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中根すあまの脳みそ

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中根すあまが考えたことや、気づいたことを徒然なるままに記録していきます。毎週金曜日に更新。読んでやってください。
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2021年9月の記事一覧

中根すあまの脳みその111

夏休みも終わりに近づいたある日。
私は、極めて憂鬱な時間である事務所のネタ見せを終え、うきうき気分で稽古場を出ようとしていた。予定では、商店街にあるモードオフで古着を物色し、コンビニでアイスを買って、青空の下でそれを味わってから帰るという、ご機嫌な午後を過ごすつもりだった。靴を履き、一歩踏み出す。するとその時、ポケットの中の携帯が震えた。特に何も考えずに電源をいれ通知を確認すると、そこには見たこと

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中根すあまの脳みその110

出会わなければよかった。
一体、何度同じことを考えただろうか。
唇を噛み締め血を流すほどに後悔しても、出会う前の時間はもう、帰ってこない。
あの平穏な日々はもう、帰ってこないのだ。

それは、ごくありふれた深夜。
母親も妹も動物たちも寝静まり、私ひとりで放置していた大学の課題に取り掛かろうとしていた、穏やかな夜である。
ふと用事を思い出し、家族の衣類が詰め込まれている我が家の納戸に足を踏み入れ、用

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中根すあまの脳みその109

部屋が散らかっている。

これはあまり知られたくなかった情報である。しかし、今これを綴っているのがまさにその、散らかった部屋であり、この場所の酷い有様から目をそらして他のことについて語ることが憚られるほどの惨状であるため、仕方なくこれを読んでいるみなさんにお知らせしたのである。イメージダウンの原因になっても仕方がない。そのくらいの罰は与えたほうが良いだろう、自分自身の怠惰に。

かつて私の部屋は綺

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中根すあまの脳みその108

もう8月が終わってしまった。
誰かに会う度に繰り返しているこの台詞は、時候の挨拶でも退屈しのぎでもなく、極めて真剣な、且つ悲痛な心の叫びであるということ、周りの人にはあまり伝わらない。

おそらく、いちにちの長さは短くなっている。前にもこの場所で同じようなことを訴えていたかもしれない(100回をこえたあたりから、どんな話でも、前にもこの話題について書いたかもしれない、という既視感を覚えるようになっ

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