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趣味とお金

 レジンを始めた。UVライトを買ったからせっかくならセルフジェルネイルもしようとネイル用品も揃えた。

 もしかしたらお金になるかもと思った。ハンドメイド作品は流行りだし、私も何かできるかもしれないと期待した。

 しかし、そんなに甘くはなかった。売れている作家さんの作品はどれもツヤツヤで隙がない。汚いなと思うところがないのだ。もちろん当たり前かもしれないが。

 でも私は始めたばかりだし、習ったこともない完全独学。そんなに綺麗にはいかなかった。もともと学生の頃の美術の成績は悪かったし、自己満足の領域でしか製作できないのだと悟った。

 メルカリやミンネに溢れるレジンのハンドメイド作品はどれも綺麗で宝石のようだ。ネイルチップだってたくさん工夫を凝らしたものが1500-3000円程度で買えてしまう。ムラなんてない隙のない綺麗な色をして、綺麗なパーツが付いている。

 少しやってみたけど、お金にするほどには向いていないと悟った。ただ、そんなに落胆することではないと自分に言い聞かせている。ネイルに関してはセルフができるじゃないかと。自分が見て喜ぶだけなら、お金にならなくても価値はある。お金を払ってネイルに行かなくても自分でワンカラープラス少しのアートだってできる。人に差し上げようと思うから綺麗にしなきゃとか窮屈になる。

 坂口恭平さんの躁鬱大学、こちらの参考書となっている神田橋語録に「あっちふらふら、こっちふらふらがよろしい。」と書いてあるのでそういうことにしておこう。

 一つのことを極めることが性に合っていない。生きていけるのなら欲張らず、趣味程度で良いではないか。人の真似をしなくていい。

 昨日バイト先でたまたまSMAPの「世界に一つだけの花」オルゴールバージョンが流れていて思わず口ずさんだ。「一人一人違うはずなのにその中で1番になりたがる?」の部分にたしかになぁと改めて共感した。

 私たちは同じ人間の形をしているが、生まれ育った環境、性別、容姿、特技、性格、長所、短所、何もかも違う。だけど、目に入る人が自分より優れていると感じると劣等感を感じ、鬱になる。それって無駄じゃないか?だって何もかも違うんだもの。化学かなにかの実験で「条件が何もかも違うものを比較しなさい」なんて言われても破綻していてできないはず。それと同じだ。

 そうやって今日も自分を鼓舞する。少しでも鬱が晴れるように。

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