見出し画像

宇都宮初日

まずこれを書くにあたって私がものすごーく後悔しているのは、愛しのK先生とのツーショットを撮らなかったということ!畜生。楽しい時に限って、写真を撮るのを忘れがち。

兎にも角にも、宇都宮に行くか行かないか、私の中でかなり逡巡した。記事にも以前書いたことがあるけれどあまり良い思い出のある町ではない。それでも行こうと思ったのは、彼氏の友達が宇都宮に居るということもあり、交通費がただだったからだ。

到着するや否や、彼氏の親友とその奥さんと真昼間から飲んだ。彼氏の親友は、私たちが付き合いだした頃から、ちょうどその奥さんと交際を初めて、付き合って半年で結婚、今はもう奥さんのお腹には新しい命さえ宿っている。なんていうか「幸せ」そう。わたしが思い描いているような幸せを目の当たりにした。奥さんが旦那さんの横っ面を引っ叩くほどの喧嘩もあったというけれど、それを笑い話に塗り替えられるほどの幸福感がこちらまで伝わってきた。

そんな空気に当てられたのか、彼氏を外に連れ出して「私のこと、本気なのどうなの?言っとくけど子供は四人欲しいからね」と言ってしまった始末。半分はネタ。半分は本気。でも気弱でなよなよしてて、とにかく私のことが大好きでしょうがない彼は、うんうんとニコニコ微笑んで頷く。伝わってるのか、伝わってないのか。

そんな私も一時間後には、初恋の生物の先生に、今夜ホテル行きましょうよ〜、と言っているのだから、我ながら節操がない。でも初恋の人だったら、一夜の過ちでも宝石箱に大切に閉まっておけるような思い出になるのではないのかな。まぁ、見事に華麗にスルーされたけれどね。かといって、その先生が「よし!よしのとヤるぞー」となったら気持ちが萎えてしまうわけで。自分でも自分の気持ちが分かりません。

ただ一つ。
「そういえば先生のタイプの女性って、羊羹を作ってくれる人でしたよね。」と、高校時代に聞いた話を持ち出した時の、「そうだねぇ、羊羹はいいねぇ。」という先生の笑顔は、変わらず素敵だった。なんでそんなに爺臭い(いや、実際結構年齢はいっている)羊羹が好きなのか分からないけれど、先生が急病かなんかで倒れたら、渾身の羊羹を作って宇都宮まで持って行こうと思った。先生は分からないだろうな、恋愛感情は2割くらいかもしれないけれど、その何倍も私が先生を大好きってこと。話の合間で他の生徒の名前もたくさん出てきて、きっと皆にとってこの先生は通過点に過ぎなかったかもしれないけれど、ちゃんとこの人は皆ことの覚えてるんだって、皆の代わりに私は嬉しさを独占しちゃったもんね。

ああ、一応補足しとくと、私と先生だけじゃなかったよ。「誰か他に呼びますか」と言う先生に、二人きりが良いですなんて言える勇気も覚悟も無くて、後から国語の先生とその奥さんが来たんだよ。

自分の高校は政治でがんじがらめのクソだと思ってたけど、私が気づいてなかっただけで良い先生ばかりだったんだなって思った。


あーーーーー!もっと先生と一緒に居たかったなぁ。何も喋んなくていいからさ、横で静かにビール飲んでて欲しかったよ。

先生たちは、ホテルに泊まる私と違って早々に帰っちゃったのが寂しかったなぁ。

そのあと私は半ば義務感で、お世話になったオーナーのお店に飲みに行ったんだけど、バー山野井さんの超絶美味な苺のマティーニが後から来てグロッキーなのよね。安い葉巻をもらって、ジャックローズを一杯飲んで帰ったよ。

ちきしょー。
先生がもっとお酒弱かったら、たくさんからかえたのになぁ。私がいつか文学賞でも取ったらこっち向いてくれんのかなぁ。それはそれで何か選民思想っぽくて嫌だな。

でも当日の昼に急に飲みに誘って、来てくれるのはありがたいよね。本当に生徒思いの先生だったのかどうかって、生徒が卒業してから初めて分かるもののような気がするよ。

酔っ払ったフリでもして、私の胸に先生の手を押し当てればよかった。なんなら抱きつけば良かった。

来世は先生に飼われる猫のうちの一匹になりたいなぁ。

もう夜中の3時になっちまうよ。
こりゃ明日の朝も肌荒れは確実ですな。深夜のコンビニでラーメンをぶちかましたいです。

おやすみなさい。

P.S.
先生の飼ってる猫たちが長生きしますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?