アラフォー上海留学日記【64日目】

4/30 火

今日は大荷物で出発する日なのにあいにくの雨。上海の春、雨多すぎ。

授業で、あの手この手で説得するという単語「好说歹说」を習い、実際に説得する人とされる人を演じるグループワークをやった。みんなすごい上手。よくそんなにペラペラと人を説得する言葉が出てくるな。

北京から佳林まで24時間の鉄道旅をしたことがあるという黎明に、電車に乗るときなに持ってった?と聞くと、充電する場所がないかもしれないから充電器は必須、あと人の出入りで眠れないから耳栓を持っていけばよかったよ、と言っていた。充電器ないのはやばくない? いっちゃんはシェア充電器があるはずと言っていたけど、大丈夫だろうか。

昼ごはんを食べてすぐ部屋に戻り、干していた洗濯ものから必要なものをピックアップ。荷造りを終わらせてメールをチェックしたら、終わったと思っていた仕事のトラブルが再燃しておった。なぜ、よりによって出発前に。しかもスダさんの返事を待ちます、とある。返事をしている暇はないので、気持ちがしずんだまま出発。

フライトは18:30の便だが、中国では国内線でも2時間前に空港に到着しておく必要がある。言うて1時間半前につきゃいいだろと舐めてかかり昆明で乗り遅れた経験があるので、2時間前は厳守。

出発は浦东国际机场なので市内からは約1時間半。重い荷物を背負っての移動はなかなかしんどい。そろそろバックパックも卒業の時期だろう。さびしいけど、とにかく体力温存、無理は禁物。というか、中国でバックパック背負っている人ひとりもいないんだけど。ちょっと恥ずかしい。
空港の喫煙所で最後の一服をして、ライターとはおさらばだ。みんなが置いていったライターたちの仲間に入れてもらうんだよ。

アプリで予約したからチケットレスかと思ったら、ボーディングパスをわたされた。保安検査場で顔写真を撮られたので、搭乗時は顔認証なのかしら。あちこちで顔認証されるの嫌だなあ。管理社会。
国内線なのに、保安検査のスタッフが日本語で(かばんのなかに)ミズナイネ! コートココ!と言ってたのが意外だった。日本人の出張者が多いのかもしれない。
それにしても浦东はデカい。搭乗口が500まである。ひたすら歩いてようやく搭乗口についた。ジャスミンウーロン茶でひと息つく。

飛行機のなかでスマホの単語帳を見ていると、隣のマダムが中国語を勉強しているの?と話しかけてきた。いま上海で中国語を勉強しています、新疆に行くのははじめてで電車に乗るのが目的です、みたいな話をしながら機内食を食べた。
食後はマダムも寝静まり、私も読書タイムだったのだが、着陸1時間半前くらいにマダムが目覚めて質問ラッシュ。東京のどこに住んでるの、東京の生活費は、家賃は、上海と比べていちばん違う点は、学校の学費は、留学生は何人が多いの、仕事は、その本なにが書いてあるの、夏目漱石と東野圭吾知ってるか、東京の医療費はどれくらいなのetc.…
たびたび逆側の隣のお兄ちゃんにも話しかけているので、おしゃべり大好きマダムなのかと思いきや、そっちの隣は息子さんだということが最後に判明した。息子さんいっしょにウルムチに旅行に来たんだそうな。息子さんは大学を卒業して就職で戻ってきたばかり、私と似てるでしょうとうれしそう。

着陸して電波が入った瞬間に、予約していたタクシーの運転手さんから電話がかかってきた。が、例のごとく聞き取れない。とにかく要求を伝えようと、いま飛行機が空港ついたところだ、出口を出たらまた電話するから待っててくれ、を繰り返すがらちが明かない。
隣のマダムに電話を代わってもらい、荷物を受け取るからあと数十分かかるということを伝えてもらった。途中で、運転手さんが名前のプレートを持って出口で待つと言っているけど、名前は?と言われ、须田です、必须的须、田野的田と言ったのだが、マダムは历史的史,田野的田と伝えていた。史田さんになってしまった。しかも、ネームプレート代が30元かかるという。ぐぬぬ。

マダムが、荷物を受け取ったらいっしょに出口を出ましょう、運転手さんを見つけてあげると言うので、お言葉に甘えた。息子にも少し話しかけてみたが、かなり戸惑っていた。そりゃそうだよな、ヤングだもの。言葉も不自由な外国人と話すのに慣れてないよね。そう考えるとマダムのコミュ力えぐい。
無事「史田小姐」と書いたプレートを持った運転手さんと合流し、マダムにお礼を言って別れた。困ったことがあったらいつでも連絡してとWeChatを交換してくれてありがたい。

運転手さんはウイグルの人ではなく、広州、香港、杭州などを転々としてここにたどり着いたという。ウイグルはいいところですよ、二线城市なので大きい都市だし食べものもおいしくて天候もいいとのこと。

途中、夜中の1時なのに検問があって、ああウイグルに来たんだなという感じがある。ここで、時差ないの?と気づいた。中国ってぜんぶ北京時間なんだっけ?
1時半ころ、ようやくホテルにチェックイン。ホテルにも荷物検査の機器がある。検査員のおっちゃんがいびきかいて寝ていたので、フロントの女の子と笑いあった。

空港でウイグル語の表示などを撮る暇がなかったので、コンビニにビールとライターを買いに行くついでにいくつか撮影。コンビニはウイグルらしい品揃え。2軒行ってみたが、いずれも女の子がひとりで店番をしていた。人気はないけど、けっこう治安いいんだろうか。

夜の街も探索してみたかったが、今回の目的は電車旅なので見送り。また来ればよい。洗顔フォームを忘れたことに気づき、クレンジングオイルのみで化粧を落として3時過ぎにようやく就寝。

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