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さみしい明るさ

12月に入って暫く経ったあたたかい日。
気がつくと辺りは暗くなり、次の日がまた刻一刻と近づいてくるのを感じる。

歩き疲れた足は、地面にくっついてしまいそうなじんわりとした痛みのようなものを感じさせ、本を詰めたリュックで肩は重く、ずしりとした痛さを感じた。

疲れたなとぼんやりと意識では思いながら、家路に着くために歩を進めると、大通りから少し外れた路地にチラホラとイルミネーションがついているのが見えた。

青、白、オレンジ。
チカチカ、チカチカと変わってゆくそれらは、職場の近くのたくさんの人が観に来るようなとんでもない大きさのイルミネーションとはまた違った良さがあると思う。

花壇の一箇所だけついたそのイルミネーションはどこか辺りの家々には似つかない、さみしい明るさをはらんでいた。12月の景色だった。

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