パスタン

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最近の記事

パリ(症候群)の思い出〜Hermes Jour d'Hermes~

華やかな、華やかなパリの思い出(皮肉) このnote、実は購入したばかりの香水の感想を書いていたのだが、そもそも書くのもそれなりに時間が必要だし、noteを始める以前に買ったものも、そして気に入っているものも多々あるのは正直な話であって、新しい香水を買う度に書いていくと決めていたらお財布も持たない上に買うのを待つばかりで文章も書けなくことも気づき、ちょこちょこと過去に手に入れた香水についても書こうと思う。 と、逆に購入したばかりの方が興奮しながら書けるので良くも悪くも文章

    • 永遠なるヴァン・ヴェール〜Chanel No.19~

      初めてのシャネル 説明不要の香り、というのはこの世には多々ある。その最たるものの一本としてはシャネルのNo.5が挙げられるだろう(もちろん、香り酔いをした幼少の頃の思い出も含めて…)。そして、今回のN.19も同じくそのような香りと言えよう。 にしてもシャネルの香水、私自身はちゃんと手にしたことがない。「ちゃんと」、というのは私が持っているシャネルの香水は祖母から譲ってもらったNo.5のPと80年代のCOCO、そしてブラインド買いしたアドマイザーの『Cuir de Russ

      • 限りなく透明な真実〜Calvin Klein"Truth"~

        香水の出会いは様々ある。もちろん一番あるのは店頭で試した時の出会いだが、いわゆる「ブラインド買い」をする時はもっと面白く、その際は私はレビューサイトを見て、そこにある似たような香りという欄を必ずチェックする。今回の香りはまさにそのようにして出会った一本である。 「カルバン・クラインの香水」というと、個人的に真っ先に思い浮かぶのは『ck one』である。誰しもがたぶんティーンの時に嗅いだことのある香り、私はその一人だ。ただそんなに好きでもない香り、それは私が悩める10代だった

        • 忘れられなかった「男」と雪の上に落ちていた椿の花びらと~Nina Ricci "Memoire d'Homme"~

          フェンディの「Life Essence」を調べていたときにクリスティーヌ・ナジェルの「テオレマ」に出会い、それからナジェルの経歴を見た際に知った香水である。「Memoire d'Homme(以下MdH)」、そもそもニナリッチの中では数少ない男性向けの香水の一本でその後、男性向けの物は発売されていないのでニナリッチにとっては男性向けの香水として最後の作品となる。 〈ボトル〉 デザインとしては長方形のガラスがズレて重なり合っているようなデザインとなっていて、透明感のあるブルーと

        パリ(症候群)の思い出〜Hermes Jour d'Hermes~

          往復書簡(はりねずみさん,1通目)

          以下の文章ははりねずみ(Twitter:@hedgebok)さんに宛てた手紙の1通目です。 はりねずみさんから僕への1通目はこちら __________________________________________________________________ はりねずみさん こんにちは。たしか
ちょうど去年の今頃、表参道で散歩しましたね。 あの頃が懐かしく、また遠い昔のように感じますし、また今の日々が既に慣れ始めていることにたまに戸惑うことがあります。 それこそ

          往復書簡(はりねずみさん,1通目)

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          ある1日の、ある瞬間のための台本

          ある1日の、ある瞬間のための台本

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          カシミアのセーターに合う香り #1

          以前から探している香りがある。 それは「カシミアのセーターに合う香り」である。 個人的にはSMNの「ラーナ」がカシミアのセーターに合うと思っており、以前から愛用している。ラーナの、ローズとサンダルウッドの若干ダスティーな香りがざっくりと編まれたセーターやイタリアの片田舎の毛糸屋の店内を思わせるのだが最近になってきて、カシミアにしては幾分固さがあるように思えてきた。 それもそのはず、「ラーナ」はイタリア語で「羊毛」、しかもアウトドアスポーツの愛好家に向けた香りだそうである(一

          カシミアのセーターに合う香り #1

          あきらめた先にある風景

          そして1人だった。 朝が来て、昼が来て、夕暮れが来て、夜が来る。 そして再び朝が来て、昼が来る。 それに合わせて現れては消えていくカーテンの影。 14時を過ぎていた。ただそう思っただけのことだった。 友人との会話は全てスクリーン越しだった。けれどある時、通話が終わってパソコンの画面に反射する自分の顔を見たときに、実は友人の映像は録画されたものでこの世には自分以外は消えていなくなってしまったのではないかと思った。その時から、パソコンを通してでは誰とも話せなくなった。 窓

          あきらめた先にある風景

          Fendi 「Life Essence」と余白

          フェンディのお店の香り…?それはある方のツイートからだった。 僕はあの界隈ならヴァレンティノの香りしか覚えていない。というのもヴァレンティノが好きだからである。そもそもヴァレンティノは個人的には2008春夏のヴァレンティノ氏のラストコレクションのドキュメンタリーを見てから気になり始めた(見たことない方は是非。ヴァレンティノレッドのドレスに埋め尽くされたラストは圧巻で、またサントラに使われたマクラーレンとドヌーヴの「Paris Paris」も非常に合っている)。 シニョール

          Fendi 「Life Essence」と余白