中根すあまの脳みその39

私は怒っている。
そう、怒っている。
ものすごく怒っている。
ああ、怒っている、怒っているとも。
かんかんだ。私はもう、かんかんだ。
私は許さない。
絶対に許さない。
何があっても許さないんだからな。
おい、おい!!!聞いてんのかおい!!!

【TEASE】

私は怒っている。
何十年も苦しめやがって。
いいか?ずっと我慢してたんだぞ。
お前のせいで、私は生きづらかった。
ずっと生きづらかった。

幼稚園児の頃、折り紙がびしょびしょになった。
小学生の頃、テスト用紙がぐちゃぐちゃになった。
中学生の頃、スマホが反応しなくなった。
高校生の頃、シャーペンの金属の部分が錆びた。
そして今、パソコンのキーボードに水たまりができている。

私がどれだけ苦労したか。
お前という存在に、どれだけ悩まされたか。
お前は考えたこともないんだろうな。

私は見栄っ張りだから、
お前の存在を他人に悟られたくなかった。
握手なんてもってのほか、ペンを貸すことも、カラオケのマイクを次の人に渡すことも、
私にとっては一大事だった。
バンドでドラムを叩いていた時には、
お前のせいでスティックが飛んで行ったことが何度もある。
私が何か悪いことをしただろうか。
私の何をそんなに憎んでいるのか。
お前のせいで私の人生は、散々だ。

【TEASE】

そりゃあもちろん、
お前から逃れることも考えたさ。
でも私は知ったのだ。
そのためには、
高いお金が必要なことを。
なんかめちゃくちゃ痛そうなことを。
そして、そこまでしてもなお、
確実に逃げられるとは限らないことを。

私は泣いた。
大声をあげて泣いた。
ああ、こんなことでは、
そのうち現れるであろう私にメロメロなイケメンと、
手をつなぐことすらできないじゃあないか。
あんまりだ。
あんまり残酷だ。
お前は、お前は、
一体どこまで私を苦しめる。
もう十分だろう。
もう十分私は、苦しんだろう。

【TEASE】


こうしている今も、
お前は私への執拗な嫌がらせをやめない。
キーボードがすべって文字がうまく打てないじゃないか。
手汗、お前何を笑っているんだ。
え?今キーボードを滑らせているのは俺じゃない?

…涙だ。
涙でキーボードが滑っている。

おい、手汗、笑うのをやめろ。
やめろと言っているではないか。

分かったよ。
お前が私のそばから消えることはきっとない。
なぜなら、
これが私の、私という人生の、
運命だから。

【TEASE】


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