見出し画像

日本最古の金物の町


2月は逃げるという言葉どおり。今日は2月25日 日曜の夜。
今週の金曜日には3月ですね!!!

2月の初旬、神戸まで出かけたついでに、三木市という町に足を伸ばした。新潟の燕三条と並び金物で有名な町だということは行きの電車の中で知った。三宮駅より阪急線に揺られ、到着した駅は無人駅だった。


気温が低く寒い日でもあったので歩いている人はまばら。駅前にあった洋菓子店で名物だという甘栗ソフトクリームを食べながら調べてみると金物神社という神社を見つけた。金物のお店があるといいなと思っていたのだが、ここを目指すことにした。

昭和レトロな商店街を過ぎ、坂道を上り三木城址後を超えると、こんなところにというところにポツンとあったのが金物神社。


金物神社、奥に見えるのが三木市金物資料館

小さな社をくぐり中に入っていくと、伝統装束をまとった人が金物を叩いていいる。鋸でした。

鋸、鉋(かんな)、小刀、鋸(のこ)、鑿(のみ)を毎月1回順番に実演するという。三木金物古式鍛錬技術保存会が主催している。今はこうした形で製造することはないので伝統を次世代に残していくためにも続けているそう。「"とんちんかん"の由来は、ここから来ているんだよ。鋸を叩いて、打つ場所やタイミングを間違えてチグハグな音がすると"とんちんかん"という音がするんだ」と保存会の人が教えてくれた。

古式鍛錬の実演

儀式の後は、金物資料館を見学した。
資料館には、古来から伝わる製法や金物が散逸してしまう恐れがある貴重な資料の収集と保存が個人の方の篤志により実現したそうだ。三木金物は「播州三木打刃物」として伝統工芸品に指定もされている。

入り口のところでお金を払おうとすると無料だった。居住地を書きながら表の上の方を見ていくと、イギリスや台湾と書かれている。海外からこの資料館を目がけてやってくるそうだ。

小刀を作るための道具

室内の展示品を見ていると、スタッフの方が展示品の金物を個人ガイドなみに丁寧に説明してくれた。木を切るため、削るためなど生活の道具として必要なものを人が工夫し、より使いやすく道具を進化させた様子も見ることができる。

年に数回、兵庫の丹波篠山で開かれるものづくりワークショップに参加しているのだが、鋸やチェーンソー、金槌をおっかなびっくり手にすることがある。

鋸のギザギザはおが屑をよける工夫


展示されているような大ぶりの鋸が登場する機会はもはやないのだろう。それでもかつて生活の中で使われていた道具たちをみていると、ものをつくる創造力の豊かさにため息が出てくる。

海外からこの場所を訪ねてくる方々はこの場所に何を目的にやってくるのだろう。日本の道具の歴史を掘り下げたくなってきた。


金物資料館の内観








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?