古本屋に寄って、歯科医へ
歯のメンテナンスのため、5か月に一度歯科クリニックに行く。
昨日「そういえばクリニックの近くにブ〇クオフがあった」と思い出し、古本を持っていくことにした。8冊。結構重い。暑い日の午後、これらを抱えて20分近く歩く価値はあるのだろうか。
「1800円になります」
良かった、持ってきて。
概ね新刊なので、そこそこの値段はついたのだろう。
驚いたのが「信念の魔術」が350円で売れたことだ。
自己啓発の王道書ということで、随分前に購入したものの、ずっと読まずに本棚に置いていた。古書店に持ち込む前にパラ見して感じたのが「多分、ここに書かれていることは既に実践できているから、読む必要はない」ということ。結局1ページも読まずに手放したが、それでいいのだ。
いつか読もうと一年以上放置した本を、再び手に取る可能性は非常に低い。
ただ――いくら高く売れたとしても、読まない本を買う方がもったいない。
心に留めておこう。
歯科医はこわいところだ。いつも緊張する。歯のことではない。
髪の毛のほうだ。ミリ〇ンヘアーが歯科衛生士さんの白衣に付着するのじゃないかと気が気ではない。
前回クリーニングが終わった後に、衛生士さんの胸元を見たら、黒いものを発見してしまい、ひどく動揺した。女性同士とはいえ、相手の胸元を手で払うわけにもいかない。結局何も言わずに退出したが…衛生士さんは当然気づいているだろうな。
今回も、椅子に座った後、少し身体を下方に移動させた。頭が衛生士さんに触れないようにするためである。前回は「もう少し上にきてください」と指示されたが、今回は何もいわれない。ああ、やっぱり気づいているんだな。
本当に髪が薄くなると厄介だ。素頭で外出する勇気はないし、ウィッグと医療機関は相性が悪い。歯のメンテ中、ずっと髪のことを考える。たまに衛生士さんの腕が頭に当たると、黒粉がつくのではとハラハラする。
「虫歯もなく、綺麗に磨けています。マウスピースも機能していますし、このまま続けてください」とお墨付きをいただく。今回は衛生士さんの胸元が汚れていないことを視認し、安堵。
腕が黒ずんでいたので、すわ黒粉か?と思ったが、単なる痣だったようだ。
やれやれ。
待合室でぼんやり精算を待っていたら、衛生士さんが「あの、これお忘れ物です。ごめんなさい、こちらも気づかなくて」と検査台の上にあった私のマウスピースを差し出してくれた。
いえいえ、こちらこそ申し訳ありません。
黒粉がどこに付着するか、そればかりに注意が向いていて、マウスピースをすっかり失念していました。
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