな歌声は次第にちいさくなって、視線は自然と内側へ向いてゆく。 自ずと内省する時間も、内をつぶさに感じとる時間も、増えてゆくのかもしれません。 地 かたちあるもの 身体、体感、五感 地のサインをはじめるおうし座では、それらにはじめて触れ、それらをただただ享受する、そうしたことが展開するよう

|astrology|てんびん座のおはなし

春分からめぐって、反対側、秋分点へやって来ました。 ここから夜の時間は伸び、冬至へ向かいます。 秋分点からはじまる、てんびん座の季節。 ホロスコープを上下に分け、下半分、おひつじ座からおとめ座までは自分と関わってゆく領域、上半分、てんびん座からうお座までは他者と関わってゆく領域、と表現することもあります。 風のサインのふたつ目、てんびん座の領域では、《外側》からの風がたっぷりやってくるのです。 社交的と表現されることも多いてんびん座さんたちではありますが、ひとつ前の

|astrology|さそり座のおはなし

さそりの季節をゆきます。 今年は月蝕もあって、いつもより強く印象を受けることもあるのかもしれません。 てんびんの次に訪れる、さそりの領域。 風から水へ。分たれたものをくっつける、水の領域。 ふたごの後のかに、てんびんの後のさそり、そして、みずがめの後のうお。風の後に訪れる水は、いつでもそんな働きをしています。 てんびんで起こる「わたしとあなた」の分離は、鮮烈なものです。「わたし」がそれとして出来上がったとき、「あなた」とも「世界」とも分かれてしまう。 てんびんで吹

|astrology|いて座のおはなし

いて座の季節をゆきます。 さそりの領域で降りたその場所は、くるりと反転し、降りたその深さはそのままに高さだったことを明かします。 視界は、ひらけていたことを、知ってゆく。 いつだって、深さは高さ。だから深さはそのまま、視界のひろさとなる。 いろいろが、さまざまが、見えている、そのいろいろも、さまざまも、正反対も、大も小も、好きも嫌いも。 結局は同じこと、同じものでできている、すべては愛であると知っている。 深く降りることを助けた透明な鋭さは、いまでは知性に その

|astrology|やぎ座のおはなし

冬至を超えて、やぎ座の季節をゆきます。 やぎ座は、地のサインの最後を描きます。 手で触れることのできるもの、その実(じつ)をちゃんと見ている。 けれど同時に、手で触れることのできない領域に、十分以上に敬意を払うところもある。 やぎ座の山羊はご存知の通り、下半身を魚に変えています。 神話では、巨人に追われナイル川に飛び込んだ際、体の半分だけが魚に変身した、と描かれるのですが、このストーリーからも垣間見える通り、地のサインでありながら魚=水の領域に通じているところもある

|astrology|みずがめ座のおはなし

やぎ座の時間を抜け、みずがめ座の時間をゆきます。 ホロスコープは、その天頂をやぎ座の入り口(=冬至)で極め、5=しし座で自我が形成され、10=やぎ座で社会性が達成され、ある種の《ゴール》に達したようなところもある。 アタマで考えると10まででよいように思えてしまうけれど ホロスコープは結局は「生命」としてのわたしたちを見ている。10よりも、3×4や4×3が描く、12の《円》を見ている。 だから、10の先も続いてゆくのでしょう。 やぎ座の入り口の、その先。 やぎ座を

|astrology|うお座のおはなし

ホロスコープの旅の終着点、うお座の季節をゆきます。 旅のあるころから少しずつ感じてきた、おおきな水の、香り、感触。 「それは、この場所だったのか」 辿り着いた旅人は、そうつぶやきます。 おおきなおおきな、すべてをひとつとする、ひとつをすべてとする、海。 すべてがやさしく溶けあってゆく、海。 たくさんの《私》たちが、個々別々に生きる《地上》というシーンにあって 「愛」という言葉が、狭く、細切れにされて捉えられ、ときにその本質が失われてしまうのと同じように うお座