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中根すあまの脳みそ

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中根すあまが考えたことや、気づいたことを徒然なるままに記録していきます。毎週金曜日に更新。読んでやってください。
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2024年3月の記事一覧

中根すあまの脳みその237

予想外の朝だった。
比較的時間に余裕があることを認めて、玄関のドアに手をかける。

外は別世界。
怒りをぶつけるように降る雨と、思い出したくない過去を振り払うように吹く風が、さながら暴力のようだ。嫌な予感をビシビシ感じながら、傘を開く。瞬間、傘の形が変わる。これでは変な形をした意味のない物体だ。濡れたサドルそのままに自転車に跨る。仕方がないから強行突破、7分間の辛抱だ。丸腰で漕ぐペダル、1秒1秒そ

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中根すあまの脳みその236

バイト先の古着屋がつぶれた。
文字通り、跡形もなく。
どちらかというと続いている状態の方が不思議なくらいの店ではあったが、携帯の画面の上の方から垂れ下がった緑色の通知ひとつで終わってしまう、その呆気なさに驚いた。
そういうわけで、私は新しい職場探しを余儀なくされた。

1ヶ月弱の職探しの末行き着いたのは、どうせ日常の大半をそこで過ごすのなら、非日常の中にいたいという私の願いをいい感じに手軽に叶えて

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中根すあまの脳みその235

とある事情で学校の制服を着た。
自分が当時、実際に着ていたものではないのだが。
この格好をした今の自分が、どれだけの違和感を人に与えるのかを考える。
おそらくそれほど大きなものではない(と、信じたい)のだろうが、
それを着てしかるべき年齢の人間と並ぶときっと、その違和感は増幅し、強烈な印象を残すだろう。
輝かしい記憶ではなかったはずなのに、輝かしい記憶であったような気がする。
衣替えで久しぶりに見

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中根すあまの脳みその234

よく利用する駅の構内にあるカフェが、セルフレジ形式になっていた。
店の外にレジがあり、そこで支払いをし、店内で注文したものをうけとるというシステム。
次の用事までかなり時間が空いてしまった、ある午後、セルフレジ形式に変わってからはじめてそのカフェを利用した。
レジは2台。
1台にお洒落なマダムの2人組。
もう1台に20代半ばくらいの男の人。
それぞれがタッチパネルを操作している。
その後ろで順番を

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