さびしい夜の処方箋
夜一人で家にいると、たまにどうしようもなくさびしくなる。
宇宙空間にぽっかり1つだけ自分のいるワンルームが浮かんでいるような。
世界には自分一人しかいないのではと妄想しそうになる。
友達に電話してみようか。
でも寂しい時にいちいち電話をしていたら迷惑だろうし……
などとウジウジ考えてしまい、電話できたためしがない。
一人で行って、人と喋れる場所といえば、BARや居酒屋か。
しかし、私にそんな場所へ行く金はない。
代わりに、本屋へ出かける。
歩いて30分くらいの場所に、夜遅くまでやっている本屋があるのだ。
気になるコーナーを回遊するだけだ。
店員さんに話しかけたりはしない。
本はたくさんの人が関わってできるものだ。
だから眺めているだけで、人と繋がっている気がして落ち着く。
これぞと思った本を、たまに買う。
あとはメモをしておいて待機だ。
積読ならぬ待読。
待読は膨らむばかりで解消したためしがないけれど。
まだこんなに読むのを待っている本がある。
そう思うと少し明日を楽しみにできる。
本を買っても、買わなくても。
家に帰るころには少しさびしさも癒えているのだ。
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