菅波ひろみ

日本産ブルースソウルシンガー。歌い手。日経新聞ご参照☞https://www.nikk…

菅波ひろみ

日本産ブルースソウルシンガー。歌い手。日経新聞ご参照☞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56366480U0A300C2BC8000/ ゴスペル&ソウルや発声の教え手。時たま書き手。三味線弾き手。ここでは映画と本や音楽など備忘録として使用。

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I Cried Like A Baby

ー先週金曜の夜にあんたが去っちまった時、    あたいは赤ん坊のように泣いたのさ。 「朝起きたら、彼氏(彼女)が居なかった」 とは良くあるブルースのお決まりの始まりではありますが…去られた恨み節から始まるこの情念のスローブルースは実は、強かな女の強さをコミカルに描いているもの。 ーでもね、  アタイにはあちこちに人脈があるもんだでね。  全てはOKなのさ。 その"人脈"とは… 殺し屋のいい男は、稼いだ報酬をあたいに全部持ち帰ってくるの / 木こりの彼もいいわよ、いつでもあたいを温めてくれる / 肉屋の男はスイートよ。毎日ステーキを運んでくれるの。お代はいらねえぜ、可愛いベイビーってね / 「家賃はいんねえがら、抱かせてくれ」って、大家の男が言うのよ/ 炭鉱夫の彼は聴いて驚く流れ、82歳よ… / 男に対し、常にQUEEN の風格を損なわないような女性像。講談のようなイメージを持って、淡々と歌い語れたらと考えています(笑)

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      Don't Put Your Hands On Me

      Kokoのライブ盤を聴いていると、特に女性の歓声に圧倒されます。弱い立場にある女性の叫びを代弁するように、盾になるようにシャウトするココ・テイラーに、多くの女性が頼もしさを感じるのでしょう。 "(私を殴ろうと)  振り翳してるその拳を下ろしなさい!   あなたの中にある甘い感情を持って      私に触れてくれさえすれば良いの。  女を男が征服するような、    今はそんな力ずくの時代じゃないのよ" ふと、公民権運動を促進させたAretha Franklinの『Respect』を思いました。同じ立場の女性達全員を背後に背負うような覚悟で歌うアリサやココに、女性達が大歓声をあげる理由がここにあると思います。そして、疾走感あふれるサウンドが、黒人女性の精神の強さを、よりパワフルに引き出しているこの一曲には熱くなります!

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        Jump For Joy

        『Jump For Joy』 https://youtu.be/8F_6bcNtoiU?si=2KxRdBR9eTa4_uvP 昨日の母の日にちなんで… 実はとっても家庭的で面倒見の良かったKoko Taylor。 常に家も庭もとても綺麗にしていて、ツアー以外の家での日々の暮らしを大切にしていたようです。家に人を招くのも好きで、よくバーベキューなどを開催していたようです🍖 このJump For Joyは、ジューク・ジョイントでのブルース・パーティーではなく、家でのパーティーを夜通し楽しみましょ!そんなハッピーな一曲。ココのファミリー感が溢れるような、私もとても大好きな歌です! "家中、キッチンだってどこだってブキ出来るのよ。  靴を脱いで、ラグを取っ払って、明かりをつけて、   別に酔っ払わなくてもいいのよ、    本当の満足って、沢山の愛に満たされること。     さあ、楽しみましょう!" 大きな懐を持って周囲に愛を配っていた、皆んなのMama、ココ・テイラー。  彼女の存在を、皆さんに身近に感じてもらえていると思います。そう、難しいことはありません! この歌の時は皆さん、月曜からノリノリで踊って下さいね〜!

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          Can't Let Go

          『Can't Let Go』 Koko のラヴ・ソングは烈風の如く情熱的❤️‍🔥  彼を、手放せないのよ!  彼を放っておけないの。 虜になってしまったその男を… 視覚以外で説明し難いけど、言わせて! 「金銀よりも価値ある愛の塊ー  彼がいるとたくさんの愛に満たされてー     彼のKissは、頭からつま先まで熱くして、   わたしの世界をひっくり返してしまうー  友達は言うわ。"狂ってるわよ"ってー   そう言うアンタも、彼を知ってしまったら、    次も会いたい!って絶対思うんだからー     もし、今私が彼に背中を向けたらとしたら、      他の女たちに取られちゃう!」 このライブ映像からもビシビシ熱量が伝わってきます! 先日、Chicagoの老舗Blues Livehouse『Rose's Lounge』で、現在シカゴでトップ的存在の女性ブルース&ソウルシンガーSheryl Youngbloodも歌っていました。Kokoの歌の数々は、シカゴで未だ歌われ続けているんですね。

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          Voodoo Woman

          『Voodoo Woman』 男性を張り倒す勢いでシャウトしたり、横取り女へ ピシャリと言い放ったり、Koko's Bluesには常に強靭なる女性像が反映されています。そんなココのこの曲では、ブードゥーの魔術(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ブードゥー教)を使って…?! "ポケットには兎の足、靴の中にはヒキ蛙  肩に乗ったザリガニが、 死んだよな顔であなたを見ている  ガラガラ蛇の破片も黒蜘蛛の骨も手に入れたし…  (魔術の準備↑)  ー男たちよ!  もしもアンタの女が他の男と浮気して…  女にこの呪いが効かないのだとしたら、  放っておいた方が良いね   私が天に手を挙げれば、空が泣き出す…  人は私を、ブードゥー・ウーマンと呼ぶわ"  この曲は、チェス・レコードからアリゲーターへ移籍した第一弾アルバム『I Got What It Takes』に収録され、世界中のブルース・ウーマンに好んで歌われているココ・テイラーのブルースの一つ。YouTubeで検索しても沢山のカヴァー映像が出て来ます。  ここでは、Shunさんのソロ・アルバムで、ココがゲスト・ヴォーカルとして招かれたヴァージョンをシェアしましょう!この録音は、実はココ生前最後のレコーディングとなったものだそうです。Shunさんのblogでその時のエピソードがあるので、コメント欄にシェア致します。うーむ、感慨深いです。

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          Going Back To IUKA

          アルバート・キングの1971年のアルバム『Love Joy』に収録されていた『Going Back To IUKA』のカバーからも、ココの心情を考察してみます。 「泣いたわ。故郷からの手紙には私の愛しい人が死にそうだとあったの。一晩中電車に揺られてアイウカ(南部の田舎)に戻ったわ」ー最後には、"どうぞ、誰がご存知でしたら、彼が眠る場所を教えて下さい"と締め括っています。想像するに、恋人を置いて北上して長い年月が経ち、手紙の知らせで故郷の地に戻ったが、結局は元恋人の死には逢えず仕舞いだったのだなあと。セカンドライン・ファンクなアレンジからは想像し難い内容!更にココが歌うと、しっかりと頭を上げて立つ強さを前面的に感じてしまう。その強さこそが、"ココ・テイラーのブルース"の持ち味なのだと思います。 男性視点の男気なブルースを、男勝りなココのボーカルが押し出すわけですが、そこには女性の切なさと強さをしっかりと感じさせてくれるのです。

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          Big Boss Man

          【男性ブルースクラシックのカバーで魅せる、         ココ・テイラーの女の強さ①】 ココ・テイラーが歌ったブルース・クラシックの中で、以下の2曲を挙げました。彼女の選んだ心理を想像して、その歩みを照らし合わせてみますね。 先ずはジミー・リードの1960年録音を歌った『Big Boss Man』 「私のビッグ・ボスは、朝から晩まで私を働かせっぱなし。少しの水が飲みたいだけなのに、そうもさせてくれない。偉ぶってるけどボス、あんたは別に大物ってわけじゃない。ただ単に背が大きいだけよ」  メンフィス州テネシーの田舎で小作人だった父と母に生まれ、幼い頃から綿花畑で綿を摘み、家畜の世話をして育ち、18歳には結婚を機に北上し、シカゴで日雇い五ドルで白人邸の掃除婦として働いていたココ。奴隷制の歴史や日常に色濃く残る黒人差別が歌の背景にありますが、このカバーでは雇用主に向かって"一言物申すわよ!"的なスパッとした潔いココの歌い口が見事です。

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          Wang Dang Doodle

          『Wang Dang Doodle』 今年3月で終了した朝ドラ『ブキウギ』では、かつて一世を風靡した昭和の歌手・笠置シヅ子をモデルとした主人公の人生が描かれていました。笠置シヅ子の才能を見出し、成功へと導き才能を開花させたのは作曲家の服部良一。必ずと言って良いほど、大成した歌手には鍵となる人物が存在します。もちろん、ココ・テイラーにも、歌手としての成功の扉を開かせた人物がいました。それが、ウィリー・ディクスンです。 ー1935年メンフィスの郊外で生まれたココ・テイラーは、18歳の時、当時の彼氏で後に亭主となるポップス・テイラーとシカゴへ移住。昼間は白人邸で家政婦として働き、夜は地元のジューク・ジョイントに出入りして、マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフのステージと知り合い、交流を重ねる。数年後のある夜、ウルフのステージに飛び入りで歌っていた時、当時チェス・レコードで、スカウトを務めていたウィリー・ディクスンが客席にいた。「大男が近づいて来て低い声でこう話しかけて来たの。"よお、中々良い声してるじゃないか。レコードを作る気はあるかい?"」(「」内は、Shunさんがココとのツアー中に彼女から直接聞いた小話!) ーこうして、ウィリーとのコンビが始まり、1965年にはココ・テイラー最大のヒット曲『Wang Dang Doodle』が生まれたのです。 「オートマチック・マシンガンのスリム」「切り裂きジム」「肉切り包丁のナニー」など怪しげな人々が繰り広げる乱痴気騒ぎを歌ったり奇妙なこの歌を、ココは当初大嫌いだったとか。前に知り合いに聞いた事があります。「シカゴのクラブでのブルースセッションでは、エントリーの女性シンガーはみんなこれを歌うから、一晩でこの曲を何回やるかわからない」だとか。 ウィリー・ディクスンがココの為に書いた曲の数々には一貫性があったのです。逆境を跳ね返す強い精神をもった女性像がはっきりと打ち出され、例えばアフリカン・アメリカンのコミュニティでの女性の立場を代弁したりなど、フェミニズム的な視点で書かれています。ソウルの女王アリサ・フランクリンの『Respect』は、オーティス・レディングのヒットを女性目線で歌って、公民権運動のテーマソングとなりましたね。ブルースの女王ココ・テイラーは、チェス・レコードからアリゲーター・レコーズに移籍しても、このパワフルな女性像を貫きました。今回のライブの選曲もほぼ強い女子の歌です!😂 今から30年前、アリサやココがどんな人物かなど良く知らない頃、私は彼女たちの歌声を聴いただけで、とてつもない強さを感じ熱くなり、鼓舞されていました。ただただこのジャンルが好きなだけで歌う事を続けて来ましたが、今自身も歳を重ねて、彼女たちの人生と歌の関わりを深く理解しながら、歌う喜びがあります。ライブ前にこうして少しずつ皆さんにお伝えして、当日は更にリアルな生のライブの波動を楽しんで頂けたら嬉しいです!

          Wang Dang Doodle

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          Ernestine

          『Ernestine』 Koko Taylorの作品の中で、彼女による作詞が意外に多かった事に新鮮な驚きを受けました。何処となく面白味があり、ココの気取らない親しみやすい人柄を感じてしまいます。 "アーネスティン!言ったはずよ、自分の男を見つけろって。アタシの男に手を出さないでと" 何度警告しても火遊びを止めないオンナ、アーネスティンにココはサビでこう吠えます。 "(このやり取りをゲームに例えるなら) 野球と同じようなもんよ。 2ストライクで負け、3ストライク目でアウト。 いい?アンタは強打者を相手にしてんの! アタシは満塁ホームランを打つのよ。 アタシは燃えてるのよ!" 誰にも真似出来ないストロングスタイル⚾️🔥 この歌ね、歌っているとなんか燃えてくるんですよ私自身も。楽しいです笑 さあ! Shun Kikutaさんが出ているこの映像をみなさんお楽しみ下さい☺️

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          Let The Good Time Roll

          『Let The Good Times Roll』 今年2月より劇場公開中の『Color Purple』では、スワンプの森の中に建てられた秘密基地のようなジューク・ジョイントが出てきました。警察や白人達から遮られた空間で、コミュニティの黒人達が生バンドと酒を楽しみながら汗だくになって踊る…『Let The Good Time Roll』はそんなシーンを思い浮かべながら聴いて欲しいっ! ちなみに、ココは自分の父親を「週末、ジューク・ジョイントで飲むウイスキーを楽しみに働いていたような人だったわ」と語っていたようです。 色んなバージョンはありますが…このバージョンをシェアします。Let The Good Time Rollといえば、のB.B Kingが!Kokoの才能を見出したWillie Dixonがっ!Etta JamesとKokoが同じステージだなんて濃すぎる!なYouTubeです。Let The Good Time Rollは2:54頃から始まりますよ☝️ "大家さん、ジューク・ジョイントの鍵締めちゃって!警察が来たら、今日は閉まってるよと言っといてよ" ー人生は一度きり、死んだら終わりよ。   老いも若きも関係なし!愉しむわよ!ー ジロキチがジューク・ジョイントみたいな雰囲気になったら良いなあ💃🥃

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          I'm A Woman

          6/24月曜、高円寺ジロキチで行われる『In A Spirit Of Koko Tylor』のライブに向けて、ご来場の方がより楽しめる、又はより多くの方に興味を持って頂けるように演奏予定曲をご紹介することに致しました。 facebookのご参加ページはこちらです。 https://www.facebook.com/share/7Au7dpc2KX9wypCr/?mibextid=9l3rBW 「ブルースの女王」の冠をつけた存在は、未だKoko Taylorの他にはおりません。 『I'm A Woman』 "少女の頃に母に言われたの。心の中にあるブルースを歌いなさい、と。そう、私は火の玉。古きを新しきに変える。私は烈風。地球を揺るがすわ" 彼女がこの世を去る一年前の2007年の映像ですが、生命力が炎のように激っています。ギタリストはShun Kikutaさん!ココのシャウトを注意深く見守り、バンドをまとめている様子がわかります。ココに信頼されていたのですね。

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          東京での音楽活動20周年において

           ※情報解禁※ 東京での音楽活動20周年の今年、第一弾の企画として特別なライブが決定致しました! 🪅🪅🪅🪅🪅🪅🪅🪅🪅🪅🪅🪅 Hiromi Suganami 20th Anniversary /In A Spirit Of KOKO TAYLOR/ 2024.6.24(月) 高円寺Jirokichi 菅波ひろみ Vocal 菊田俊介 Guitar,Vocal (ex.Koko Taylor's Blues Machine) 中道勝彦 Keyboards 大神田智彦 Ba

          東京での音楽活動20周年において

          #映画館で観た映画 立川で『Till』 吉祥寺でロウ・イエ監督 『サタデー・フィクション』

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          初めての三越劇場での舞台

          10月29日は、日本橋三越の三越劇場にて、春日会主催の会に、糸として出演致しました。元々は、小唄や三味線を嗜む男性のみの発表会だったようですが、今回から、趣味として楽しむ方もしくは免状受検予定者などが出演出来る会と設定したようです。  春頃、とよ登喜先生から会への出場のお話があり、意気揚々と参加表明をさせて頂いたわたくし。江戸三味線の名手である清元梅吉さん作曲の「からす」「蔦葛」で出演すべく、夏より取り組んで参りました。2015年から緩く、先生に逢いたいが為に稽古に足を運んで

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          私の本棚〜芸者・芸事・芸人・昭和関連

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