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旅の記録

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今までの旅のことをまとめています。アイスランド、台湾、式根島、新島、青森…
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記事一覧

何者でもないあなたへ『僕が旅人になった日』

驚きなのですが、本が出ます。 昨年、まだ私がnoteを始めたばかりの頃のこと。noteでは、TABIPPO×noteお題企画「#旅とわたし」が始まっていました。 投稿された4000件以上の作品のうち、20名の旅が収録された本が今日、発売されました。『僕が旅人になった日』(TABIPPO編/ライツ社) 20名のうちのひとりとして、わたしの旅も収録されています。 旅とわたし記憶というものは時が経つにつれて、薄れていってしまうものだ。だからこそ、言葉という形にしたいという想

わたしと父のふたり旅

父についてのあれこれ私は父とよくふたりで出かける。 この話をすると、仲がいいねだとか、私は無理だなぁだとか、そんな言葉がよく飛び交う。 けれど、私は父と出かけるのが好きだ。 私の父はとても身長が高い。幼い頃の私はほぼ父の足だとか、お腹あたりを見ていたような気もするし、肩車をされると、それはもう違う世界のように高く感じてちょっと怖かった。 わたしがまだ小学生の頃は、毎日仕事が忙しそうで、夜にたまに会えたり、休みの日にたまにみんなで車で出かけたりする、よくある父親の姿だったと思

旅と記録/新島

以前書いた式根島の記事の続きです。

静岡に砂丘があるなんて知らなかった話

「日本にも、こんなところがあったんだ。」 はじめて砂丘に足を踏み入れた私はそんなことを考えていた。 先週末、わたしは家族で静岡に旅行に行った。 母の誕生日を祝うためだ。 父とコソコソ会議をして決めた旅行だった。 朝の8時に父の運転する車で家を出た私たちは、 少し曇っている空を見上げながら、 静岡の宿に想いを馳せていた。 寄り道した富士山が見えるスタバ 私たちは静岡に向かう途中、 富士川サービスエリアに立ち寄った。 そこには晴れていれば富士山が見えるスターバックスがあり

式根島での時間

2年前のゴールデンウィーク 私は友人と『式根島』に行った。 式根島は東京都だ。伊豆諸島の離島のひとつで、都心からは高速ジェット船で3時間ほどの船旅だ。島周囲わずか12kmほど。自転車でも簡単に島内一周ができるコンパクトな島だ。 宿を取るには基本電話で、お昼なんかに電話をかけると「今お昼寝してるから、またあとでかけてね」なんていう言葉が返ってきてはじめはすこし驚いた。 海がきれいで、近所の人はみな知り合い、魚は人生で一番というくらい美味しい、島に一軒だけアイス屋さんがある

京都ひとり珍道中

「そうだ、京都に行こう」 私は大学で毎日デザイン漬けの日々を送っていたある日、ふとそんなことを思った。 というのも、そういえばまだ自分が中学生だか高校生だったころの修学旅行の時、京都の街を見てもどんな街だったのかあまり覚えていなかったからだった。 行ったはずなのに、どんな街だったかな。 不意にそんなことを思った私は、その一週間後くらいに人生初の夜行バスを新宿で待っていた。 思い出せないなら、行ってみよう。 カメラとリュックを持って京都に向かうことにした。 夜行バスに乗り

そうだ、台湾に行こう②

台湾に行ってから約一ヶ月が過ぎた。 あっという間なような、そうでもないようなそんな感覚だけれど、今になって思い出すことを書き残しておこうと思う。 空港から電車に乗ったとき、暗いホームから眩しい光が広がる森や畑、小さな家や、中国語が書いてある古いマンションやビルたち。 電車で飛び交う英語や中国語。 同じ車両に日本人は誰もいなかった。 当たり前だけど、ここは日本じゃないんだなぁと、徹夜明けの頭でぼんやりと考えながら揺られた記憶と不思議な台湾の香り。 台北に向かう途中で降りて、駅

そうだ、台湾にいこう①

私は以前から台湾に行ってみたいと考えてはいたものの、ぼんやりと頭の片隅にあるだけだった。 ある日、6月でとあることが一区切りになると気がついた私は、思い立ったら吉日とばかりに飛行機とホテルの予約を取り6月末の台湾行きを決めた。初1人海外旅行だった。 仕事もバタバタと片付けて、あっという間に当日になり、気がつくと羽田空港に居た。早朝に日本を発つ飛行機だったので、深夜から羽田に向かい空港で朝を迎えるようなスケジュールを立てていた。 ワクワクというよりも、ソワソワが勝っていた

そうだ、台湾にいこう。

私はいま、台湾にいる。 人生初、ひとり海外旅だ。 ワクワクというよりは、ドキドキしている。 街中は日本とは違う独特の空気と、 行き交う中国語のやりとりが、意識を外へ外へと否応無しに向けさせてくる。 思い立って、すぐに決めた台湾旅だけれど、 良かったのかなぁと思いながら、 きっと帰りの飛行機で何か答えが出ると良いなと思いながら、noteを書いている。 ところで、台湾に来てからどんな場所でも 1つだけよく使う中国語がある、 その言葉は『謝謝(ありがとう)』だ。 道を教えてく

早起きは三文の得

目が覚めるとまだ早朝で、鳥の声が聞こえる。 私は昔から旅に行くと、その日の朝は早く起きてしまう。 同居人に話を聞いてみると、結構こういう人は居るみたいだった。 昔、まだ私が小学生だった頃、 家族旅行に行ったときも、ひとりだけ先に目が覚めて、 早くみんなに起きてほしいと思いながら、リュックに詰め込んだゲームボーイのカービィをやっていた。 みんなが起きないようにゲームの音を消していると、鳥のさえずりが聞こえてきたのを覚えている。 はじめて一人で京都に行ったときも、 早朝の5

アイスランドのごはん事情と旅の記録その❷

アイスランドのごはんと聞いても、 あまりピンとくる人はいない気がする。 日本とアイスランドはなかなかに遠く、飛行機で14時間ほどかかる。だけど、この国のごはんは日本人の私には、わりとしっくりと馴染んだのだった。 アイスランドの定番あさごはん ホテルの朝ごはんで毎回出てきたものがある。 それは、「スキール(Skyr)」という濃厚なヨーグルトのような食べ物だ。 味は水切りしたヨーグルトにマスカルポーネを混ぜ込んだような、濃厚な味わいだ。私はこの「スキール(Skyr)」がすご

はじめての海外旅行は、アイスランドだった

日本からデンマークで乗り継いで、約14時間。到着したのは夜の22:30頃だった。 当時、私は大学生だった。 4月頭、みなが就活をスタートしていた時期、 私は『アイスランド』の地を踏みしめていた。私にとっては初めての海外旅行だった。 私は、8日間の旅にしては小さめのトランクと小さなリュックを持ち、バイトをして貯めたお金で買った一眼レフカメラを首にかけていた。 アイスランドの空港は、大きめのショッピングモールくらいの大きさで、途中乗り継いだデンマークとは、また違った雰囲気が