sui

夜迷いごとの国へようこそ。嘘かもしれないし、本当かもしれない。

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最近の記事

林檎と罪と生理

🍎林檎をたべよう 正月に帰省して自宅に帰ってくると、しなしなの野菜と林檎が小さくぽつんとおすわりしていました。なんということ、忘れていました。安い!と勢いに任せて買ったでっかいたくさんのお野菜たちのこと。どうせしなしなになるのでいいだろうと、残っていたお野菜を鍋にしてくつくつ煮込んでいつまでも食べていました。こういうときにこそ、いっぱい食べる同居人が欲しくなります。 林檎はくし切りをまた二等分してお皿に敷き詰めたものに、お砂糖と、あったらシナモン、ナッツをぱらりとかけて

    • 化粧という拘束と発芽について

      💄 目覚め 早朝遭遇すると、目線を合わせず下を向いたまま、もごもごと口だけを動かして挨拶をしてくる男の子がいる。挨拶のときに彼と目があったことは一度もない。真面目で、誠実で、仕事ができる。シャイで、見つめられるのが苦手。最近、眼鏡に加えてコンタクトを併用し始めた。そんな男の子を想像してみてほしい。私の目覚めはそこから始まる。 だれかに化粧を施すのはこれで二度目。一度目にお化粧をさせてもらってから、ずっとまたやってみたいと思っていた。一度目は個人的に、今回は人が見ているオ

      • 青梅と世界の終わりについて

        🍁 スイと私 突然だけれど、Twitter中のスイと現実の私は同一人物でありながらかなり異なる雰囲気をまとっていると思う。取り繕っているわけではないが、なにかがきっと違う。 同じマンションの同じ間取りの壁を隔てた向こう側の部屋に人がいて存在は知っているけれど声は聞いたことがないとか、ガラス窓越しに雨音を聞くとき自分の外側と内側の境目がよく分からなくなる感覚とか、そんな感じ。私なのに私ではない感じがする。 スイはスイの世界観で別の視点から物事を眺めているし、私は私で好き

        • むき出しの純情と桃について

          熱を帯びた桃 先日、旅先で出会ったお兄さんに桃をもらった。旅行先で買ったものを誰かにあげるのが趣味らしく、好きでもない果物を買っては贈っているとのことだった。今回は私がその果物を引き受ける流れとなり、半ば強引に押し付けられたビニール袋を抱えて電車に揺られ、一日中片手を塞がれ、改札を通ることに二度失敗して、やっとの思いで帰宅した。 ビニールの中の桃は大変に熱を帯びていて熱かった。それもそのはずである。猛暑日、かんかん照りの日中に外を連れ回されたのだから。歩き回ってずっしり重く

        林檎と罪と生理