黄帝内経太素例言①

漢志黄帝内経十八巻晋皇甫謐序甲乙経云。

漢志の黄帝内経十八巻は、晋の皇甫謐、序して甲乙経に云(いわ)く。

今有鍼経九巻素問九巻二九十八巻即内経也。

今、鍼経九巻素問九巻二九十八巻有り、即わち内経也。と

復云、素問論病精微九巻原本経脈。

復云く、素問に病の精微を論ずるに九巻原(もと)経脈に本づく。

其義深奥故其書内仍稱九巻

其の義深奥故に其の書の内を仍わち、九巻と稱す。

本書楊注凡援引今本霊枢扁目経文皆稱九巻

本書の楊の注に凡(すべ)て今の本の霊枢の扁目、経文を援引するに皆九巻と稱す。

據此足知今本霊枢與素問即漢志所稱内経十八巻也。

此こに據(よ)りて今の本の霊枢と素問とは即ち漢志の稱する所の内経十八巻なるを知るに足る也。

唐王冰注素問因全元起注本第七巻久亡自謂得舊蔵之巻参入天元起大論七篇於素問中。

唐の王冰の素問を注するに全元起の注本第七巻は久しく亡(うしな)わるに自ら舊蔵(きゅうぞう)之巻を得て天元起大論七篇を素問の中に参入すと謂えり。

復於全本素問多所遷移。

また全本の素問には遷移せる所多し。

又因隋志有九霊之名稱九巻爲霊枢而全本素問既失其真古九巻之名亦就湮没

又隋志に九霊之名有るに因りて九巻を稱して霊枢と爲し而して全本の素問は既に其の真を失い古(いにしえ)の九巻之名も亦湮没(いんぼつ)し就(お)わる。

本書合九巻素問兩部爲一書於王注素問天元紀大論等七篇無一語参入足存全本素問之真

本書は九巻素問の兩部を合わせて一書と為し、王注の素問天元紀大論等七篇に一語も参入無く、全本素問之真を存するに足る。

於九巻経文多所詮釋足袪霊枢晩出之惑

九巻の経文に詮釋(せんしゃく)する所多く、霊枢晩出之惑(まどい)を足袪(ひら)くに足る。

茲取霊枢素問甲乙経詳爲對勘倣素問新校正例於毎篇篇首標名自某處至某處見霊枢素問甲乙経巻幾第幾篇

茲(ここ)に霊枢素問甲乙経を取り、詳しく對勘を為し、素問新校正例に倣い、毎篇の篇首に標名某處より某處より至るは、霊枢素問甲乙経巻の幾第幾篇に見ゆと標名す。

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