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中根すあまの脳みそ

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中根すあまが考えたことや、気づいたことを徒然なるままに記録していきます。毎週金曜日に更新。読んでやってください。
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2023年12月の記事一覧

中根すあまの脳みその225

激しい川の濁流に流され、息をつく暇もなかったのが私の2022年だとすれば、2023年は、その川からあがり、水を吸って重くなった体を引き摺りながら己の足で歩き続ける、そんな日々だった。
なぜ進むのか。
それが分からなくなって立ち止まり、またしばらくして歩き出す。己の足で立ち、己の足で踏み出す、そんな当たり前を強く実感する毎日であった。

1月は行ってしまう、2月は逃げてしまう、3月は去ってしまう、

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中根すあまの脳みその224

電車で、少し離れた席に座る女の子。
気配だけでわかる。
彼女は泣いていた。
感情をなにか激しい川の濁流のように垂れ流して。
いかにも溺れてしまいそうだったので、私は、さっき道でティッシュ配りのお兄さんから丁重に受け取ったポケットティッシュを手渡したくなった。
しかし、ある程度距離のある彼女の元へ一直線にずかずかと歩いていく己の姿を想像すると、なんだか恐怖に近いものを感じたので、実行に移せずにいた。

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中根すあまの脳みその223

午後4時。
空が赤い。
暗くなりはじめた空の一部分だけが、まるでトマトジュースでもこぼしたかのように赤くなっている。
少し奇妙に思えたが、夕焼けの名残だということにしておいて、空から目線を外す。
そういえば私は、トマトジュースの美味しさがわからない。

午後9時。
ふと思い立って空を仰ぐ。
まだ、赤かった。
もう、夕焼けである可能性は考えられない。
一体これはなんの色なのだろう。
暗闇にぶちまけら

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中根すあまの脳みその222

缶のコーンスープのコーンをひとつぶ残らず腹の中に収めた人など存在するのだろうか。
万華鏡を覗くようにして缶の底に目を凝らすと、身を寄せ合うにして留まるコーンたちの姿。
その景色に何度泣かされただろう。
缶に口をつけ、首ごと傾け、底を叩く、その仕草虚しく頑なに動かぬ黄色い粒。
極度に傾けた首が、駅のホームの白々しい沈黙に馴染まず、気まずい。
首を元に戻したのは、全てを諦めたから。
救い出せなかったコ

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中根すあまの脳みその221

20分に1回しか来ない電車を待つ20分の空白。
本を開く親指の爪に彩られたピンク色のラメが、ページに反射して輝いていた。きらきら。
人間なんて案外、こんなことで元気になれてしまうのである。

正解の電車に乗っていたのに何を思ったのかそれをあやまちだと思い込み、1度降り、数秒後、結局それが正解だったと気づき、情けなさに苛まれながら新しい電車を待つ、この世で最も無駄な時間を過ごしたことなど、

お客さ

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