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HOKUTO CTO就任に寄せて

こんにちは、株式会社HOKUTOの岸本です。
2024年3月1日より、株式会社HOKUTOのCTO(Chief Technology Officer)に就任させていただき、今後より一層HOKUTOが掲げる「より良いアウトカムを求める世界の医療従事者のために」を実現するべく、エンジニアリング領域の責任者として尽力していく所存です。

今回はこれまでの経緯やCTOとしてこれからやっていきたいこと、大切にしたいことを簡単ではありますがお話しさせていただければと思います。


CTO就任までの経緯

HOKUTOとの出会いと業務委託時代

最初に私がHOKUTOと出会ったのは遡ること2021年3月でした。その以前に私が業務委託をしていた時に知り合ったエンジニアからTwitterで声をかけていただき、「業務委託としてどうですか」、というところから始まりました。
業務委託エンジニアとして参画し、主にFirebase周りの実装の基盤整備をしながら、Flutter/Dartのコードも書いてモバイル開発を行うような形でコミットしていました。
併せて、チーム開発がしやすくなる基盤の整備だったり、CI/CD環境の見直しなどを行なっていました。
そんな中、正社員としてはどうかというオファーを頂いていたものの、当時は株式会社メルカリでエンジニアリングマネージャーとして奮闘中の身ではあったためすぐにオファーを承諾できずではいたのですが、嬉しいことに2年近くずっとオファーをし続けてくださったのもあり、メルカリでのエンジニアリングマネージャーとしての経験を活かしつつHOKUTOの目指すミッションにコミットするべく、2023年4月より正社員として正式に参画しました。

正社員になってから

正社員として参画してからは、以下の3つの役割を持ちつつ、状況に合わせて柔軟に動き回るような形で少しずつ自分のできることを拡げていきました。

  • ソフトウェアエンジニア

  • エンジニアリングマネージャー

  • 情報セキュリティ管理者

いわゆるプレイングマネージャー的な形で、自分自身も開発にあたるし、メンバーやチームのマネジメントにもあたるといった形で広くエンジニア組織、プロダクト部門内で活動をしていました。

情報セキュリティ管理者に関しては私自身も今までのキャリアにはなかった新しい役割になりましたが、無事に前任から引き継いで会社全体の情報セキュリティに対して責任を持ちつつ、ISMSに沿った運用及び改善に取り組めています。

CTOになりたいと思ったきっかけ

正社員として参画し、エンジニア及びエンジニアリングマネージャーとして活動の幅を広げていく中で、以下の点に課題を持ち始めてきました。

  • CTO(あるいは技術責任者)が不在による意思決定のしにくさ

  • 長期的、継続的、あるいは潜在的な技術的課題への取り組み不足

  • 問題が発見されづらい、解決されづらい状況、プロダクト施策と品質向上のバランスをとることの難しさ

HOKUTOでは創業当時から今までCTO的なポジションが不在、エンジニアリーダー的な存在もしっかり明確にはなっているわけではありませんでした。
ここ1,2年でエンジニアリングマネージャーに就くメンバーが出てきてある程度エンジニア組織の課題解決、改善を担っていくという役割はありました。
一方で、技術的な意思決定は最終的に誰が行うのか、誰が責任を持つのかというオーナーシップが定まっておらず、それに応えるのが自分なのか、プロダクト責任者なのか、取締役なのか曖昧になっていた部分がありました。

また、今までのHOKUTOのフェーズにおいてはPMFし続けることが重要で、とにかく改善のフィードバックループを回し続けることが重要であり、スピード重視な状況が続いていました。
それによって多少犠牲になってしまった部分や、品質を担保できなかった部分が徐々に顕在化してきていたり、いわゆる技術的負債が蓄積してきている状況になってきました。
こうした状況に対して、誰が音頭を取って進めるのか、どのように方針を立て今のプロダクト施策とのバランスをとりながら進めるのかというのが決まりづらい状況でした。

もちろんCTOでなくても、解決していける範囲ことはあるのは事実ではありますが、自分自身がいちエンジニア、いちエンジニアリングマネージャーのままではなかなか問題の本質に切り込んでやっていくのが難しいなと感じました。いわゆる権限と裁量と責任範囲の部分で、上記で触れた曖昧さが一定あるままで自分の動きに自信が持ちづらい状況でもありました。また、自分の中で「場当たり的な対応はし続けたくない、やるなら徹底的に問題や課題の本質を捉えて責任を持って進めたい」という気持ちが芽生えてきたのもありました。

そんな折、今年の1月にLayerXの松本さん、Coincheckの松岡さんとお話しさせていただく貴重な機会を頂き、自分の悩んでいることや考えていることを相談させていただき、その気持ちはより一層強いものになりました。
(この場を借りて改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。)

その後、経営陣と今後やっていきたいことや今悩んでいることなど正直に相談をさせていただき、この春よりCTOとして新たな役割と責任、期待値を背負って取り組むことが決まりました。

CTO就任とこれから

CTOになったからといって全てが急速に改善解決されるわけではなく、これから何を考え何を実行したかが大切になってくるので、まずは以下の部分において責任ある立場として推進、解決をしていこうと思っています。

  • エンジニア組織、開発体制の理想状態の定義とそこに至る道のりを明確にし、その間にあるギャップに対して達成すべきことを定義し、実行するべきことを定める

  • 発生・顕在化している問題や課題の整理及び抽象化から、それらの問題や課題に対して本質的に解決するためのアプローチを導き出す

  • それらを元に、いつどの技術的課題に取り組むべきか、技術的負債に向き合うか、技術選定をどうするかなどの方針を事業戦略とすり合わせて策定し、遂行していく

まずは「理想はどういう状態で、現状はどうなっていて、その間にあるギャップは何で、何を達成したら理想状態に進めるのか」という点と「問題が起きている原因やメカニズムは何なのか。類似している問題は起きているのか、問題を抽象化するとつまり何なのか」を確度高く整理しながら解像度をあげ、限られた時間や少数精鋭の組織で確実に問題を解決しながら理想に近づけるように整理していこうと思っています。
今までは漠然と「ここが問題だな」「これずっと後回しになっているな」「徐々に開発におけるリードタイム伸びてきているな」みたいな課題があちこちから出てきて散らばっている状態で、そこから掘り下げて考える、みたいなのを私含めてそこまでできていない状態ではあったので、そこにまずは取り掛かろうと思います。

また、弊社のサービスに置いては、医療従事者の方が私たちのサービスを安心して使用してくれることが非常に重要で、それを維持し続けるためにもプロダクトの品質を高く保ち続けることが非常に重要です。そのためコードの品質、技術的負債にも向き合い続け、不具合やミスが起こりづらい環境、体制でい続けることも重要になってきます。一つのミスで信用を失う、一つのミスで人の命に関わるかもしれないーその意識を強く持ち品質を高く保ち続けるためにやらなければいけないことにも取り組んでいきたいと思います。

そして、僕としては「質とスピードは両立できる」と信じているので、品質も高く保ち続け、スピード感もって価値提供ができる、それを支えるエンジニア組織・開発体制を構築していこうと思います。

…そしてこれは現状での考えにはなるので、実際には動きながら軌道修正しながら進めていくことになると思います。
「CTOとしてやるべきことは?」みたいなことは結局会社によって求められることも違うし、課題や問題になっていることも違うため、明確な解や銀の弾丸はないので、真剣に自分が組織に向き合う中で見出しながら進めていこうと思います。

また、CTOという立場になっても、以下の点に関しては大事にしていこうと思います。

  • メンバーとの対話をし続ける

  • 現場から離れすぎない

私一人では問題や課題の発見や整理、理想状態の定義をすることは困難ですし、必ずしも僕の視点や考えが常に正しいとは限らないので、メンバー1人1人との対話を大切にし、メンバーからも忌憚なく意見や課題として思っていること、こういう組織でありたい、などをフィードバックしてもらいながら、より良い意思決定ができるようにしたいと思います。

また、CTOとして視座を上げ、方針を考えたり今起きている問題や将来的なリスクや課題を考えてばかりになってしまうとどうしても足元が見えづらくなってしまうので、今までよりもコードを書いたりする頻度や時間を減少しますが、それでも時間の許す限り自分自身も「ソフトウェアエンジニア」として技術的課題に真正面から向き合っていけるようにしようと思います。

最後に

先の章でも触れましたが、やっとスタートラインに立った状態ではあるので、今日ここで書いたことを常に意識し手を動かし続け、1年後あるいは2年後に振り返った時に、
確実に改善、解決されてきて、現時点での理想のエンジニア組織、開発体制にできる限り近づいている状態だといえるように尽力しようと思います。
まだまだ新米のCTOではありますが、HOKUTOの事業含め応援していただけますと幸いです。

また、最後にはなりますが、ちょうど先日弊社共同代表取締役の山下のインタビュー記事が公開されまして、HOKUTOの提供価値や戦略について取材された内容が掲載されていますので見ていただると嬉しいです。


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