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2023年5月の記事一覧
中根すあまの脳みその195
公園で酒を飲んでいた。
その日は劇団の公演で使う(はからずも、公園と公演を同じタイミングで使った。携帯の変換はなぜかいつも、私の意図と違う方の漢字を変換してくる。それが少し、いや、かなり嫌だ)衣装の買い出しに、その衣装の制作をしてくれる友人とともに出かけたのだった。
無事に買い物がすんで、祝杯の一つや二つあげようと腰を落ち着けたのが、その公園であった。
その日は、ちょっとこちらが戸惑ってしまうほ
中根すあまの脳みその194
生半可な気持ちで、キッチンに入ろうとしてはならない。
能天気な気持ちでそこに立ち入ろうものなら、間違いなく足元をすくわれ、足に新たな青アザを増やすことになるだろう。
中根家のキッチンの入口にはトラップがある。ダンボールが並べられただけの、トラップ。犬の侵入を防ぐためのものである。きっと世には、それ用の、なにか柵のようなものが存在するのだろうが、うちにはダンボールくらいがちょうど良い。
ダンボール
中根すあまの脳みその193
ファンデーションというものをあまりつかわない。いつからかそれは、わたしにとって信用のならない、春の夏日のような存在になっていたのだ。春の夏日にはいつも騙される。あたかも、もう夏であるかのように陽気に振舞った次の日には、気温は冬に逆戻り。
ファンデーションもまた、わたしを騙す。
つけた瞬間、隠れる肌の弱点。毛穴、肌荒れ。あなたの肌は綺麗になりましたよ、そしてこれが一日ちゃあんと続きますよ、確信に満ち
中根すあまの脳みその192
洋服のサイズとブランドを把握することが仕事たりえる場所で働いている。
初対面の洋服に、その正体を問う。
君はどこから来たのか、どのような人間のためにつくられたのか。
答えは、大抵すその裏側か、人間が着用したときのちょうど首の当たりに隠れている。
隠れている、場合はいいのだが。
困ってしまうのは、それらの情報の提示がない場合。のっぺらぼうな姿からはなにも読み取れない。わたしは仕事ができない。
ブラ